SLASH OF BULLET
概況
ゲーム名 :SLASH OF BULLET
プレイ時間:45分
状況:最高難易度クリア
あらまし
あんまり、こう、こういう規模のゲームについて目に見える所で悪く言うの憚られるのでここで書きます。Twitterと違って見に来る人しか見えないし……
一口に言うとVRゲームを作るのって難しいよね、という話になると思う
コンセプトは良く分かる。斬撃を飛ばしてバッサバッサと敵を切り払うというのは、おおよそVRでゲームをするとなった時にやってみたい事ランキング上位に入る事請け合いの内容ではあると思う。
ただ、現在のVR技術でそれをやろうとするとエグイ難しいというのは、VRゲームを何本か遊ぶか作ってみると分かってくることだと思う。
というのも、人の体は思いのほかブレるし、ゲーム側の仕組みも完璧に作りこむのはほぼ無理といって良い。普通のVRゲームで長めの物を持ってみれば分かるが、先がメチャメチャブレているのが分かると思う。
こういう状況で斬撃を飛ばすという行為をしようとすると、斬撃が全く思った方に飛ばず、的を狙うのが非常にダルいFPSになってしまう。
最終的に剣を振り抜くのではなく、脇を締めて手首のスナップで敵を狙うという身も蓋もないプレイスタイルになってしまった。爽快感とは……
これは以前紹介したTimeless Paradoxでも同じ事を感じた。*1
モードによって斬撃に誘導が付くのはこの対策なのだということは分かるが、いかんせん不十分、というか求めているものと違うように感じた。
というか斬撃が輪をかけて思った方向に飛ばなくなるので若干イラつきすらあった。
自分のVRゲームで斬撃を飛ばせることのモチベーションって『敵に当てる』事じゃなくて 『自由自在に剣を扱える=遠距離の敵すら斬れる』事なので。
結局のところ、今のVRゲームの何が問題かといえば、コントローラを自力で振っている所なのだと思う。
HMDを被ったからと言って急に体の動きが良くなるわけでもない以上、現実ではできない体験を求めてVRをやると肉体がハードルになる。
今回のSLASH OF BULLETはまさにそういう感じがあった
良かったところ
レベルデザインは良かったように思う、操作性を含めても順当な敵配置でやる度にスコアを稼げるようになっていく難易度設定はかなり良調整だったように思う。大き目のやつが別に硬くないのもよかった。硬くても良いのだけれど、爽快感的には一撃で斬れた方が気持ちが良いので
また、スキルをセットで揃えていくと最終ラウンドで強力な装備で一掃できるデザインは爽快感があって素晴らしかった。一部ビジュアルと判定の乖離で逆に使いづらくなるものもあったが、特殊剣のシステムは非常によくできていたと感じる。
ビジュアルも非常に良かったけれど、製作期間的にこれはアセットな気もするのであまり言及しないでおく。
気になるところ
とはいえ、単純にゲームとしてもうちょっとこうだったら良かったのにという箇所が無いわけではない。主なものとしては下の三点
・スコアアタックがメインコンテンツなのにリトライが面倒
いちいちスマホまで移動してスマホに数秒触れるというのは非常に手間。
誤リトライを防ぐためなのは分かるのだけれど、せめてゲームオーバーのリトライを早くするかスマホまで近寄らければならない仕様のどっちかだけでも対応がほしい所。
剣を握ったが最後使わなくなる掴むボタンを押しながらスコア表示を斬るとリトライできるとか。
掴むボタンの長押しでリトライできるとか。
実装によっては若干手間だけどポーズを実装するとか。
使ってない方の手に剣を当て続けるとリトライできるとか、色々手はあるはずなので。
・敵の弾が剣本体で斬れない
弾が飛んでくると咄嗟に剣で払おうとしてしまうが、斬れない。
これは難易度調整のためだというのは分かる、確かに剣で迎撃できてしまうと攻撃は殆ど喰らわなくなり、難易度が非常に下がることが予想される。
しかしだ、剣戟を飛ばすという剣の達人っぽいアクションであるにも関わらず、剣で弾を一刀両断にするというカッコいいヤツができないのは片手落ちではないだろうか(言い過ぎ)。
これは仕方がない、というか、考え方の違いだと思うので何とも言えないが、中途半端にゲームとして保つために爽快感という武器を捨てるくらいならば、いっそ割り切ってカッコいいとか爽快に振り切ってしまった方が良いように思う。特にミニゲームレベルの作品ではコンセプトにそぐわない要素は例えゲーム的に必要であっても除害してしまった方が結果として面白くなるように思う。あと、PV映えもすると思う。これは完全に素人の個人の意見、一切参考にする必要はない。
・スキルや特殊剣を自由に使えるモードが欲しい
特定のスキルを集めると特殊剣になる仕組みは非常に面白く、また一つとると他の同種スキルも来るようになる仕組みはかなりストレスなく遊べる良要素だと感じた。
それだけに、せっかくの特殊剣が解放回の3ラウンド目しか使えないのはもったいないように感じた。
スキル説明パネルで選択できるようにしたりできないだろうか。ランキングに載らないトレーニングとかエンドレス的なのがあっても良いように思う。
特にトレーニングモードは欲しい所。
いや……単一モードで作った所に他のモードを足すのは意外と面倒そうだな……
おわりに
それがどんなゲームであれ、批評するのは作る事の何百倍も簡単で、しかし批評をした人の方が優れて見えてしまうという最悪の行為で。
こんなものは作者さんのモチベーションを下げることにしかならないのは分かっているがつい書いてしまった。
日本のインディーズでVRを作っている方は希少なので、こんな文の事は気にせず、ぜひとも作り続けてほしいと思う。
注釈
*1:あっちは剣で戦うのもそうだが、VRのJRPGっぽいファンタジーって少ないのでそこに希少価値があったが
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