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ぼくたち虫じゃないよ!【カラムシ】
ご無沙汰してました、うりぼうです。
みなさまお元気でしょうか?
私は…といえば、9月半ばあたりにうちの猫さんたちが相次いで体調を崩し病院通いの日々でした…。
猫さんたちはおかげさまで元気に回復!
日々、家の模様替えに勤しんで、暴れ倒しています^^;
(そこで爪とぎしないで~!!あぁ!物を落とさないで~!!)
その後、遅めの夏休みに予約していた伊豆旅行へ。
…というわけで、すっかりnoteを開けずでしたが、私はとっても元気です!
これからまたゆっくりとnoteに顔を出しますので、よろしくお願いします。
なかなか夏が終わらず、私の植物観察も進まずでしたが、ここにきてようやく秋がやってきましたね!
というわけで、さっそく植物観察です!
今回は、身近で、しかし今ではあまり注目もされないかもしれない「カラムシ」を紹介します。
どんな野草?
「カラムシ」はイラクサ科カラムシ属の野草で、古代日本から身近にあった野草です。
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道のすみっこによく生えてるので、見かけたことのある方も多いんじゃないでしょうか^^
小学生の頃から普通にその辺に生えていた野草ですが、私は青じそ(大葉)の正体はこれだと思っていました^^;
今思うと香りも全くないので気づきそうなものですが、形で判断したのでしょうね。
葉っぱも触ると青じそ(大葉)とは全く違い、気持ち分厚くて毛を感じ、ザリザリします。
葉の裏は綿毛がびっしりで真っ白。
ちょっぴり雪が積もっているような感じです^^
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実はこの葉の裏の白い毛は「カラムシ」を見分けるのに重要なポイントでもあります。
次に、イラクサ科の他の植物との違いを紹介しますね!
イラクサ科の仲間と「カラムシ」
イラクサ科の仲間には「ヤブマオ」や、「アカソ」「クサコアカソ」「アオミズ」など他にも色んな仲間がいます。
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多分イラクサ科の植物っぽいもの^^;
写真もこれしか残ってないので、
特定が怪しい……
アオミズかな?
私はいずれも意識して見たことがないのですが、これらの野草の葉っぱは対生です。茎の同じ部分から向かい合って葉っぱが生えているんですね^^
それに対して、「カラムシ」は互生。
つまり、葉っぱは同じとことから生えず互い違いに生えている、ということです。
ちょっとわかりやすいようにイメージ図を描いてみました。ちなみに架空の植物です。
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←こっちの葉の付き方
イメージが湧いたところで、実際の「カラムシ」の葉のつき方を見てみましょう^^
葉の根元に〇をつけてみました。
交互になって、同じところから生えていないのがわかりますか?
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違う場所から交互に生えています^^
これで「カラムシ」とそれ以外のイラクサ科の野草とで、大雑把に分けることができましたね^^
⚠️中には互生のイラクサ科の野草もありますが、まちなかで見かけるのはほぼ「カラムシ」じゃないかな、と思います。
「カラムシ」を絞り込めたところで、続いて葉の裏に注目です!
「カラムシ」の葉の裏側が白なのはお話しましたが、じつは葉をめくってみると白くなっていないものがあります。
この子たちは「アオカラムシ」といいます。
葉に毛がないそうなのですが、こちらも見かけたことがないので、あまり詳しくわかりません^^;
とにかく、これで「カラムシ」と「アオカラムシ」の見分けもばっちり!
カラムシ名人の誕生です!!
(>_<)qイエーイ!!
…ところがどっこい!!
じつはここに罠があります。
「カラムシ」には「ナンバンカラムシ」という本当によく似た外来の仲間がいるのです。
がびーん(゜o゜;
「ナンバンカラムシ」と「カラムシ」
私も観察している時は気づかなかったのですが、あとで写真を見てみると
「あれ?これは「ナンバンカラムシ」では?!」
というものがありました。
「ナンバンカラムシ」は栽培用に中国からやってきたものと言われています。
現在では「カラムシ」との交雑種も多いそう。いずれ見分けがつかなくなるのではないだろうか、と勝手に心配しています。
そんな「ナンバンカラムシ」と「カラムシ」の違いをまとめてみました。
🌱 ナンバンカラムシ
・「カラムシ」に比べて大型で、大きいものでは2mくらいの高さになる
・葉の形が「カラムシ」よりも円形に近く、先がシュッと細い
・茎の毛が、茎に対して垂直にいっぱい生えている(開出毛)
🌱 カラムシ
・葉の形が円形というよりは細長い
・茎の毛は短毛の毛が斜めに生える
では実際に見てみましょう!
まずは毛!
「ナンバンカラムシ」は、茎に対してまっすぐ毛が生えている分、目立つ気がします。
ちょっとわかりにくいですが、「カラムシ」の方は斜め上に向かって、短毛が生えています^^
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びっしり毛があるように見えますね。
葉っぱ…は…
すみません!花ばかり注目してたので、「ナンバンカラムシ」の大きな葉っぱ撮ってません!!(T=T)
背景のぼやっとした部分ですが赤丸つけてみましたので、心の眼で比較していただけたら幸いです(T=T)
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何となく伝わればよいのですが…
私たちの周りの「カラムシ」は、よく見たら「ナンバンカラムシ」もしくはその交雑種という可能性もあるんですね。
カラムシのお花
「カラムシ」といえば、何となく葉っぱのイメージが強くて、お花が咲いているということを知らない人が多いのではないかと思います。
私も野草好きになるまでは、「うん、葉っぱの雑草!」という認識でした。
「カラムシ」のお花の時期は、8月~9月。
以前撮った写真を見返すと、やはり9月に花を撮影していました。
しかし、今年は暑かったからか、今もめっちゃ花盛りです!
「カラムシ」は雌雄同株で、同じ株に雄花と雌花を咲かせます。
その咲かせ方も面白くて、上が雌花、下がが雄花となっています。
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個人的には、「上から花粉を落として下部でキャッチしたほうが良くない?」と思うのですが、「カラムシ」は風媒花で風で花粉を運ぶ植物。
他の個体の花粉をキャッチしたりするには、雌花が上の方にあった方が都合が良いのでしょうね^^
せっかくのなので、雄花と雌花の様子も載せておきますね^^
まずは雌花!
こちらです!べべん!!
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ちょっと気持ち悪いようにも見えます^^;
この球状のものは一つのお花ではありません。
白く伸びたものが1つのお花の花柱。つまりたくさんのお花が集まって球状になっているわけですね^^
折り紙で作るくす玉のようです。
続いて雄花。
こちらはとってもシンプルです。
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またつぼみのものもありますが、花が開いているものは白いおしべが4つ見えますね^^
これが一つのお花です。
たくさんお花が咲くので、「カラムシ」の多い場所ではカラムシの花粉症もあるとか?!
さすが、風媒花です^^;
ところで、「カラムシ」ってなんで「カラムシ」?
最後に「カラムシ」の名前の由来についてお話しますね!
「カラムシ」の名前は「繊維をとるためにカラ(茎)を蒸す」ことから来ているそうです。
虫じゃないんですね^^
「カラムシ」は大変古い時代から繊維として使われていました。
フォローさせて頂いているのんてりさんの記事によると、縄文時代にも利用されていたそうです。
復元された衣服や道具を見ると、縄文時代の人たちはやっぱりおしゃれさんではあるんですが、とっても実用的でもあるんだな、とわかってとっても面白い記事です(*^ ^*)/
「カラムシ」は「苧麻」とも呼ばれていたそう。
昔から繊維の原料として親しまれてきたんですね^^
福島県昭和村は、現在本州で唯一「カラムシ」を繊維の原料として栽培している場所だそうです。
のんてりさんの記事にもちらりと出てくる、「からむし織」の原料になります。
このページには、「カラムシ」が織物になるまでの工程も紹介されていますが、繊維になった時の「カラムシ」が本当に美しいです。
帯1本の糸としてできあがるまで2か月…とても大変な作業です。
でも、今でもこのような技術が残っていることが嬉しく感じます^^
それにしても、栽培されている「カラムシ」の立派さといったら……びっくり(゜o゜;!!
おわりに
今回は「カラムシ」を紹介しました。
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やっぱり草の山^^;
手前のは「ナンバンカラムシ」かな?
「カラムシ」書くことないわ~と思ったら、後から後から書きたいことが湧いてきて、なんだか大記事になってしまってすみません^^;
それだけ、昔から身近だった植物だったんだなぁとしみじみ感じました^^
さいごに、問題です。
今回「カラムシ」を探してお散歩してたら「ランタナ」の中に「カラムシ」を見つけました。
…が、なんか葉っぱめっちゃ似てない?
というわけで、「ランタナ」と「カラムシ」を楽しんでみてくださいね!^^
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どれがカラムシかわかりますか?
簡単かも^^;
最後まで読んで頂いて、ありがとうございました。