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人間の成長とコミュニケーション【フィボナッチツリーのリンゴ】
シュタイナー教育とは自然科学と精神科学から生まれた「自由への教育」と言われている。
そのシュタイナー教育では7年周期の3回目が終わる21歳ごろには、個人差はあるが大人としての自覚が目覚め始めることが多い。
シュタイナー教育は、7年ごとに段階的に進みます。最初の7年間は、遊びや物語、歌、リズムを通じて成長し、次の7年間は知的能力と思考力が発達し、最後の7年間は自己認識や自己表現、そして社会的責任が重要になります。以上が、シュタイナー教育の7年サイクルの概要です。
思春期から大人への変化では、身体的、精神的、社会的な面で大きな変化があります。身体的には成長が止まり、体格がしっかりとしていく。社会との接点が増え、自分自身の役割や責任を果たすことで、精神的にも成長します。人間関係の構築や維持が重要になり、コミュニケーションのスキルが磨かれていく。
しかし全ての人が順調に大人の自覚を持つとは限らない。精神的な成長がなかなか訪れていない人もいる。
精神的に大人の自覚を持っていない人の特徴には、以下のようなものがある
責任を回避する傾向がある
自分の感情や欲求に支配されやすい
他人を批判することが多く、自分自身を反省することが少ない
反抗的で、ルールや規則を守ることが苦手である
失敗を認めず、自分自身を正当化することが多い
これらの特徴は、子供のような行動をとることが多いため、「大人としての成熟度が低い」と表現されることが多い。
「大人としての成熟度が低い」と言う問題は本人が単体で起こすのではなく、家族との関わりで起きることが非常に大きい。
・常に親が子供の問題を解決している。
・親が干渉しすぎている。
・家族内での会話がない。
・自己管理ができない環境にある。
など、原因は複雑でさまざまである。
けれど親子のコミュニケーションの不足が問題の要因であると言える。現代の親子は、コミュニケーションを多くとっているようで、子供に嫌われたくないと理由で厳しい発言をしない親もいると聞く。しかし、親子だからこそ大切なことは話さなければならない。親が大切に思う気持ちや厳しい意見などを話して、お互いに心を引き合わせる必要がある。
親子のコミュニケーションの例え話
自然科学から生まれシュタイナー教育では、人間も自然の一部である。と言っている。ということは人間は宇宙の一部でもあると言っても過言ではない。
例えば、人間の身体は地球の重力に引っ張られていて、そして心(精神)は慣性の法則にしたがっているとする。
慣性の法則とは
宇宙空間は真空であり、重力の影響が少ないため、物体は一度加速されると、等速直線運動を続けます。これを、慣性の法則という。
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宇宙へ出発した家族は、それぞれの宇宙船で進んでいる。最初はお互い近い距離で進んでいるが、時間が経過すると、それぞれ軌道が違う方向へ進んでいく。このとき、話しかけたり、気持ちを伝えたりすること、コミュニケーションを取ることでお互いが引き付けあい、軌道修正していく。家族とは同じ宇宙船に乗ってるようだが、それぞれの判断で進んでいる個人型の宇宙船なのだ。
長い間、コミュニケーションを取らず本音を話さないでいると、どんどんお互いの距離は拡がっていき、通信も出来ない状態になってしまう。そうなると軌道修正は難しい。
親からみると子供は子供と思ってしまい、過保護になったり、口うるさくなったりするものだ。けれど本当のコミュニケーションとは、大切な情報は伝え、ある程度の距離を保ちつつ、深い愛情で接することが大切である。
あとはそれぞれの判断に任せるしかない。