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私たちは愛をまとって生きている

服は、なりたい自分にさせてくれるもの。
母からの愛。

それに気付いた時、自分の使命が見えてきた。


幼い日の記憶、ジェニーちゃんの洋服


物心ついた頃から、洋服が好きでした。

ふわふわのワンピース。
可愛いリボン。
シンデレラみたいなガラスの靴。

いつからだったのか思い出せないくらい、幼い頃から洋服に夢中で。

リカちゃん、ジェニーちゃん、バービーといった、着せ替え人形で遊ぶのが大好きな女の子でした。

誕生日やクリスマスにおねだりするのは、いつも決まってお人形さんの服。

そんなある日、バービー用の洋服をジェニーちゃんに着せてみたらどうなるんだろうと思い付きました。

きっと着せ替え人形で遊んでいた方ならわかると思うのですが、バービーの衣装はとにかくド派手です。
ビビッドな色に、ハッキリとした柄。

ジェニーちゃんには似合わないかな?と恐る恐る着せてみると…

これが意外にも可愛い…!

すごく新鮮で、ジェニーちゃんの新しい一面が見れた気がしてすごくテンションが上がったんです。

電撃に打たれたように、心が、全身が、幸せで満たされていく感覚。

この時の感動を大人になった今も引き継いでいて、長い間洋服に執着してきた人生だったように思います。

おばさん、着物にハマる

現在私は39歳。
フリーランスのイラストレーターをしていまして、7歳と5歳の子を持つ母親でもあります。

私のユニフォームはGUのTシャツに、ゴム入りのデニム、ニューバランスのスニーカー。
「ママ三種の神器」を身にまとって、その辺のおばさんになりました。

20代の頃に「こんなおばさんになりたくないなぁ」と思っていた姿に、見事に自分がなっています。

あの幼い日のワクワク感はどこへやら。
真っ白でキラキラ輝いていた瞳は、紫外線やら世間の荒波やら何やらを浴びて、黄色にくすんでいます!!(涙)

いやぁ、ファッションは20年周期で1周すると言われているようですが、本当にそうなんですね。

30歳頃からは目新しいオシャレに出会うことがめっきりなくなくなりまして。
余計に毎日がつまらないものになっていきました。

「似合う服がない」「着たい服がない」その事実が余計におばさん具合に拍車をかけるのです。

そんな悶々としていたある日、イラストを描きながら「なんか着物っていいかも」と閃くのです。
我ながら唐突すぎだろうとツッコミたいところではありますが。

そこから着物沼にズブズブとハマっていくのには時間は掛かりませんでした。

久しぶりに舞い降りた、あの感覚。

そう。
心が、全身が、幸せで満たされていく感覚。

着物を手にしながら、心の底から「私が求めていたものはこれだ!」という確信がありました。

着物を勉強していくと、次から次へと分からないことが溢れてきます。

例えば、洋服とは違う色彩感覚。何も考えずに組み合わせてしまうと、途端に色と柄のガチンコバトルが繰り広げられてしまいます。

他にもルール、着付け、歴史なども奥が深く、底が見えないほどです。

非常に難しいからこそ、文化的でエモい。

私の探究心に火がつきました。

「学ぶことがたくさんありすぎて面倒くさいっ!」という意見ももちろんあると思います。
一旦その面倒くさいやつは横に置いておくとして。

着物の特に面白いところは、一着の着物から何通りもコーディネートで遊べるということなんですよ。
帯や小物を変えるだけで、全体の印象はガラリと変わります。

お、面白い…!!

これこそが着物の醍醐味です。

フッと、幼いころにお人形さんのコーデを考えていた時と全く同じ感動が湧いてくるのです。

そしてビリビリと脳天に電撃が走る。
自分が出したドーパミンで溺れそう。

2年ほど前に和装用マネキンを買ってからは、余計に大人版の着せ替え人形みが増してきました。

ヤバい奴の完成です。

卯年の新年コーデ

あぁ、これをずっと続けていたい。いつまでも…

そう思っていました。

ファッションに興味がなくなる

ところが最近。
大好きだったはずの洋服にも、着物にも、ぱったりと興味がなくなってしまいました。

興味がなくなったというか、慢性的に疲れているのか、何をするにも体が重い…もしかしたら年齢的なもの…?(来年40歳だしなぁ。)

もしくはここ何年も全力で突っ走りすぎていたので、燃え尽きたのかもしれません。
燃え尽き症候群?バーンアウト?

せっかく4年ほど続けている「リサイクル着物うるぽろチャンネル」の登録者が1万人を達成したというのに。

本来であれば、もっと世の中にリサイクル着物の楽しさを発信していけるタイミングのはずです。

だけど、なぜか前に進めない。

重い。

今まで「思い立ったが吉日」ばりに行動力だけが取り柄だったのに…すごく重い。

なぜだろう、何かが心の奥底につっかえて行動をジャマしているのです。

オシャレをしたい気持ちが、一切湧いてこない。おかしい。おかしい…

幼い頃からファッションに夢中であることが当たり前だった私にとって、「服に興味がなくなる」とは想定外で。

これから一体何を発信して、何を心の支えにしていいのかわからなくなってしまいました。

…ですが、やっぱり服に対しての苦しいまでの執着があるのです。
好きなのに、着る元気がない。考える余裕がない。

そうは言いつつも、頭の中はファッションのことばかり。

服を通して、誰かに何かを届けたいエネルギーだけが、今にも破裂しそうなまでにパンパンに膨らんでいました。

効果抜群!とあるメソッド


服が好きだけど、興味がなくなった。
何か行動をしたいけど、動けない。
アイデアを思いついてワクワクするけど、失敗するかもしれないから怖い。

矛盾ばかりで気持ち悪い期間が続いていたある日。
友人からの紹介で、とある自己改革メソッドを受けることになりました。

私は詳しくは分からないのですが、ざっくりかいつまんで説明すると…
人生で起きる物事は必ずマイナスの量とプラスの量がゼロになるとのことです。

過去の人間関係からくる傷付きや認知の歪みを、ニュートラルに持っていくことで本来の自分らしさを取り戻せる、らしい…?

正直半信半疑ではありましたが、信頼できる友人からの紹介です。

結果。
まさかこんなに効果があるとは思いませんでした。凄いです。

セッションはzoom。
画面の向こうには、女性のYさんが優しく微笑んでくれています。

Yさんの誘導で、私が1番苦しかった小学生時代のエピソードをどんどん掘り下げていく。

イメージとしては、天秤。
例えばマイナスの重さが100だとしたら、プラスの重さも100になるように、「良かったこと」を思い出して、そこに乗せていく必要があります。

…ですが、この小学校時代のエピソードは長い間私の深い傷となっているもの。

どうしても怒りの感情ばかりが湧いてきてしまって上手くいきません。

一生懸命に思い出の引き出しを開けていくのですが、

天秤はマイナス100、プラス60くらいで…。
まだまだ傾いたままでした。

あと一つ、決定的な何かが足りない。

そんな中でYさんから
「ベタベタに愛されたことは?」という質問が出てきました。

すると、不思議なことに。一気に記憶の扉が開いたのです。

パッカーンと。

まるで当時にタイムスリップしたかのような感覚。古ぼけて、青みがかったカラー写真みたいな質感が目の前に広がる。その中に、私はいました。

ちょっとスピリチュアルっぽくなってきたのですが、ここからが本当に凄かったんです。

続けてお話ししますね。

写真の中に、私はいます。当時見ていた景色が広がります。

これは、私の目がまだキラッキラしていた頃。
4歳くらいでしょうか。母から1枚のTシャツを渡されたんです。

Tシャツの中心には、がっつりとヘリコプターのイラストが。
兄のお下がりです。

私はふわふわで可愛い服が大好きだったので、男の子っぼいシルエットのTシャツで、ましてやヘリコプターだなんて。
嫌だと断ります。

ですがその後。
そのヘリコプターのTシャツは、なんと別布でフリルがつけられた可愛いワンピースへとリメイクされていたのです!

母は昔、服飾関係の学校に通っていました。なので洋服のリメイクはお手のものでした。

あまりにも可愛いデザインと仕上がりに感動した私は、大喜び。

あんなに嫌だったヘリコプターのイラストすらも、見違えるほど可愛く思えてくるのです。

それは、確実に母からの愛情でした。

 
この感動を長い間、すっかり忘れてしまっていました。思い出した瞬間、涙が自然と湧いてきて、止まらなくなってしまったのです。

そっか。
私は、ちゃんと愛されていたんだ。
こんなに私の気持ちを大切にしてもらっていたんだと。
私は母からの愛情を、しっかりと受け取っていた。

結論、なりたい自分

今まで、
私はどれだけ頑張っても褒めてもらえない。結果を出しても認められない。世間知らずで、何も出来ないと思われている。

そう思い込んで39年間生きてきました。

褒められたくて、認めて欲しくて、ちゃんと出来る子だって思われたくて、壊れるまで無理をしてきました。

でも、結局は認めてもらえなかった。

分かってもらえない虚しさから、何度この世から退場したいと思ったか数え切れません。

だけど、親からも周りからも認められないからこそ、最後まで諦めずに頑張って何かしらの結果を出してきた自負もあります。

自分でも笑ってしまうほどに、やたらと難しいことほど挑戦してみたくなる性格になりました。

「そんなのあんたに出来っこないよ」「もう無理だよ」と周りから言われるほど何故か「やったろうじゃねぇか」と燃えてくるんですよね。

逆境の中で成長してきた39年。

きっと自堕落な私のままで認められていたら、こんなふうに「なりたい自分」を目指さなかった。

あぁ…そうか、母からは試練と愛情を同時にもらっていたんだね…。

母は決して私の欲しい言葉をかけてはくれなかったけど、ちゃんと「洋服」を通じて愛情を伝えてくれていたし、可愛がってくれていた…。

いつだって私の「なりたい自分」を思う存分叶えてくれていたのが、母だった。

セッションの終盤では、あたたかい愛情で全身が包まれていました。

お母さん、大好きだよ。
いつもありがとう。
あなたが私のお母さんで本当に良かった。
私は、幸せです。

天秤はマイナス100とプラス100で、キレイに釣り合いが取れています。

必要な要素が全部揃った

やっと、すべてが腑に落ちました。

私は幼い頃から無意識に洋服を求めてきました。

その根底には、「服を媒介として母に愛されてきた」という記憶があったんだと思います。

だからこそ、執着してきた。

愛が欲しくて執着し続けてきた。

私にとって服は愛し、愛されること。
今はそう確信しています。
もう迷うこともないし、疑う必要もありません。

そう思うと「ママ三種の神器」、GUのTシャツに、ゴム入りのデニム、ニューバランスのスニーカーも、見方を変えれば愛かもしれないですね。

なぜなら大切な我が子と一緒にいるために選んだ、母として1番活動しやすい服だから。

これも母から子どもへの愛。

全部、繋がりました。

私たちは、愛をまとって生きている。

色んな形で。
色んなシーンで。
たくさんの人から。

これからの人生でどんなことがあっても強くいられる。そう思います。
悩んで、悩んで、悩み抜いて得たものが、私にとって大きなお守りになりました。

人生の使命と、これからやりたいこと


いや〜、、どう足掻いても服が好きだと。絶対に人類にとって意味があるものだと。腹落ちするまで長かった。本当に長かった…。

これからは大好きな洋服や着物といったファッションを通して、また新しい気持ちでみなさんに愛を届けていきたいです。

ファッションは「なりたい姿」を叶えてくれる魔法。

そのお手伝いをすることが、私の人生における使命なんだと確信しています。

引き続き着物系YouTubeの更新をしつつ、イラストのお仕事も頑張りつつ、また新しいことに挑戦したいと思っています。

今1番やりたいのは、浴衣リメイク。
目指す道が決まればあとは行動するだけ。

またワクワクする日々を始めよう!


最後に


私の相談に乗ってくれた友人やYさん、本当にありがとうございました。

私のことを心配してくださっている方も…長らくウジウジしていてほんっと〜〜にごめんなさい…!!

以前に書いた「空っぽの私が、今、何を発信すればいいのかわからない」も含めてここ1年ほど、たくさんの問題が湧き出てきてしまい…全然自分らしくなかった!!

だけど1番大きい壁を乗り越えたから、ズルーン!っと一皮剥けてより一層自分らしくなれたと思います。見守ってくださってありがとうございます!!

これからもご指導ご鞭撻のほど宜しくお願いします。

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