なにかが変わる弟子屈暮らし vol.5
東京都出身神奈川育ちの一度も田舎に住んだことがない私が、阿寒摩周国立公園の町 弟子屈町(てしかがちょう)に住んでみた感想や実体験を綴ります。
北海道への移住を検討中の方々の参考となれば幸いです。
弟子屈町はここ!
本格的な冬のシーズンになった。
除雪により道路脇に一度作られた雪壁は融けることなく。北国らしい景色になった。すこし雲がかかると雪が舞う。
体が冷えているのか、体調が思わしくない。エゾタヌキになってポンポン山でずっと寝ていたい今日このごろだ。
大雪警報
年明け早々にかなりの大雪になるとの知らせ。ワイパーをちゃんとあげて普段車に積んでいるスコップをお家に入れた。
翌朝、ドアを開けようとするとなんだか固く、グググと前に押してやっと自分が通れるくらいに開いた。なかなか吹き溜まっていた。
午後には除雪があらかた済んでいて町内の主要な道路はほぼ普通に走れる感じだった。
翌日のニュースで「北海道で豪雪」と随分報道があったので、友達が心配してくれた。
でも北海道は広くて、札幌や道北の雪と比較して知床半島を除く道東はそこまでではない認識だ。
実際、今回の雪は率直なところどうなのか地元の人に聞いてみると「まあまあこれくらいかなぁという感じ。風があったりしてホワイトアウトになるような方がおっかない。それよりも春みたいな湿った雪で除雪が大変。」ということだった。
雪の重さも知らない私はそれなりに張り切って家の前を除雪していた。
道東は運転しにくい?
田舎に行けば行くほど雪深くなったり道が細くなって凍結路に関しても運転が難しくなると思いがちだが、1月を過ごした私の感覚では釧路など都市部の方が除雪の前に車の往来があり、中途半端に融けた雪がシャーベットになりガチガチに凍る怪しい路面が多いのではと考えたりする。
そうした道路は弟子屈でも市街地や住宅街などでよく見られるものの、通行量が少なく道も広いので同じ条件なら都市部よりも心理的余裕はあるかもしれない。ちなみに道道など主要な道路はほとんど路面が見えている。
道内には鹿が至るところに出没するが弟子屈も例外ではなく、弟子屈市街地から美留和を通り川湯温泉方面に行く時は特に注意が必要だと言われる。だけど、最近はあんまり見かけない。雪の深いところは苦手らしく。では弟子屈のエゾシカはどこに行ってしまったんだろう。
滑ることも怖いが真っ白で前が見えない時の方が恐ろしい。地吹雪になりやすい場所にはフェンスがある。フェンスの隙間から雪が吹き込んでいる様子を見ると、あるのとないのでは大違いだなと思う。
▶気をつける道
凍結路 (滑ると命取りに)
路肩 (ズボッとはまっている車を散見)
吹き溜まり(抜け道など通れると思ったら車の下に雪が溜って動けなくなる)
▶わたし的に気をつけてる事
ポンピングブレーキ必須
急な動きをしない
一回では止まらないと思っておく
いざという時の為にスコップを置いとく
基本中央線寄りに運転
(冬季以外の夜の運転とか、シカ衝突を避ける意味でもそんな感じの人が多いと思う)
霧氷もダイヤモンドダストも日常の中に
朝、家を出て。
なんとなく川を通って。
ふと太陽の登る方角を見て。
弟子屈や川湯のまちが霧に包まれる朝、藻琴山や美幌峠といった屈斜路カルデラの外壁からは雲海が見られる。またある時は川から霧が立ち込め、岸の樹木はみな白く輝く。標高の高い摩周湖では、龍が泳ぐような川霧を見ることができる。霧氷も、ダイヤモンドダストも日常の中にあると感じる。
弟子屈特有の強風
弟子屈は風が強い場所でこの頃も強い北風が吹く。
関東でも栃木や群馬の平地であるような「吹き下ろし」の風なのかなと思っていたが、改めていろいろ調べてみた。
弟子屈は道東の中でも風の強い地域と古くから認知されている。
北を美幌峠や藻琴峠といった屈斜路カルデラ壁、北東を摩周岳、西を阿寒に囲まれている。
資料によると、北風は山からの吹き下ろしとなり、狭い谷を抜けて抜けるような格好で谷の出口で強風になることがあるようだ。
グラフでは12月から3月までの冬季、最大瞬間風速10m/sを超える日が月毎にほぼ10日を越えているのがわかる。
ふらっと旅にきて、凪いでる摩周湖と霧氷のコラボを見ることができるなんて相当ツイていたんだなと住んでみて、統計を読み解いて、はじめてわかる。
とても面白い論文なのでなんでこんな風強いの?と思っていた人にはぜひ読んで見てほしい。
WRFによる谷地形の影響によって発生する強風の解析~北海道弟子屈町の強風事例~
一般社団法人日本風工学会
今月はこんな感じで。
大雪や地吹雪といった気象条件、霧氷やダイヤモンドダストなどの自然現象を、日々の生活やカヌーなどのアクティビティを通して見ていく中で「弟子屈がどんな地域なのか」を知ろうとした期間だった。