
映画感想文ー世界でいちばん長い写真
本当は「日本のいちばん長い日」を観ようと思ってアマプラで検索したのですが、400円レンタルの対象作品だったのでううんどうしようかなと悩み、そしたら検索結果に見覚えのあるタイトルがありました。それが「世界でいちばん長い写真」です。
『世界でいちばん長い写真』は2010年8月に光文社から発刊された誉田哲也先生の青春小説です。私は文庫本で出会っており、本棚から取り出して確認したら2012年11月初刷のものでした。もう10年以上前のもの。私が高校生の時に読んだ作品です。
誉田哲也先生のサスペンスが特に好きだったので、本作品はどちらかというと何度も読み直したものではないのですが、「世界でいちばん長い写真」というタイトルを見た瞬間にぐるっと撮影したひまわり畑が頭に浮かぶ程度には印象に残っている作品でした。
映画化されたのは2018年で、草野翔吾さんが監督・脚本を務めています。へえ、全然知らなかったなあ。もう7年も経っているんだ。
映画を観た感想ですが、めちゃくちゃよかったです!!!原作を特に読み直さず観て、観終わった後パラパラ読んでみて結構違いがあるなと気づきましたが、映画として凄い完成度の作品だと思いました。嫌なヒヤヒヤ・ハラハラがなくて、登場人物たちの掛け合いも自然で、フォーカスしているストーリーも分かりやすく、ものすごくニコニコしながら観ちゃいました。
別にミステリーでもないんだけど、あまりネタバレしたくないので映画のあらすじだけお伝えしますと、高校3年生の夏~文化祭にかけての物語です。主人公ノロブーは遠慮しいな消極的な性格で、所属する写真部でも幽霊部員。部長でクラス委員長でもあるミヨシから厳しい言葉を頂戴する場面も多々あり。そんなある日、祖父のリサイクルショップで見つけたパノラマカメラを譲ってもらってから変わり始める…というものです。
寒い日が続きますので夏が舞台の映画でも観たいな、と思っている方など、よかったら観てみてください。
追記 やっぱりネタバレありの感想の感想も書きたい↓
顔を映さないポートレートで部内品評会で一位だったミヨシが、最後同じ鏡を小道具としてカメラマンが写る写真に仕立てたのが芸として美しすぎる!
私は勘が悪いので、ミヨシが走り出したとき何を取りに行ったのか分からず、でもノロブーのためというのは分かって既に感動してポロポロ泣いてた。
でっかい鏡を持って校舎を走る姿、とてもいい絵だった。
そしてマジで勘が無さすぎて、撮影中のプロポーズが起こるまで「え、あっちゃんアツシと結婚するの?!マジで?!いやアツシいいキャラだけどマジで?!」と思ってた。
クラス委員長として、ミヨシが喋ってる時にすごい体勢で聞いてる女子生徒いたけど、めちゃめちゃリアルだなと思った。エキストラにロケ学校の生徒もいるみたいだけど、どこまでエキストラなんだろう。。
あと文化祭の準備と片付けは描写されたけど、当日の様子は省かれていることで、逆におセンチさが深まってよかった。
やっぱ学校行事は準備と片付けがエモですね。
セカチョー委員会で距離の縮まる人々もかわいい。
いやー、本で読んで頭の中で描いたものが映像化されて、しかもそれがすごくイイなんて嬉しい。
ひまわりを後ろから見るのも、夕陽がバックになるひまわりも。何より学生たちのあの13週が見れたの感無量だ。エンドロールで早送りなしで全部見せて欲しかったくらい!
素晴らしい作品でした!