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好きなことを仕事にするべきなのか?:「本なら売るほど」を読んだ感想

「好きなことで生きていく」

というコピーをYouTubeが打ちだして以来、世はまさに好きなことを仕事にすべき時代に突入した、と私は思っていた。


みんな好きなことで生きていこうよ!
好きなことを仕事にするのは素晴らしいこと!好きなことを仕事にできるのは優れた人だよ!

というようなことを自分でも無意識のうちに思っていた。

好きなことを仕事にするということは、必ずしも目指すべき場所なのか?

というようなことを考えた。


この漫画の第一話「本を葬送る」にて。多種多様、家が埋まる勢いの大量の本を持つ80すぎの人が亡くなった。

これだけ多くの本を読んでいた本好きはどんなクリエイティブな仕事をしてるんだろうと私は思った。本や映画をつくる人かそのサポートをする人だろうなと何となく考えていたら、郵便局の局員を定年まで勤めた人だった。


好きなことを仕事にすることが絶対的に良いという今までの私の考え、ずっと持っていた法則のようなものが崩れた。

好きなことを仕事にしなくったって、好きなことを人生にすることはできる。


きっとこの人にとって本は癒しとか趣味とか、好奇心の種とかだったんだろう。

仕事とはかけ離れたところで、自分自身と繋がったところにあったんだと思う。

私は人生って、自分が何が好きかとか、何を思ったかとか、何を大切にするかとか、そういうものをかき集めてできたものみたいな、道みたいなものだと思う。

だからこの人にとって、考えを深めた本や、ワクワクさせられた本や、大切にしたいと思った本が、人生をつくってきたのだろう。


この話を読んで、私も好きなことを自分の人生にしたい!と思った。

その為に、好きなことを仕事にする必要はない。


思いのない周りの声に流されないように、自分の大切なものを自分で選べるように。

私はこれからも本を読み続けたい。

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