ネットショップ運営におけるカゴ落ちの原因とは?カゴ落ち対策方法とは?
ネットショップを運営していると、一度は必ず悩むことがあるのが「商品が売れない」という悩みだと思います。
ネットショップで商品が売れない理由はいくつか考えられますが、最も改善しやすいポイントが「カゴ落ち対策」です。
カゴ落ちとは、ユーザーが一度はショッピングカート、買い物カゴに商品を入れてくれたにもかかわらず、商品の注文完了までいかず、離脱してしまうことです。
今回は、ネットショップの売上改善に直結する「カゴ落ち」について、カゴ落ちの原因とカゴ落ち対策方法を現役店長がご説明いたします。
【目次】
◆ネットショップでカゴ落ちする原因とは?
・予想外の費用が追加されたから
・新規会員登録が面倒だったから
・購入に至るまでのプロセスが長い
・合計金額が高かった
・注文画面でエラーが発生した
・クレジットカード情報を入力したくない
・商品が届くまでに時間がかかりすぎる
・返品条件に納得がいかない
・やたらとセキュリティーチェックがある
・希望する決済方法に対応していなかった
◆カゴ落ちを防止する対策方法とは?
◆ECサイトのかご落ちについてのまとめ
ネットショップでカゴ落ちする原因とは?
ネットショップでカゴ落ちが起こる原因とは一体何でしょうか?
今回は、海外の有力調査データを元に、ネットショップのかご落ちの原因について、考えられるカゴ落ちの原因をピックアップしてみました。
あなたのネットショップに、カゴ落ちの原因としてあてはまるものがないかを確認してみてください。
予想外の費用が追加されたから
ECサイトのカゴ落ちの原因として最も多いのが、「自分が予期していなかった費用が追加された」というケースです。
これは、楽天市場 などのショッピングモールでも良くあるカゴ落ちの原因のひとつでした。
現在は、楽天市場の商品検索時に、検索結果一覧上で、送料の表示が行われていますが、以前は送料の表示がありませんでした。
その為、ユーザーは、商品の販売価格のみをみて、「安い!買おう」と商品ページに移動し、商品を買い物カゴに入れて注文を進めていった結果、注文の確定画面上に表示される「送料●●円」という表示を見て購入を止めてしまうケースが非常に多かったのです。
また、「送料無料」と記載されている商品であっても、北海道や沖縄県、一部の離島などの場合、追加送料が必要になることがあります。
この場合も、カゴ落ちする要因となりますが、物流コストが上がってしまった現在においては、送料追加はしかたのないことだと思います。
ユーザーに対して、送料などの必要事項は、注文前にわかりやすく表示させるようにしましょう。
新規会員登録が面倒だったから
カラーミーショップ などの自社ECサイト系のネットショップでよく起こるカゴ落ちの原因です。
ヤフーショッピングなどのインターネットショッピングモールの場合、ヤフーショッピングで商品を探しているユーザーの多くは、ヤフーIDを所有した会員であるケースが多いです。
特に、ヤフーショッピングでは、Yahoo!プレミアム会員が全体の流通額の70%以上を作っているという公式なデータがあるほどです。
楽天市場でも言えることですが、その売場の会員になっている場合、商品を注文する際には、「住所や電話番号」といった個人情報を再入力する必要がありません。
その為、注文する商品をショッピングモールの中で見つけたら、買い物カゴに入れて、注文確定ボタンを押せば完了するという、非常に短時間で注文完了に至ります。
自社ECサイトの場合、ユーザー、消費者は初めて訪れるネットショップである可能性もありますから、いざ商品を注文しようとした場合、まずは「新規会員登録」が必要になることになります。
せっかく注文しようと思ったユーザーが、「今から個人情報を入力するのかー、時間がかかるなー」と、面倒くさいことを理由にカゴ落ちしてしまうわけです。
情報を如何に入力させないようにするか、はカゴ落ち防止策としても重要です。
購入に至るまでのプロセスが長い
購入しようと思った商品を購入するのに、入力フォームへたどり着くまでの商品説明が長すぎたり、事前に同意する説明内容が長いといった理由は、カゴ落ちする原因になります。
特に医薬品やダイエット食品などは、法律などの問題もありますが、商品の説明が長くなりがちの傾向があります。
また、やたらと免責事項が多いネットショップも、ユーザーが敬遠することが多いです。
ユーザーがストレスを感じないような表記やプロセスの流れを作るように心がけましょう。
合計金額が高かった
これは、一番最初の「予想外の費用が追加されたから」と重なるかご落ち理由でもありますが、思ったよりも合計金額が高くなると、カゴ落ちする可能性が高くなります。
商品の価格だけ見ていたら安かったのに、送料やオプション料、ラッピング費用などが追加されていくと、最終的な確認画面で、商品価格の2倍近い値段になるといった例もあります。
「思っていたのと違う」というのは、ユーザーがカゴ落ちする原因として大きな要因ですので、できる限りユーザーの心理的な差が生まれないように情報を事前公開しておきましょう。
注文画面でエラーが発生した
注文画面で個人情報などの必要事項を入力した際に、入力内容によっては「エラー画面」が表示されることがあります。
エラーの内容が的確に表示され、エラー箇所が赤く色が付いたりといった入力フォームであれば、エラー部分を修正して再度注文を継続してくれる可能性が高まります。
逆に、エラーの内容が「エラーがありました」といった文言の表示のみで、入力内容のどこがエラーなのかも示さないような入力フォームの場合、ユーザーは、そのまま離脱してしまうでしょう。
入力画面を最適化することをEFO(エントリーフォームの最適化)と呼びます。
ネットショップの入力フォームは、ユーザーにとって親切な設計となるように調整しましょう。
クレジットカード情報を入力したくない
根本的な要因ですが、初めて訪れるネットショップでクレジットカード情報を入力するのに抵抗が無いという方は少ないのではないでしょうか?
最近では、フィッシングサイトなどが非常に多いこともあり、インターネット上でクレジットカード情報を入力することは一つのリスクでもあります。
大手ECサービスなどは、注文の際の入力フォームでは「SSL」という暗号化通信を実施していることがほとんどです。
サーバーなどの都合にもよりますが、SSL対策は、ほとんどの場合、低価格、もしくは無料対応することができるようになりました。
今後は、ネットショップの入力画面がSSLに対応していなければ、カゴ落ちは必至であると思った方がいいでしょう。
商品が届くまでに時間がかかりすぎる
商品を注文して、実際に届くまでのリードタイムが長すぎる場合、ユーザーは購入を止める傾向にあります。
Amazonなどは、プライム会員であれば、プライムお急ぎ便が使えるため、たいていの商品は注文の翌日には商品を受け取ることが可能です。
これだけ早い配送が当たり前のAmazonで、「商品の発送まで5日程度かかる」といった配送設定を行っていると、アマゾンでは商品が売れにくくなるのも当たり前だと思います。
アマゾン以外のネットショップでも配送スピードは重視されています。
楽天市場 には「あす楽」という翌日お届けサービスがありますし、ヤフーショッピングには「あすつく」という翌日配送サービスがあります。
配送については、特にユーザーのニーズが高い項目ですから、可能な限り配送スピードは最短日で設定、実施するように心がけてください。
返品条件に納得がいかない
ユーザーがネットショッピングを行う際に、気にするポイントが「返品、キャンセル条件」です。
継続購入する定期購入や単品リピート通販と呼ばれる商品を継続的に自動購入するようなサービスでは特に重視されるポイントが「返品条件」です。
返品条件などについては、「平成28年特定商取引法」が改定されたことで、定期購入販売を行うネットショップ事業者は、総額表示や返品条件の表示義務があります。
返品やキャンセルに関する情報は、「店舗ガイド」などにわかりやすく表記するようにしましょう。
やたらとセキュリティーチェックがある
セキュリティーが重視される現在において、あまりにもセキュリティが高すぎるのもカゴ落ちの原因となってしまいます。
セキュリティーソフトで人気もあるカスペルスキー などをパソコンに入れている方は、入力フォームでチェックなどが頻繁に起こることがあります。
良かれと思って動作してくれているセキュリティー対策がカゴ落ち原因になることもありますのでセキュリティレベルなどの設定には注意が必要です。
やたらとログインセッションが切れたり、二段階認証が必須であったりするのもユーザーが離脱する要因となります。
希望する決済方法に対応していなかった
ネットショップのかご落ち原因の定番が、「決済方法が選べなかった」という理由です。
今でこそ、クレジットカード決済は当たり前になりましたが、10年前までは、ネットショップによっては、「銀行振込のみ」といった店舗も普通に存在していました。
決済方法は多ければ多いほど、ユーザーのかご落ちの確率が低くなります。
カゴ落ちを防止する対策方法とは?
ECサイトでカゴ落ちを防止する方法とは一体どんな方法があるのでしょうか?
カゴ落ちする原因から、その対応方法がわかります。
カゴ落ちを防止する対策方法としては、以下のカゴ落ち対策が挙げられます。
●送料や追加費用は商品ページ上に事前に表示させる
●新規会員登録時には必要事項以外は入力項目を作らない
●商品の購入に至るプロセスを短くする
●合計金額がいくらになるのか事前に表示させておく
●入力フォームでエラー時にはエラー箇所がすぐわかるようにする
●クレジットカード情報を入力させないためにID決済などを導入する
●商品の発送を最短日で実施し、リードタイムを短く設定する
●返品条件などをわかりやすく記載する
●高すぎるセキュリティレベルにしない
●決済方法には可能な限り対応する
上記の対応ができれば、カゴ落ち対策としては、万全に近いレベルだと思います。
大切なのは、ユーザーの不安をひとつひとつ取り除いていくということです。
ユーザーに親切なネットショップを構築し、気持ちよくネットショッピングしてもらえる環境を用意してあげてください。
ユーザーがストレスなくネットショッピングできれば、リピーターになる可能性も高まり、結果として売上アップにつながります。
ECサイトのかご落ちについてのまとめ
ECサイトでよくあるカゴ落ちの原因について、ご説明してきましたがいかがでしたか?
カゴ落ちの原因がわかれば、対策方法はおのずと見えてきたのではないでしょうか。
対応可能なところからひとつひとつ対応していくようにしましょう。
今回の記事の内容が、ネットショップのかご落ちで悩まれている方の参考になれば幸いです。
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