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本日のウニ:バフンウニ⑤4細胞期

2細胞期からしばらくすると、第一卵割面と直交するように第二卵割面が生じて、4細胞期になります。第二卵割面も第一卵割面と同様に動物極と植物極を必ず通り、結果的に生じる4つの割球は全て同じ大きさになります。19世紀後半から20世紀にかけてHans DrieschやSven Hörstadiusの胚操作実験により、ウニの2細胞期、4細胞期の胚を各割球ごとバラバラにしてもそれぞれが完全な個体を作ることができることが示されています。このように、各割球が個体を作る能力を持ったまま発生していく様式を、調節的発生、英語でregulative developmentといいます。日本語で書かれていても意味がわかりにくい言葉ですが、ヒトでいうところの一卵性双生児をイメージしてもらえればわかりやすいです。受精卵が着床前に何かしらの原因で二つに別れて、それぞれが着床し成長したのが一卵性双生児です。発生途中で割球が別れても、それぞれに個体を作るのに十分な情報が含まれているということです。このような発生様式の代表がヒトを含む哺乳類やウニであり、筆者がウニを研究材料に用いている一つの理由になっています。ヒトではこの性質を利用して着床前遺伝子診断が行われています。

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