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この気持ちの名前は。

ずっと気になっている人がいる。
私より8つも年上の全然タイプじゃない男性。
強いて言えば、身長が高いことだけが私の"好きなタイプ"に当てはまっている人。
仕事上お付き合いのあるというだけの取引先の人だ。

気になり出したのは昨年の12月。
知り合いの突然の訃報を受け、ショックで落ち込んでいた時。
とても親しい方だったため、家に1人になるとずっと泣いていた。

「1人になりたくないけど、誰とも話したくない」という我儘な気持ちを抱えていたときに
"あの人にそばにいて欲しい"と思ったのが、先述した彼だ。
彼とは数名で飲んだことがあるだけで、もちろん連絡先も知らない。まともに話した事もなければ、彼がどんな人なのかもわからない。

けれど、その時はっきりと「この人がいい」と、「私が辛い時にそばにいて欲しいし、今後もし彼が同じように辛い時がきたら私がそばにいたい」と思ったのだ。

それから頑張って連絡先を聞き出し、一度ご飯に行ったのだが、感想はいたって普通。
すっごく楽しかったり、「好き」という感情を確信する事はなかったが終始穏やかで心地の良い時間だった。

その後、やっぱり彼が気になる私は、何度かお食事のお誘いしたが、お互いの都合が合わないまま、3月私は休職し地元へ一時戻る事となった。


そして数日前に、私は実家での療養を終え
一人暮らしをしていた家に帰ってきた。

休職して地元に戻る事は彼には伝えていたので、戻ってきた事をどうしても彼に伝えたい。あわよくばまたご飯行けないかなぁとも思った。

ただいざLINEを開いてみたものの、何も言葉が浮かばない。
「会いませんか」と書こうものなら、ゴールデンウイーク前で忙しいのに迷惑だろうな…など心配してしまい、手が進まないのである。

しばらく画面とにらめっこしているうちに
「会いたい」よりも「仕事忙しくて無理していないかな」という気持ちになって…。
最終的には、「私は会いたい気持ちはあるけど、無理してまで会って欲しい訳じゃない。あなたが繁忙期に無理していないか心配で、愚痴があれば聞くし頼ってね、私はあなたの味方だよ」とうまく言えないような気持ちになった。

私がこれまで拙いながらもしてきた恋や好きに比べたら、全く性質の違う気持ちを私はどう捉えたらいいか分からない。

恋だと言われれば恋だし、
愛だと言われれば愛だ。


しかし私の中で、恋だとか愛だとかチープな言葉にカテゴライズしたくない特別な気持ちなのである。

彼との関係がこれからどうなるかは、全く見当もつかないが、もう少しこの気持ちを大切に育てていきたい。

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