
学校のアタリマエをぶっ壊すワークショップをして悔しかった中学生のハナシ
イベント主催者のひなこです。
ワークショップに参加してくださった方、たくさんの応援をしてくれた方、当日裏でたくさん支えてくれた方、私を信じてワークショップを開いてもいいと言ってくれた私のママ、パパ、本当にありがとうございました。今回は初めてのオンラインワークショップということもあり、準備の万全さなど運営側の反省点が多々出てきてしまいましたが、ワークショップ自体は本当に楽しくて、たくさん学ぶこと共感することがあって、皆さんのお話をたくさん聞けてこれからの活動にたくさん繋げられるくらい、本当に本当に深く考えることのできる時間でした。
そんな今回のワークショップのまとめをしました。長くなってしまいますが、ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです。
1、学校のアタリマエをたくさん書き出そう。
初めに行ったのは、学校のアタリマエを書き出すことです。今回は、Googleジャムボードを使用し、いるアタリマエ、いらないアタリマエ、微妙なアタリマエに分けながら、たくさんのアタリマエを書き出していただきました。
※一部抜粋、長くなるので、次に進みたい方は、「2、アタリマエを共有しよう」まで飛ばしてください。
いるアタリマエ
・休み
・家庭や個人ではできない体験
・授業
・時間割
・特別活動
・学び
・先生、生徒という存在
・同級生との交流
・集団生活
・社会性を知る
・知識を教わる
・生徒ファーストの環境、教職員
・チャイム・挨拶
・給食
・部活
・特別支援教育
・校舎・保健室
・教科担任制
いらないアタリマエ
・テスト
・評価
・宿題
・大人基準の時間割
・クラス団結の強要
・担任の先生
・修学旅行
・給食の食べ方の強要
・学校側の一方的な校則
・無駄に多い服装ルール
・PTA
・不満、疑問に思っても変えようとしない生徒
・多様性を押し付ける授業
・教員免許をとらないといけない
・6時間目、7時間目の授業
・やることが決められている
・一斉授業
・クラス団結の強要
・同じ内容を一律に受ける授業
・みんな一緒
・多様性を押し付ける授業
・校歌
・学校へ毎日通うこと
・部活動
・連帯責任・誰とでも仲良く
・チャイム
微妙なアタリマエ
・校則
・制服
・職員室
・担任
・校内清掃
・授業
・受験対策・就職対策
・学級・クラス分け
・校長先生のはなし
・紙のテスト
・7時間目
・宿題
・義務教育という制度
・やりたくないこともやる
・時間を守る
共感できること、新しい気づきがたくさんありました。例えば、私は修学旅行などのイベントが大好きなので、絶対にみんないるアタリマエにするだろうと思っていましたが、皆さんのジャムボードを見て、「絶対」ではないんだと気づきました。「みんな絶対に同じ考えだ」という思い込みから、「人数にだけたくさんの色々な意見があるんだな」と思いました。
2、アタリマエを共有しよう。いらないアタリマエをいるアタリマエに変えよう
次に行ったことは、5つのグループで分かれて1で出したアタリマエについて話し合ったり、見方や考え方を変えたり、アタリマエの一部分を変え、いらないアタリマエをいるアタリマエに変えることです。
グループ1では、「時間割」というアタリマエについて考えました。
まず、いらないと思ったのは「受験生はどこを勉強した方がいいのかが明確であるため、自分がした方がいいと思っている科目を自由に勉強した方がいいのではないか」と考えたためでした。しかし、「あった方が色々な教科を効率よく勉強することができる」という考えでは時間割はいるアタリマエになるのではないかという結論になりました。
また、「”どの視点で見れば考えれば、このいるいらないを綺麗に分けることができるのか”が重要だと思った。」と発表者は話していました。
グループ2では、「制服」というアタリマエについて考えました。
まず、いらないと思ったのは「実体験からいらない・必要ないと感じたこと」や「毎日着るのでなかなか洗えず、不衛生だから」と考えたためでした。しかし、「貧富の差を外見から見分けられないようにする」という考えでは制服はいるアタリマエになるのではないかと考えました。そのため、制服自体をやめるのではなく、選択制にすることをアタリマエにするという結論になりました。
グループ3では、「身だしなみに対する制限」というアタリマエについて考えました。まず、いらないと思ったのは「身だしなみに対し、過度な制限をする必要があるのか」疑問に思ったためでした。「学校は清潔感を求めますが、そうではなくて、清潔な状態を求め、それ以外は関与しない。」ことをアタリマエにするという結論になりました。また、いらないアタリマエをなかなかなくすことができない原因として、「この校則なくてもいいよねと思った人が作った校則ではないため」と考え、「この校則なくてもいいよねという考えがある程度増えると変化するのではないか」という仮説を立てていました。
グループ4では、「暗記するための授業やテスト」というアタリマエについて考えました。まず、いらないと思ったのは「授業やテストは本来、学んだことを使い応用する時間だ」という考えがあったからです。このグループに入っていた中学生Kさんが「みんなで考えていく授業」を紹介してくれました。この授業の目的は「どのようにしたらいい文章が作れるのか・どのようにしたらわかりやすく伝わりやすい文章が作れるか考える」ことで、手段として「青春の短歌を作る」ことを使ったそうです。生徒は目的を達成するための話し合いをし、クラス委員は話し合ったことをまとめ、先生はヒントやアドバイスだけをする、このようにして「みんなで考えていく授業」をつくっていったそうです。ちなみに、クラス内で一位を決めたそうで、その一位になった短歌は「テスト後に 自信ないというやつは 大抵裏切り者」だったそうです。このような、「みんなで考えていく授業・学んだこと考えたことを応用する授業・テスト」をアタリマエにするとという結論になりました。
グループ5では、「校則」というアタリマエについて考えました。
まず、いらないと思ったのは「休み時間しか水を飲むことができなかったり、みんな同じ宿題であることがあった・ある」という実体験からでした。”「休み時間しか水を飲むことができない」アタリマエをクラスのみんなで話し合い、変えた”という実体験を紹介していただきました。また、「みんな同じ宿題」というアタリマエに対し、「ルールを自分たちで作る・3パターンくらい出して選ぶこと」をアタリマエにすると、「やらされるというよりも、自分で選んだ考えたという実感から、宿題をする子たちの主体性が出るのではないか」という結論になりました。
私はこのディスカッションの時間で、大きく頭に残っている言葉があります。「校則は時代に合わせて変化していくべきだと思う」という言葉です。私はすごくハっとしました。なぜなら、私は、今の校則には納得がいっていませんし「変えなければならない」と思っていますが、一度変わればいいだろうとしか思っていなかったからです。ファッションの流行も食べ物の流行も、ほとんどずっと同じということはなく(中にはずっとあり続けるものもありますが)時代に合わせて変わっています。ファッションや食べ物の流行が変わっていくように学校や校則も時代に合わせて変わり続ける必要があると思います。このディスカッションでも私は共感することと新たな発見がたくさんありました。
3、理想の学校を考えよう
最後に理想の学校を考えていただきました。今回は、自分が今まで体験したことや、こんな学校がいいのにこんなことがあったらいいのになどの不満・変えたいことから、今ある学校のアタリマエをぶっ壊して、全て取っ払って、意味のある学びができる学校を考えていただきました。
グループ1
☆やりたいことができる
・子供がしたいことを諦めさせない。
・今の、「やりたい」という意志が尊重されない環境はあまりよくないのではないかと考えた。
・「〇〇したい」と言われたら、先生が「こういうことをやっているところがあるよ」などと答えではなくヒントを与える
☆増やすのではなく、減らす
・先生の業務を減らす
例えば、行事の企画を先生ではなく生徒と外部の方々(専門知識を持っている方々など)で協力して作る。また、電話を受け取らない時間を決める。
グループ2
☆子どもの子どもによる子どものための中学校
・子どもの主体性を重んじ、地域との連携・協働
・担任をなくす→先生の業務を減らすこともできる
・子どもたちが何をしたいのかを明確化させ、しっかりとした議論のもと実現させる。
・先生と生徒はフラットな関係である
・部活の顧問は、有志者・経験者を募ってやってもらう
グループ3
☆アマゾンプライム学校
・N高のようなオンラインとリアルを融合させた学校
・自分の学習のレベルを選択できる学校→学びに自分たちで向かっていける
・子どもたちが遠慮したり忖度しない環境を作る
・学校と社会が互いに興味を持つ
・企業と連携する
・遊びの中で気づくこと学ぶことがある→大事にする、遊びの先生も必要なのではないか
・アマゾンプライムのように、必要な時に必要なものを取り寄せることができる学校
グループ4
☆自分で選択して学ぶことのできる子を育てる
・学びたいことがあれば、インターネットなどを使って簡単に学べること
・高校生でも大学の授業を見ること
上記のふたつができる時代には「自分が学びたいことを選択できる子どもたちを育てるための学校」が必要なのではないかと考えた。
・「学ぶことって必要?」と思う子どもたちのために自分で選択して学ぶことができること、その仕方などを教える
・「学びたいことが決まっている」子たちは、そのタイミングで自由に卒業し、その学びに向かって行動する
グループ5
☆子供を信じる学校、子供主体の学校
・誰がきてもいい、何年いてもいい学校
・主体的に参加できるような授業
・子供たちが「教え合う」力はとても強いのではないかと考えた。→先生が教えるのではなく、子供たちを信じて、勉強法を任せる
・評価を自分で決めることができる学校
各グループの発表から共通して、「子供が中心にいる」学校が理想であるということが言えると思います。そして、その「子供中心の学校」はもう、今ある手段で実現可能なのだと思いました。
子供たちが一人一人「学びたいこと」は地域の方々との交流やyoutubeなどでの動画、インターネットを使ってみつけることは可能であるということ。
「学びたいこと」を見つけた後、そのことを学べる手段は、たくさんあるということ。
足りないことは、一人一人の一歩踏み出して社会を変える勇気なんだと改めて思いました。
このような流れでたくさん学ぶことがあったワークショップを終えることができました。
今回のワークショップは、より多くの人の考えを聞いて新たな発見があったり、考えを深めることができました。「学校」をテーマに開催したワークショップでしたが、「学校」以外にも改めて考えること、学ぶことがありました。
主催者ひなこのウラ話
今回のワークショップが終わった後、真っ先に思ったのは「楽しかった」「またしたいな」「学ぶこと共感できることがたくさんあったな」ではなく、「悔しい」という一つの気持ちでした。その次に思ったのは、たくさんの「ありがとう」と「ごめんなさい」という気持ちでした。
悔しかった
ワークショップが終わった後、「悔しい」という気持ちが私の頭の中を支配しました。
”上手く進めることができなかった・自分の考えを伝えることができなかった” そんな思いから、「悔しい」という気持ちができたのだと思います。なぜ、悔しい結果になってしまったのか、その答えは一つしかないと思っています。「準備不足」です。
正直に言うと、「前回のワークショップ以上に熱意を持って取り組めたのか」と聞かれたら、私は自信を持って「取り組めた!」とは言えません。なぜなら、なんとなく私は「前回のワークショップは成功したんだから、今回も大丈夫だろう」と安易な考えを持ち、前回のように何時間も悩んで、深く考えることをしなかったからです。ワークショップの開催を公開してからの10日間参加してくださる方々への事前連絡、zoom練習会など、できることはしてきた ”つもり” でした。しかし、肝心なzoom進行・操作の確認をするリハーサルは、普段からzoomを使用していたため「大丈夫だろう・なんとかなるだろう」と思いしていませんでした。結果、ワークショップのzoom管理をしてくださる方が、当日とてもバタバタとすることになってしまいました。また、当日の「どのように進めるか」「どのくらい時間を設けるか」も、もっと考えればよかったと思っています。なぜなら、余裕を持った計画をすることができていなかったし、「参加者の立場」になって考えることができなかったからです。余裕を持った計画を立てられていたら、たくさんの話し合いをした後、話したこと、感じたことをまとめる時間や、休憩時間を設けることができていたはずです。「参加者の立場」になって考えることができていたら、もっと考える時間、発表時間を上手く設けることができたはずです。
今回のワークショップでは、「事前準備の大切さ」を改めて身に染みて感じました。次回のワークショップでは必ず、必ず準備する期間を最低でも2週間とり、「大丈夫だ」と安易に思わないで、たくさん考えてワークショップに臨みたいです。
たくさんのありがとうとごめんなさい
「悔しい」という気持ちのあとに出たのは、たくさんの「ありがとう」と「ごめんなさい」でした。
参加してくださった方々への「ありがとう」と、「上手く進めること・私の考えを伝えることができなかったこと」に対しての「ごめんなさい」
私を信じてくれた方々・応援してくれた方々・ママ・パパへの「ありがとう」と「期待を裏切るような形になってしまったこと」に対しての「ごめんなさい」
公開前から当日までずっと、たくさん助けてもらった方々への「ありがとう」と、「迷惑かけてしまってごめんなさい」
私は、今回のワークショップでたくさんありがとうとごめんなさいを思いました。
最後に
私は今回のワークショプで、本当にたくさん感じて、たくさん考えて、たくさん学びました。多分、ワークショップが終わってから今日まで、14年間の中で一番たくさん考えて悩んだ時間だと思います。この一つの時間をなくさないように、忘れてしまわないように、大切にして、今後の活動に活かしたいと思います。
本当にありがとうございました。そして、これからもよろしくお願いします。
文責 ひなこ