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営業を変えた営業マン
99%断られる新規開拓の実態
当初、私は太陽光発電のテレアポの電話営業をしていました。
(個人宅向けのBtoC、完全な訪問販売です)
電話帳から1件1件、順番に電話をかけてアポイントをとり、訪問先のお宅で即断・即決の営業をしていました。
電話帳から100件~300件電話して、1件のアポイント。
6件~12件のアポイントで、1件のクロージング。
当時の成約率は60%程度だったので、2件に1件の成約。
私がテレアポやってた時はこんな感じでした。
だから、基本的に断られるのが前提。
1件成約するのに、
電話で600件〜3,600件断られ、
玄関で12件〜24件断られ、商談で1件断られていました。
「うちはいりません!」
「けっこうです!」
「てめーは押し売りか!」
「いいから帰れ!」
「何しに来た!」
「いらねー!って言ってんだろ!」
「警察呼ぶぞ!」
敵意むきだして600人〜3000人以上から言われると、心が折れそうになります。雪が降るクソ寒い日に30分以上、外で待たされたりもしました。
当初、アポイントを取って訪問しているのに「玄関で断られる」というのに戸惑い、困惑しました。
インターホンを押したらインターホン越しに断られるので、玄関のドアをドンドン叩いたりしていました。
「どうしたら、いいんだろう?」
「どうすれば、気持ちよく玄関を開けてくれるんだろう?」
ずーっと悩んでいましたが、そのうち諦めました。
どれだけ電話でかたい約束をしても平気で裏切るのが個人宅です。
「個人宅の新規開拓は仕方が無い」
「個人宅の営業はこういうもんだ」
「99%断られるのが新規開拓だ」
と自分なりに納得していました。
100%クロージングできる営業があった!
私のやってた営業は99%断られていました。
むしろ「断られてからがスタート」みたいな感じです。
ところが、100%ウエルカムな営業を発見しました。
引っ越しの営業です。
これは私の体験ですが、アパートから一戸建てに引っ越すときに、引っ越し業者「ありさんマーク」と「サカイ」を呼んだ時のことです。
「ありさんマーク」はPM1時の訪問。
「サカイ」はPM3時の訪問です。
インターホンが「ピンポーン」と鳴ったら、
「お待ちしていました。どうぞ」と言って、部屋に上がってもらいます。
ありさんマークの営業マンはシャキっとしていて、
話もうまく、好印象の営業マンでした。
「これだけ荷物があると、●tトラックが必要になるので、通常7万円ですが、今回、この場でOKいただけるなら5万円で出来るようにしますよ」
と、バリバリのセールストークで、2時間後「サカイ」が来るのに即決を迫られました。
セールストークがうまいので、即決と言っても全然イヤな感じはしなかったです。
でも、「市内の引っ越しは、うまくやれば3万円位でできる」という前情報を知っていたので、サカイの見積を見てから決めようと思い、即決はしませんでした。
逆に、この前情報を知らなかったら「ありさんマーク」で即決していたと思います。それくらいトークもうまくて好青年でした。
「営業成績いいんじゃない?成約率どれくらいなん?」と聞くと、
「8割以上あります」とのこと。
納得!って感じです。
PM3時になって「サカイ」の営業マンが来ました。
その営業マンは小太りで、頭もくちゃくちゃ、よれよれのスーツにずり落ちたメガネ…。典型的なダメ営業マンがきました。
想像通り、
おまえ営業下手だな~。口がどもって聞き取りにくいし、何が言いたいのかよくわからん…。そんなんでよく営業できるな~。
と思っていましたが、結局、その営業マンで契約しました。
希望金額の「3万円でやります」と言ったからです。
ちなみに、「サカイ」の営業マンも「成約率8割以上あります」と言っていました。
マジで!?
そこで、気づいたのです。
引っ越しの営業マンと、私のやってる営業は同じ個人向け(BtoC)なのに、なぜ、こうまで違うのか?
理由はただ1つ。
「引っ越ししたいと思ってる人にしか訪問しないから」
私が今までやってたことを引っ越しで例えると…、
引っ越ししませんか?
新商品の「お手軽引っ越しパック」ができました。
今ならキャンペーンでお安くします。
と言って、
電話帳から全て家に電話かけたり、
全てのアパート入居者に飛び込み営業しているような状態です。
そりゃきついよな~。
効率悪いよな~。
引っ越しの営業マンみたいになるために、どうすればいいのか?
真剣に考えました。
その頃、ちょうど太陽光発電の補助金が終了し、太陽光発電の冬の時代が到来しました。
テレアポも
100件〜300件の電話でとれた1件のアポが、
300件~500件の電話で1件となり、
しまいには全くアポが入らなくなりました。
アポがないと、クロージング出来ないから、太陽光が売れません。
訪問販売はもうダメだ。
これ以上続けても先が見えない。
他に良い方法はないか?
と模索し始めました。
この試行錯誤・いろんな販売方法を模索していた平成18年、平成19年の約2年間は本当にきつかったです。
この2年の間で「太陽光発電は売れない」と撤退する業者、倒産する業者が増加しました。
【つづく】