【すっぱいチェリーたち🍒】宇利盛男 SEKAINOCHIGAI
「フィーリングカップルに出ることで、
不安にさせてしまうのではないか?」
田梨木高校の伝統のクリリスマ会で、
やりたいと思ったフィーリングカップル企画。
でも、
もしオレがフィーリングカップル企画に出て、
違う誰かとカップルになってしまったら、
あの子はどう思うんやろうか‥。
急に不安が高まった。
考え込んでいたら、
いつの間にか校門の前に立っていた。
教室ではよく目が合う。
必ず笑顔で返してくれる。
流石のオレも、
これは夢なんじゃないかと、
何度もほっぺや太ももをつねった。
毎回、
心地よい痛みが残るだけ。
その夢心地のオレの気持ちが、
ある日、
確信に変わる出来事があった。
彼女は、
文化祭でのオレの失態をカバーするように、
校庭での演劇の再企画を提案してくれたのだ。
心を鷲掴みにされた。
こんなにオレを理解してくれる人なんて、
滅多にいない。
そんな人を、
フィーリングカップルの企画で
悲しませてはいけない。
「クリリスマ会の前に、
安心させてあげないと‥」
下校時間。
校内放送が鳴る中、
彼女が通用門に向かってくる。
手を振りながら
こちらに向かってくる。
なんて素敵な笑顔なんだろう。
校門の影に潜んでいたオレは、
たまらず飛び出し、
彼女をハグで迎え入れようと
両腕を精一杯広げ、
この気持ちを彼女に向けて発した。
『ナナコちゃ〜〜ん、
オレ、
ナナコちゃんのこと〜、
ダイス‥エッ、
グイッ、
ウワッッ、
オ〜〜ッ、
エッ、
ウソンッ‥
フガッ‥』
誰かに肩を持たれ、
引き止められたかと思うと、
あっという間に、
オレは宙に浮いたような状態で、
体の向きが、
夕方の空を見上げた形になっていた。
黒いスーツを着た、
たくましいサングラスの男性2人に
抱えられてしまったオレは、
そのまま校舎裏の緑のゴミ箱の上まで
一気に運ばれて、
ゴミを処理するかのように、
ゴミ箱の蓋の上にヒョンと座らされた。
「お兄ちゃんよ〜、
残念だけどよ〜、
住む世界が
違うんだよ〜」
捨て台詞を残して、
黒いスーツの男たちは、
あっという間に去っていった。
何も言えずに
ただ緑のゴミ箱に運ばれたオレ。
「これって
夢やんな〜?」
寒空の中、
つねったほっぺよりも、
身体の胸のあたりがキュッと痛かった。
〈いよいよ,25日が最終です!〉
終わるとなると、
寂しくなるものですね。
最後の投稿、
お待ちしております🍒。
打ち上げスタエフライブも、
27日(金)21時〜開催します🎙️🦍。
記事投稿してくださった方達も、
記事を読んでくださった方達も、
ようわからんという方も、
是非ライブに遊びに来てくださいね🍒。