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お誘いください。この○○を。

そう、怖いのだ。
嫌だと思ったことほど覚えている私にとって、これは一番の嫌な思い出。
あの日の出来事を、ゴミのように捨てることは、できそうにないのだけど。

誘ってください。

 −−−

今、タイトルだけ読んで「あっち」の方向で考えた方、何人かいらっしゃいますね?
残念ながら私はパートナーがおりませんで、「あっち」の方向ではないのです。申し訳ないのだけど。

とにかくね、わからんのです。わからんから怖いのです。なんでこんなに怖くなったのか不思議でならないんですが、もう20年? いや25年以上も前の話ですから記憶なんて朧げです。霞の如く消え去ってほしいものなのに、そういうものに限って、噛みすぎて味のしなくなったガムよろしくくっついたまま。ヘラで取りたいけど、それに関わるものを見ると、またガムをくっつけていくのです。
ちなみに私はガム類をほとんど食べない人なので真意のほどはわかりませんが、駅のホームでヘラ持ってカリカリやってる業者さんならすぐに取れるんでしょうね。取ってもまた誰かくっつけちゃうんですかね?

とまあ、ガムはどうでもいいです。例えるなら「ガム」ってだけ。粘着テープとか接着剤だと勝敗がわかりきっているので例えにしませんでした。
とにかくね、怖いのです(2回目)。なにが怖いかっていうと、アレです。

「遊び」への『お誘い』です。

 −−−

あ、また『あっち』の方向で考えた方、怒らないから挙手してください。特になにもしませんから挙手してください。

遊びに行く時、誰かと行ったほうが楽しいでしょ? 通常はそう考えるんだと思ってます。ところが私は捻くれ者なので友人(ネット上での友人はいますが)と呼べる人がいないのです。一人もおりません。親友なんてなおさらいません。いたような気もするんですが、音信不通になったきりで連絡取れません。
それも突然でしたので、こっちから連絡取るのもバカバカしいし「関係を戻したい」「まだ友達だよね?」なんて確認は取りたくないのです。向こうには向こうの生活があります。ちなみに性別は伏せておきます。
性別を伏せると書いたのは「あっち」の意味ではなくて、プライバシーの問題です。もしかしたら見てる「かも」しれないですし、いや見てても「んなことあったかよ」でスルーされる確率は100%です。あの頃の私は影も存在も薄かったので、覚えてる人がいるかどうかも怪しいはずですから。

 −−−

約25年前ね、たしか小学生の頃です。現在の年齢バレますけど、バレてもいいです。
これといって特徴がなかった私はコミュニケーションの取り方がものすごく下手だったようで、クラスメイトにも話しかけられませんでした。
理由はなんだったかよくわかりませんが「どうやって話しかけたらいいのか?」「話したあとの反応は?」で頭がいっぱいになってたのかもしれません。それに「話が続かないor続けられない」タイプでもあったため「話しかけたはいいけど内容がないじゃん⁈」と。向こうがつないでくれるだろうというギャンブル要素強めのコミュニケーション。逆に話しかけてくれたらなんとかつないでやろうの精神で頑張ってたような気もしますが、ほとんど覚えてません。

夏休み間近って時、仲よしグループの何人かが話をしてて盛り上がってたので「なんだろう」と思って私も話を聞いてました。というか席が近かったから、なにもしなくても勝手に話の内容が入ってきてたんです。話の中心にいた子に「遊びに行かない?」と誘われました。珍しいを通り越して「私でいいの?」が先に来たくらいです。それでも戸惑いながら「行く」と言いました。「○○ちゃんも行く?」よくあるパターンの「誰か巻き添えにして遊ぶ約束」をしました。
どこへ行くかって言うとーー町民プール。もちろん付き添いの親も一緒に来る予定で(言い出しっぺの子の親です)。
ちょっと雨模様だったんですが「大丈夫だろう」と私は思ったんです。ちゃんと支度して待ち合わせ場所まで行って待ってました。ここまではよかったんです。
誰も来ません。いくら待っても来ない。もしかして場所も日にちも間違えた? って思ったんですけど、ちゃんと合ってます。待ってる間、ついにパラパラと雨が降ってきました。
でね、後ろから一台の車が来たわけです。乗ってるのは「私を遊びに誘った」子。仲よしグループの真ん中にいた子です。パワーウィンドウを下げて、

「雨だから、今日はキャンセルだよ〜」

ごめん」の一言もなくいきなり。言葉の意味は「雨だからプールで遊ぶのは中止にします」です。プール以外の場所にすればいいじゃないかと口に出すことはしませんでした。車はそのまま去っていきました。
もどかしいというか、すごく嫌だった。
なにがって「ごめん」がなかったから。

決行か延期かなんてその日の朝イチに連絡よこせばいいものの、なぜか連絡のひとつもよこさなかった。挙げ句の果てには「そんな約束してたっけ?(笑)」って返されかねない状況。もうほとんど覚えてないんですけど、実際にそんなことを言われたような記憶があります。翌日登校した時もそれには触れず、もうこの話はなかったことにされました。
その日以降、私はその子(取り巻き含め)と遊んだ記憶がありません。性格上、その子と私とでは釣り合わない部分が結構あって、私が自分から離れただけかもしれないですが。
この日以降「お友達と遊ぶ約束」をするのが怖くなりました。

①「私が遊び仲間に加わっているとは知らなかった」
②「私と遊ぶ気なんてさらさらなかった」の2択で進んでたのかもしれません。
③「ほんとうに遊ぶつもりだった」があったとしても、前2択に食われた可能性が非常に高くて。

だったら、なぜ「ごめん」が出てこなかったのか。

思うに、その子は明らかに乗り気じゃなかった。ってことだと思います。碌に話したこともないクラスメイトが遊びに誘われるなんて、槍が降ってくるレベルの確率でしか発生しないですもん。

 −−−

子供って純粋で単純だからこそ怖い。だから平気でそういうことも言うし「約束したっけ?」ってなる。
でもやっぱりさ「ごめん」はほしかったかな。

誰かに「○○行こうぜ!」とか「一緒にランチしよ?」とか言われる、いわゆる『何気ないお誘い』がーーーーとてつもなく怖くて仕方がない。
誰かが誰かを遊びに誘う文章を見ると「いいなあ、私も混ざりたい」と思うのと「私が原因で空気を壊したらどうしよう」という思いがせめぎ合うのです。

でも、今は違います。違くないや、まだ多少なりともあります。ありますけど、昔よりはマシになったほうです。だと思いたい。
まだコミュニケーションの取り方にやや難がある気はしますけど、勇気出して私から「お出かけ」に誘ったことは3回ほどあります。その時はちゃんと決行できました。両方とも職場の方で、FFのオーケストラコンサートが2回、カービィカフェ&かえるのピクルス巡り(ちょうど東京駅で催事やってた)が1回。マジでこの時頑張りましたけど、もう誘う勇気はないです。

「断られたらどうしよう」のあとに発生する「なにか」が怖くて仕方がない。娯楽に付き合わせるなんて断られても致し方ないと思ってるのがいけないのかもしれませんが。
ほんとうは行きたいんです。行きたいんだけど、昔のそれがあるから嫌なだけ。

そんな私は、恩人にお礼をすることができるのか?
人に会って、お礼をすることができるのか?

何事も訓練、なんてことを言われても、こればっかりは訓練しようがないと思ってます。コミュニケーションに難ありの判定も診断もされてませんがWAISの結果は「その傾向がある」だったのです。
やっぱりWAISの検査してもらった医療機関にもう一回行って、そっちで紹介状書いてもらえないか相談してみようと思います。
タイトルとなんの関係もない決意です。これでも進んだほうだと思ってます。

なので、誘ってください。私を連れ出してください。
「一緒に行こう〜」「一緒に遊ぼう〜」の言葉で傷ついた人ですけど、さすがにこのままじゃダメなんです。
救うのも「一緒に行こう〜」なんじゃないかって。


タイトルが倒置法なのは無視してください。気がつくとなっちゃうんです、倒置法。
なので直す気はないです、今回も。

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うるら(あっぷ)
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