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本日のウニ:バフンウニ⑫原腸胚

受精後26時間の原腸胚です。体の後方(図の下側)から将来消化管になる組織が陥入します。陥入するところを原口(げんこう)と呼びます。胞胚期は一層の細胞層からできていましたが、間充織胞胚期に将来骨になる中胚葉組織が移入し、さらにこの原腸胚期で胃や腸になる内胚葉組織が陥入します。そうすることで、我々ヒトも含む左右相称動物は外、内、中間の3層構造をもった体を作り始めることができます。著名な発生生物学者であるLewis Wolpertが「人生において最も大切なことは原腸陥入である」と記したその原腸陥入が、まさしくここでみられる現象になるわけです。多くの動物の中で、ウニは原腸陥入が体の外からでもとても見やすく、どのような仕組みで原腸が陥入するのかを調べるのにとても適した研究材料になります。

間充織胞胚期に移入していた一次間充織細胞は原腸の両脇に位置しています。さらに、原腸の先端から別の間充織細胞が移入しているのが見て取れます。これは二次間充織細胞と呼ばれ、将来の筋肉や色素の細胞に分化します。さらに、体の免疫機能を支えるのもこの細胞群とされています。このタイミングで一次間充織細胞を外科的に取り除くと、二次間充織細胞が一次間充織細胞へと分化転換することも知られています。この結果から、正常発生下では、二次間充織細胞は一次間充織への分化を一次間充織細胞により抑制されていることが示唆されます。

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