本日のウニ:バフンウニ⑭プリズム幼生
受精後36時間のプリズム幼生を腹側から見た写真です。後期原腸胚で前端部にまで伸びていた原腸が、腹側に折れ曲がって将来の口にあたる部分と融合しつつある瞬間です。どうして原腸が腹側・口側へ曲がるのかという点に関して一つの説を唱えたものが当研究室所属学生の成果として論文になり、公表されています。
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/dgd.12434%C2%A0
また、その内容をわかりやすく漫画で紹介していただいております。
このステージの幼生を横から見ると三角形に見えて、光の分散実験に使うプリズムのようであるため、プリズム幼生と呼ばれます。が、最近はプリズム自体を目にする機会があまりないため、なんのこっちゃと思う学生も多いようです。
ようやく一次間充織細胞は目立った骨片を作り始め、体の前端部の神経外胚葉では当研究室でのメインターゲットのひとつであるセロトニン神経が分化を始めます。幼生として、食べて泳いでの準備を始めているまさにその瞬間といえるタイミングなのではないでしょうか。