化け物みたいな耐久性のタクティカルライトElzetta charlieについて書いてみた。
ー私物装備は財布に優しくないー。
あらゆる職種に於いて、仕事道具を買い揃える時、選ぶ基準は人それぞれであろう。所謂独身貴族であれば多少のコストを掛けて性能を優先することは出来なくもないが、所帯を持ってる者にはなかなか厳しいものがある。また、装備に金を掛けるものであっても、その優先度もまた人それぞれである。
プレートキャリアにバリスティックヘルメットなど、作業服と銃と弾以外の全てを私物で購入してきたかつてのイキリ士長であった筆者であっても、全てをHigh Tierな装具にするだけの予算は注ぎ込めず、チェストリグは長らくCONDOR、マグポーチもCORDURAを使ってきた(使い心地に不満はなかった。寧ろCORDURAのAK用マグポーチに至っては最も気に入っている)。
尤も、最近はポーチ系をWARRIOR ASSULT SYSTEMS、チェストリグをDIRECT ACTION等の財布に優しくないモノに更新した。そんな中でも、タクティカルライト、タクティカルナイフ、衛生資材だけは高価なモノ、実績のあるモノを当初から使い続けてきた。
ーさて、イキった書き出しで始めてはみたものの、今回書きたいライト、Elzetta charlieは自腹で買っていない。筆者が昇任試験を合格した後に他部隊の先輩からプレゼントして頂いたモノだ(だいぶ遅れて、米国の特殊部隊への納入実績のあるタクティカルナイフ、DEFCON HYDRAとCR123電池を1ケースお贈りしたものの、正直全く釣り合っていない気がする)。
Elzettaとは…
当シリーズは世界一頑丈と名高いタクティカルライトである。タクティカルライトとして極めて有名なブランドであるSUREFIREのライトであるが、小銃のウェポンライトとして装着したまま射撃した場合、二百数十発程度で壊れてしまうとも言われている(弾種、ピストンや遊底の重さ等々にも影響されるため、一概にどうとは言えない)。しかし、このライトに関しては虐待同然の使い方や意図的に極端な負荷を掛けるような使い方をしても簡単には壊れないという恐るべき耐久性をもつ(具体的数値は言わないほうが良いかもしれないので、この場では言及は避けたい)。
当シリーズにはalpha、bravo、charlieのモデルがあるが、筆者はcharlieのみ保有しており、他モデルに関してはレビュー出来ないため割愛したい。尚、当ブランドの特徴の一つが、ベゼル、ライト、レンズ、本体、テイルスイッチのそれぞれがバラバラに購入しても自由に組み合わせられるようになっている。例えばcharlieしかもっていなくとも、bravoの本体を購入してcharlieの本体以外を組み付ければElzetta bravoが完成する。筆者はストロボ機能を持たせたテイルスイッチと、集光レンズを購入し、状況に応じて使い分けている。
使用電池はCR123バッテリー×3。
サイズは長さ17.02cm、ヘッド部の直径3.68cm、ボディの直径2.54cmとコンパクトであり、重量も軽い。ボディの細かいチェッカリングのお陰で滑る心配もなく、極めてホールドしやすい。
ライトのモードには2種類あり、18300カンデラ、1350ルーメンのHighモードとLowモードがある。Lowモードにしたければテイルキャップを回して緩めてテイルスイッチを押すだけだ。
LowモードではHighモードの暴力的な光力ではなく、一般的懐中電灯の光力に近い。IDチェック時に必須だ。戦闘行動にも、普段の警戒業務、普段使いにも対応している。光力調整のできるライトは多いが、強力なタクティカルライトは普段使いに適する光力に落とせない機種も非常に多い中、これは嬉しい。
そしてElzetta charlieのある意味最大の特徴がこれだ↓
緩めてLowモードにしたテイルキャップをギリギリHighモードに入らない辺りで止めておくと、普通にテイルスイッチを押しただけではLowモードのままであるが、上記画像の様にテイルキャップを親指で横向きに圧するとHighモードの光を発することができる。つまり、小刻みに圧することでセルフストロボが可能だ。これは点検中に急に襲われる可能性のあるLE(法執行機関)や、警備員、警衛勤務中の自衛官には嬉しい機能である。
★最大のネックは取得費用…★
さて、筆者が先輩からプレゼントして頂いた時点で4万円弱であった当モデルであるが、現時点でネット上の相場は6万円台〜5万円台とかなり費用が嵩む。性能を鑑みると、充分払うに値するモノではあると自信をもって言えるが、財布事情面で言えばなかなか二の足を踏みやすいかもしれない。
また、入手に関しては池袋にあるライト専門ショップez-lite様にて購入することが出来る他、Amazon、ライト関係の通販サイトでも入手可能である。
オススメはez-lite様にてオーナーさんと相談して選ぶことである。当店はマニアから、警備業、公安職や自衛官などありとあらゆる層からの信頼を得てるショップである。
しかし、ここ最近はネットでも入手しやすくなったものの、米海兵隊の制式採用装備になったりと一時期非常に入手困難になっていた。混迷を極める現状の国際情勢下ではいつまた入手困難になるかわからない。
またゼロレンジコンバット(零距離戦闘術)創始者である、稲川義貴氏が高く評価している事から特定界隈では人気のライトである。
絶対に真似しないでほしいが、夜間のあらゆる距離において後輩に頼み、顔に照射して貰ったことがあるが、1800ルーメンの中華性安物ライトとは明らかに光力に差がある。元々タクティカルライトはルーメン数が大きいほど幻惑できるというものではないが、Elzettaのそれは明らかに「眼に良くない」。山中にて猪と遭遇した際に至近距離で顔に照射したが、逃げて行ってくれた程だ。
筆者は国内の官公庁向けライトメーカーであるレイギアーズのTSUKUYOMI9というライトも保有しており、こちらも極めて強力かつ眼球に対する虐待といえるライトを保有しているが、こちらが最大出力であっても、Elzettaの方が眼球に良くない気がする。残像が長い事消えてくれないし、視界がなかなか戻ってくれないのだ。
Elzettaシリーズ、オススメです。
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