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YMS-09R-2 プロトタイプ ・リック・ドムⅡ [エギーユ・デラーズ専用機]

 ア・バオア・クー会戦でアナベル・ガトー大尉(当時)がグワデンで中破したゲルググから代替機として搭乗しようとするも整備兵から「駄目です、大尉!」と制止された機体、と言って分かる人がどれだけいるのか。

ラケーテン・バズはドム・トローペンとも共通する兵装


 チラッとしか映っていないので当時は幻のMS-09F ドム・フュンフではないかという説も流れたが、現在では統合整備計画で開発されたリックドムⅡの試作機だったというのが定説となっている。
ジオン軍では指揮官は自ら出撃する覚悟をもって専用MSを持つべしという慣習があったらしく、司令級の高級将校は専用機を保有していたようである。実戦で使われることは稀で、主に典礼用だったようだ。旧日本軍の軍刀のようなものか。

統合整備計画ではお馴染みのMMP-80 90㎜マシンガン


 専用機といってもエースパイロットのようにチューンナップを施すニーズがあるわけでもなく、高性能な試作機などを供されるケースもあったらしい。他にもゲルググとの制式化コンペに敗れたYMS-15ギャンがマ・クベ大佐の専用機とされた例がある。マ大佐は自分専用のカスタム機だと思い込んでいたようだが。

腰回りにはマシンガンの予備弾倉


 MS-09R-2リックドムⅡは位置付け的にはリックドムの上位機種だが、開発系統としてはドムの熱帯戦仕様MS-09Dドム・トローペンを宇宙用に改修したものらしい。言われてみれば外観に共通点が多くみられる。

開発順にドム・トローペン(向かって左)、リック・ドムⅡプロトタイプ(中央奥)、リック・ドムⅡ(右)


 主武装には右手に360mmラケーテンバズーカ、左手には機体と同じく統合整備計画で開発され90mmのMMP-80マシンガン。予備弾倉は腰回りに。副兵装として使い捨ての大型弾頭ロケットランチャー、シュツルムファウストを2基携帯。近接兵装にはドム系では標準のヒートサーベル。

ヒート・サーベル、シュツルム・ファウスト×2、バズーカの予備弾倉

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