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茶道教授の独り言
2022年6月29日 06:00
当家では隔年夏場に、茶箱と蓋の扱いが難しい物とを交互に勉強します。若い頃はどちらも一緒にやっていましたが、覚える方は混乱したようです。中途半端になってしまいました。そこで近年は、きっちり点前を分けて学びます。今年は「蓋の年」です。毎回蓋の扱いの先陣を切るのが「葉蓋」点前。11代家元が大きな花入れの落としを、水指に見立てたのが始まりです。七夕に寄せた点前なので、本来は「梶の葉
2022年6月28日 08:02
ヨーロッパ特にイギリス・フランスでは、カフェオレを手付きカップよりボールで飲む習慣が・・・そのボールを、まさしく茶碗に見立てる事が出来るのです。画像の品はお馴染みの新宿伊勢丹、洋食器の売り場で発見。最初見た時、何に使う器か分りませんでした。店員さんに尋ねると「そちらはカフェオレの器です」と聞いてびっくり!イギリス・ロイヤルクラウンダービー社製でした。抹茶との色映りも良く、
2022年6月25日 06:48
茶道具には、茶入・花入・水指などに耳が付いています。その形も多種多様です。その昔京都在住時、25日は北野・天神市へ良く出かけました。そこで見つけたのが、この刷毛目水指です。何とビックリ!茸の耳が付けられています。「この場所では、標準語で話すとボラレル」との伝説に従い{おっちゃん、これなんぼ?}「はい3000円木箱入り」{ふーん}演技で気の無い返事。参拝を終えて帰路、くだん
2022年6月23日 06:31
茶友がやって来た時、社中が炭手前をしていました。「ねえいつもなら香合をほめるんだけれども、今日は別の物に」微笑みながら言います。{まあ我が社の道具は、いづれも私が心配りして選ぶから・・・何に感激しても驚かない}「灰器よ!すごくお洒落な色と柄。こんな所まで見立ての道具が有るなんてね~恐れ入りました。それでどこの国の焼き物?」{メキシコのアカプルコへ泳ぎに行った時に、見つけた品
2022年6月21日 09:00
私が若い頃、貴人茶碗と言えば「純白で天目形」と決まっていました。これは恐らく「一回ごとに新しい茶碗に替える」約束から来た物でしょう。近年は新しい茶碗で、貴人台に乗るものならば、どんな茶碗も使える様になりました。今回のは黄瀬戸です。かの新宿伊勢丹の食器売り場で、発見しました。聞けば「ご飯茶碗」との事、ぴったりのサイズ・形に喜び購入しました。値段は大きいお札一枚に、近い高値です
2022年6月15日 06:50
炭手前{炭のみ手の字、使用}で、香合が拝見に出されました。運良く?運悪く?私が、客をしました。{この出し方は駄目!}一刀両断です。手前をした人は、目をパチクリ「先生何が駄目なのでしょうか?」{蓋の柄はどちらを向いても大丈夫ですね、問題は中、蓋と身の木目は確認した?蓋と身の木目が逆です}「すいません、そこ迄見ませんでした」{木目の見える品は、特に注意して下さい。いづれにしても
2022年6月14日 09:19
私は茶碗の中でも、色絵特に花文様が好きではありません。こういう一碗が出ると、部屋が華やか・賑やか・になってしまう気さえして・・・又香合・薄茶器・菓子・などに、その花と同じものが出る心配も有ります。ですからなるべく使いたくないのですが~女子供の為に時折登場させます。すると概ね花柄に目が行ってしまい、肝心のお茶の点て具合を見ていません。まだしも色絵の中でも、自然の情景や面白い
2022年6月13日 07:48
一位一刀彫の傘型香合を、床に飾りました。するといつも鋭い質問をするお弟子から「先生今日外は降っているのに、どうして傘は閉じているんですか?」うれしい問い掛けです。{外は割合沢山降っているでしょう。だから室内は、止んでいる風情にしたいの。ある意味陰と陽かな}などと、もっともらしい理由を付けました。本来外が雨なら陰で、内は陽で「お日様」を出したい所です。何しろ梅雨のさなか、雨が続
2022年6月11日 06:44
世に言う「雨漏り手」の茶碗が、大好きです。恩師から「大川君雨が嫌いな筈なのに、茶碗は別みたいね」と冷やかされる程でした。焼きが甘い物には、良く雨漏りが出て来ます。この画像の自慢の珍碗「無地刷毛目」にも・・・萩焼・高麗の粉吹・などには、割合と見かけます。まあ一年中雨は降りますから、何時使っても良いのでしょう。確かに深めの茶碗にも、雨漏りは出ています。それでもやはり「雨」の言葉
2022年6月9日 07:08
U流四代仙叟好みの薄茶器です。蓋の中央がくぼんでいて、そこに水を貯める河童になぞらえての「河太郎」の名称です。私は名字に「川」が入るせいか、川の字・水の字・が入っている掛物を良く使います。水の流れなら、花入れや香合に「舟」流水蒔絵の薄茶器かこの河太郎が大活躍。若い頃恩師の稽古場で、この河太郎を使いました。「さあどんな銘の茶杓かな?」と聞かれ「遠野」とお答えしました。「なるほど
2022年6月7日 07:57
「先生、素晴らしい水指ですね。茶会用ですか?」{ほらコロナで茶会も激減。次に何時使えるか分からないから、普段使いにしようと・・・}「そうですね、完全に元には戻らないかも知れませんね。いくらか茶会の話も聞きますが」{それに自分の年齢・体力・知力・も有るから。茶会用だった道具も、次々使わなきゃね~}「この見事な釉薬は、高取焼ですよね」{そうですよ、高取の作家さん教えたけれど。覚えて
2022年6月5日 08:30
この見立ての茶碗、元はなんだったと思われますか?百貨店勤務時代同じフロアーの洋食器売り場へ、良く遊びに{美術品売り場はヒマ}行きました。そこで出会った品です。直径30センチ位の大きなサラダボール。六色の取り皿がセットになっています。その取り皿の一つです。少し高台が大きいのですが、形はやや開いた姿なので例年6月に登場します。メーンの大鉢は蓋を付けて水指にしました。取り皿は自慢して
2022年6月3日 05:59
現在床の間の掛け軸は、禅語一行が主流となっています。古くは横物や二行も使って来ました。これではいかんと私も手持ちの二行を、使って説明をしました。長い禅語・漢詩・対句の有る物などは、どうしても一行に収まらなくなります。古い軸では横書きも、多く見かけますが・・「行到水窮處 坐看雲起時」有名な王維の漢詩を、明治の二条公爵が書かれたものです。この言葉を、別々に一行にした物は見かけま