夜のジョギング
移住前から続けていた夜のジョギング
沖縄でもできるだけ続けて行こうと決心
約4㎞が適度の距離なので
走りやすいコースを昼間に目星をつけておく
内地にいた時も田舎道コース
夏には畦道で蛙の大合唱
もともと生き物が苦手な僕は
ずいぶん蛙には慣れたつもりだった
さて、初めての沖縄ジョギング
颯爽と走り始める
夜でも空気がどんより熱い
その空気も心地よい
沖縄を感じてスピードに乗る
しかし すぐに恐怖の誤算に襲われる
歩道を覆い隠す亜熱帯の街路樹や雑草
逃げようともしない野良猫たち
歩道をあきらめ車道に出ると
猛スピードで背後から迫る車
懐中電灯をもってきてよかった
街灯もちらほらだ
木の下を通過するたび
顔面に蜘蛛の巣
時折 虫がパチンと当たる
左折して海岸沿いの県道へ
フェンス越しに吠えかかる犬
懐中電灯の光に浮かび上がるネズミに
驚いて足を止める
ん?ネズミ?
そのわりに茶色く 動きがない
勇気を出して顔を近づける
ネズミじゃない
見たこともないくらい巨大なカタツムリだ!
よく見ると 至るところに大小多数
のちに調べると アフリカマイマイという外来種だとわかる
草むらが突然ガサガサするたびにドキッとなる
焦ったトカゲが間違えて こちらに向かってくる
得体の知れない動物の鳴き声がする
風で散った植物の大きな葉が 生き物に見える
コース一周を終え 部屋に変えると
身体の疲れはないが
精神的な疲れがどっと押し寄せる
怖がりの僕は 夜の沖縄のジョギングには向いていない
そう思いつつ ジョギングを続けること1ヶ月
木の下では蜘蛛の巣を頭を振って避け
犬が吠えるポイントでは 気配を消し
アフリカマイマイを軽快なステップで飛び越え
恐怖心を克服できたと思ったある夜
いつものように海岸通り
いつものように歩道の真ん中にアフリカマイマイ
飛び越えようとしたその瞬間
アフリカマイマイは ありえないスピードでジャンプ
ジャンプ?
それはアフリカマイマイではなく
本物のネズミ
そのネズミよりも大きくジャンプしたのは
心臓が飛び出るほどビビった僕
もうイヤだ。。。
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