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茶道教授の独り言
2021年4月26日 06:34
「夏近しフェンスにからむ蔓ほどく」冬に手を抜いていた、庭周りを片付けています。古い鉄線の蔓も、伸び放題でした。大胆に枝をすいて、スッキリしました。もう下からは新芽が出ています。この紫の花が風に揺れる姿を、思い浮かべています。
2021年4月30日 08:05
社中の人々と共に、俳句の勉強をしています。すると予想通り「けりのかも子」が続出!俳句の語尾に「けり・かも」を付けてしまう人々の事です。この言葉は一見安定した様に思われます。しかし逆に、古臭い感じも伴います。もう一つの問題は、二重季語です。どうも知らずに言葉を、重ねてしまう様です。季語はクセモノですが、これを学ぶと「茶杓の銘」にも役立ちます。
2021年4月4日 06:35
「春の星 配所の帝 未だ若く」大きな騒乱の後、帝は自ら願って配所に赴かれました。父君や兄君の身を案じて、心はとても安らかでは居られません。数少ない近習達は、お若い帝がここで過ごす日々を思います。帝も配所でお仕えする者達にも、春の星はさぞかし潤んで見えた事でしょう。
2021年4月7日 07:16
「新しき 本のカバーの 四月かな」山手線、真向かいの席の学生が本を開いています。教科書でしょうか?モダンな柄のカバーが、目に飛び込んで来ました。四月ならではの光景と、微笑ましく思いました。
2021年4月11日 07:59
「ネクタイの 色を迷いて 春惜しむ」こぼれる光・柔らかな風・それらに包まれる幸せを感じながらの外出です。こんな春に負けないネクタイを締めよう!と思い立ちました。数本を手に取りましたが、ストライプ・プリント・小紋柄・花柄と大いに迷いました。花々に負けないとの考えを捨てて、敢えて渋い色目柄行にしましょう!
2021年4月14日 05:55
「人を待つ 待たれるも良し 春の宵」駅前の広場、壁にもたれて誰かを待つ人。改札口からその人めがけて、駆け出す人。どちらも見ていて、うらやましく・微笑ましく思いました。例え恋人同士で無くとも、友人・家族でも待つ・待たせる人が居るのは幸せです。時計を見つめ、人待ち顔の不安な人。電車の扉の前で、少し慌てる人。どちらの若者の顔も、輝いているのです。
2021年4月18日 07:01
「月おぼろゴンドラ二つ並び行く」日本から来た友人達と、ベニスへ。好きでないゴンドラも、彼らに付き合い乗りました。レストランへ向かう為です。ゴンドリエ{漕ぎ手}の唄う、しらけるナポリ民謡にも我慢ガマン!満月に近い月がぼんやり見えて、雰囲気は満点です。私は歌声より角を曲がる時の独特の掛け声の方が、趣が有って好きです。あと少しで、もう一つ橋をくぐると目的の広場に着
2021年4月22日 06:24
「弟子たちの膝線まばら長閑なる」八畳間で稽古していました。ふと見ると、並んで座る弟子たちの膝頭がバラバラでした。注意しようかと思いましたが、これも良い雰囲気と思い直しました。「ほら挨拶の角度深過ぎ!そこはもう少し軽くね」言葉を掛け乍ら、春の一時を自分も楽しんでいると感じました。
2021年4月27日 08:04
「春深く普賢文殊もほほえみて」ご本尊様の脇侍は、普賢・文殊の両菩薩でした。文殊の乗る獅子はユーモラスな顔。普賢の白い象は目が笑っている様・・・対するご本尊の釈迦如来は、おごそかな表情です。しかし両菩薩は、優しく我々を導て下さる様でした。
2021年4月29日 07:35
「高僧にかざす朱傘よ春の雲」本堂に参拝しようとすると、参道に人が溢れて居ます。聞けば御座主様がお出ましとか。我々もお待ちしていると、若衆が大きな傘をかざした列がやって来ました。鮮やかな朱色の傘に負けない、見事な衣をお召しです。膝まづいた信者の額に、数珠を押し当てて一行は去って行きました。