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図書館のこと「すみっコ図書館(飯能高校の学校図書館)」

3月29日、ちょっと空が不機嫌? でしたが。
行ってきました。噂の「すみっコ図書館」

八洲生としての見学です。個人的ではなく。この日は帝京大学の学生さんたちと合同での見学会でした。
…恥ずかしながら、私は埼玉県民のくせに、ここの存在をまったく知らなかったのです。いやあ、越生より西側はどうにも疎くて。
飯能市はムーミンバレーパークができた市でもあります。

お出迎えしてくれたのは湯川康宏さん。湯川先生、と書くと某ドラマの天才物理学者になってしまいますが、私はこれで通します。
図書館入り口で、なーんか聞き覚えのあるメロディが。「図書館っぽくない入り口」「これが鳴ってる=図書館が開いてる」と教えてくれまして、入り口に人がたくさんいると入りやすくなる効果みたいなものを使ってるそうです。この時点で図書館っぽくないし、図書館が本来持ってるイメージをぶっ壊しにかかってました。

入室したところ。
完全にレストランのそれ。

湯川先生に案内してもらいながら、館内を見学。
入ってすぐに書架が見えるけど、書架の前にね、レストランにあるようなものが置いてあるんです。しかも、なぜかバスに使われてる「とまります」のボタン。ちょっとじわるのなんでだろう。

国別の書架。

いろんな工夫がしてあって、国別で分類するとあちこちに飛んじゃうから、という理由で文化とか言語とか、歴史とかを国別で一箇所にまとめてありました。調べ学習の時なんかはあちこち行き来しないですみますね。
書架の奥に空箱が入ってるのは「本が奥にいかないようにする」工夫なんだそう。当時は取りにくいイメージだったから、この工夫はよき!
飯能高校独自の分類を勝手につくって収納してるそうです。これ、仕事や就職に関するものもそれに合わせて分類されてました。すごい細かく分けられてて、分類表見てるだけでも目が痛くなるくらいでした。

書架にこっそり。

書架の空いたスペースにすみっコキャラ。スキマの有効活用ですね(違う)。端から端までびっちり埋める必要、たしかにありません。詰めまくると本が取り出しにくいし。

今日の運勢(?)も占えます。
胃袋か脳味噌か。極限(?)ガチャ。

「くじを引いて出た番号の本を読むことを勧められる」というおもしろい催し。その名も「すみくじ」おそらく「すみっコぐらし×おみくじ」と思われます。つくりもちゎんとしてて、本物。ほかにも1日1回だけ回せるガチャ(すみっコインガチャ)があって、こっちは「胃袋か脳味噌どちらかを必ず使うガチャ」という名称。出た番号で天国か地獄(笑)にわかれてます。自分以外の人を連れてきてやってもらわないといけない番号もあるので、ともだちや先生を強制的に引き込むことになります。おそろしいですね。

場違い。その1

コタツもあるんだ、へえ〜 図書館にコタツ(二度見)?
夏場は布団が収納されるつくりです。この布団、自作だそうです。手作り感あって、よき! ガチで「おうち気分」です。

場違い。その2

プラレールはさすがに爆笑ものでした。エヴァ(初号機)デザイン、すみっコデザインのものもあって、プラレールに馴染みがない生徒さんも、これはファンになっちゃいますね〜

「部屋、間違えてんじゃないかな」って思うような区画がいくつか続きました。図書館なのにコーヒーが飲めるという神コーナーまでありました(基本的には喫茶部の生徒さんたちが使ってるそう)。ほかにも知恵パズルみたいなものが複数置いてあったり、座り心地抜群のゲーミングチェアが置いてあったり、学校では厳禁だろうと思われる家庭で遊べるゲームが置いてあったり。
ちゃんと「ぷよぷよ」もありました。よく見ると「モンハン」もあるではないですか。

天国のような図書館。

図書館とかけ離れてない? と思われるかもしれませんけども、ちゃんと「静と動」は分かれてました。壁の色で区間分けがされてて、ここはきちっとしてました。学習や勉強に使うスペース、図書館を「図書館」として利用しない生徒さんたちの居場所もちゃんとつくってあるのが「すみっコ図書館」
そうなんです。居場所、だいじですね。

この「すみっコ図書館」、まったく図書館らしくないんですけど、学校図書館としての基盤はしっかりしてるんです。

図書、視覚聴覚教育の資料その他学校教育に必要な資料(以下「図書館資料」という。)を収集し、整理し、及び保存し、これを児童又は生徒及び教員の利用に供することによつて、学校の教育課程の展開に寄与するとともに、児童又は生徒の健全な教養を育成することを目的として設けられる学校の設備をいう。
文部科学省「学校図書館法」第二条から抜粋

色分けゾーンも、場違いなプラレールも、コタツも、すみくじも、学校のみんなに来てもらえるような「工夫と試行錯誤」だったんです。

 ──

見学中、普段は見ることができない「司書室」も見せていただきました。
仕事ぶりを見せることで、壁をなくす取り組み(だったかな?)のようで、おおこれは素晴らしいと思ったのでした。
ほら、司書室といえども、図書館を統べる(?)司書がいるわけですから。入ったら仕事手伝わされるとか、紙ばっかで楽しくないとか、本好きが多そうだし、なんか本の話聞かされるんじゃないかとか、
そんな心配はなさそうでした。「胃袋or脳味噌どっちか使うガチャ」で偶数(10番)が出たら、司書の仕事手伝わされるらしいですよ。

見学のあとに「1分間でおすすめ本を紹介する」というものがありました。
「ビブリオバトルの超短縮版と思ってもらえれば」って最初言われたんです。実は働き出してから本を読む機会そのものが減ってて、おすすめ本も、推し本もほとんどない私。
どうするどうすると館内をうろついて、やっと1冊見つけました。その時に初めて手にした本なんですけど、もうこれしかなかったんです。言い訳みたいに聞こえちゃうけど、目当ての本が見当たらなかったんだもの!
ということで、北欧が産んだキャラクターに助けてもらいました。ただし人前で話すことがアホみたいに苦手な私、つい「あんまり本を読むのが好きじゃないんですけど」なんて口走る始末。紹介カードを書く時にちらっと読んだ感想をそのまましゃべっただけなのでした。クソ恥ずかしかった。拍手がいちばん小さかった気がするのは気のせいでしょうか?

以上で「すみっコ図書館」こと飯能高校の学校図書館訪問日記は終わりです。
「こんな図書館あったらいいな」を、ほんとに叶えた夢のような場所。秘密基地みたいでわくわくが止まりませんでしたし、これなら図書館に足を運んでもいいかな…と思うような仕掛けが満載。だけども基盤はしっかりしてる図書館。
湯川先生、ありがとうございました!

実は一緒に行った教授に「ここのインターンシップなんてどう?」って言われたんですよ。
…はて、社会人学生でもインターンシップってできるのかな。

ここからかな? 見学申し込みできるそうです。

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うるら(あっぷ)
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