私が本体だ。...いや、私だ。【スギナ/ツクシ】
こんにちは、うりぼうです。
春の日差しの暖かさの合間に冬の空気が突然現れて、身体が対処しきれていない気がする今日この頃、みなさまいかがお過ごしですか?
さて、今回から春の野草を取り上げようと思っているのですが、ここ最近の陽気で、草花たちは一気に目覚め、にょきにょきと成長してきている様子。正直どこまで紹介できるのか不安ですが、ぼちぼちやっていきたいと思います。
今回は「スギナ」と「ツクシ」です。
そもそもスギナとツクシってどんなの?
ツクシはご存じの方も多いかと思います。早春、佃煮などの料理にも使われ、春のイラストのモチーフとしても扱われる、春の野草代表格のアレですね。まずは写真を。
そうそう、これです。
では続いて「スギナ」の写真をみてください。これも見かけたことがある方が多いのではないでしょうか。
この「スギナ」は「ツクシ」の生えているところによく生えています。
小さい頃、誰に聞いたのかはうろ覚えなのですが、『「ツクシ」が大きくなったら「スギナ」になるんだよ』と教えてもらったことがあります。
そうなのか、と漠然と思い続けていたのですが、いつあの太さの「ツクシ」があんなほっそりした「スギナ」になって、しかもいつ緑になるんだろう?といつも頭の片隅にあったので、今回調べてみることにしました。
そもそも同じ植物なのは間違いないんだよね?
「ツクシ」が「スギナ」になることが正しいのかは置いておいて、そもそも同じ植物なのかを先に調べなければなりません。
そこで、手持ちの野草図鑑を開いてみたのですが......。
「あれ?「スギナ」だけでなく「ツクシ」すら載ってないぞ?!」
こんなにメジャーな植物が載ってないとはどういうことなんでしょう。
さらに調べを進めると、どうやらこの二つは「トクサ属トクサ科」の「シダ植物」であることがわかりました。なので私の手持ちの野草図鑑には載っておらず「シダ植物図鑑」のようなものが必要だったようです。
「シダ植物」といえば、みなさんもご存じかと思いますが、「種」で増えるのではなく「胞子」で仲間を増やします。シダ類の葉っぱを裏返すと「胞子のう」がたくさんついているのを見たことがある方もいらっしゃるかと思います。
「スギナ」の場合、この「胞子」を飛ばす役割をしているのが「ツクシ」なのです。
育った「ツクシ」をポンポンと揺さぶってみると、花粉の様なものを飛ばします。これが「スギナ」の胞子です。
『「ツクシ」は成長したら「スギナ」になる』は、ある意味正解だったのかもしれません。「ツクシ」が飛ばした胞子が「スギナ」になるのですから。
「スギナ」と「ツクシ」の関係
少し「スギナ」と「ツクシ」について掘り下げます。
先ほども書きましたが「スギナ」は「シダ植物」で、「ツクシ」はその胞子を飛ばすものです。二つは地下茎でつながっています。
簡単なイメージを描いてみました。私も実際には見たことがないので正しいかどうかは怪しいですが、イメージはこんな感じかと思います。(微妙なイラストで申し訳ない...(;_;))
「ツクシ」は「胞子茎(ほうしけい)」と呼ばれ、この頭の部分は「胞子のう」の集合体になっています。(正確には「ツクシ」の頭にある六角形の「胞子のう床」の下に「胞子のう」がたくさんある感じです。)
わかりにくいかもしれませんが、写真を見てみましょう。
左下の緑っぽい「ツクシ」は六角形がまだわかりますが、それ以外の「ツクシ」は六角形部分が開き、白いビラビラしたものが見えるかと思います。このビラビラが「胞子のう」です。(すでに「胞子」を飛ばし終えたものだそうです。)
胞子を飛ばすとツクシは枯れてしまうそうです。
「ツクシ」は「スギナ」よりも早く土の上に顔を出し子孫を増やします。その後「スギナ」が成長を進めていきます。
「スギナ」は「栄養茎(えいようけい)」と呼ばれます。地下茎が浅くよく広がるそうで、駆除したい時は大変だそうです。
まとめ
結果として、「スギナ」と「ツクシ」は同じ植物でしたが、「スギナ」の方が本体っぽいなぁといった感じを受けました。
昔、誰かに聞いた言葉があながち間違っていなかったことも収穫でした^^*
「ツクシ」は昔からよく食用にされていますが、「スギナ」も「栄養茎」というだけあって、栄養豊富だそうです。調べてみると「スギナ茶」というお茶も販売されているようで驚きました。(ただ、持病によっては悪い影響もあるそうなので注意が必要です。)
スギナ茶…興味津々です。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございます。