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随分昔の冒険シミュレータ風ゲーム(前途への道標)

大学生の頃、少しだけ手を出しては、すぐやめたゲームがあった。前の前の会社に勤めていた時期にも、ちょこちょこプレイしていた。「ルナティックドーン 前途への道標」である。しばらく前にSteamで販売されていることを知り、久しぶりにやってみた。

ざっと適当な説明をすると、このゲームは世界中に存在する冒険者から、ひとりを「主人公」として選択し、「主人公」の操作を通して彼(彼女)の人生を追体験する。そんなゲームだ。

この世界の「主人公」は数多ある冒険者のひとりに過ぎない。仮に息絶えたとしても、世界は存在し続ける。冒険の目的も与えられない、なぜなら彼(彼女)は、所詮ひとりの人間でしかないのだから。

言い方を変えると、彼(彼女)の生きる目的は自分で考えなければならない。迷宮を探索してドラゴンを倒すも良し、指名手配犯を追うのも良し、裏稼業に手を染めるも良し。行きつく先は、冒険稼業から引退し悠々自適に過ごすことかもしれない。功績が認められ、国王になることかもしれない。逮捕され、塀の中で生涯を過ごすことかもしれない。あるいは他の結末があるかもしれない。

妙にリアルなのは、彼(彼女)が冒険稼業から退いても、世界は何事もなく続くこと、そして駆け出しの冒険者の能力なんてたかが知れていることだ。一人前の実力を付けるのに10年掛かったりする。また40歳を超えれば肉体が衰えてくる。若いうちに結婚出来れば子供を授かりやすいが、年齢が高くなると、まず子供は授からない。必死の思いでモンスターを狩っても、ドラクエのようにお金が出てくるわけではない(例外はあるが)。私が大学生のときに、すぐやめてしまったのは、そのあたりに辛さを感じたからかもしれない。あるいは冒険者が10代の内から活躍出来ないシビアな世界観を拒否していたのかもしれない。

ともかく、先日久々にプレイしたので、ある冒険者の人生を一部だけ追体験することにしよう。

「世界創造」をしてから、適当に10代の冒険者を選ぶ。「冒険好きのママウリ」なる女性戦士のようだ。



17歳のママウリは冒険者としての人生を歩むこととした。どうやら冒険者なる存在は、宅配・買物といった簡単なお使いから、モンスターの退治や討伐、引っ越しの護衛、お尋ね者の逮捕…のようなことで生計を立てているようだ。要は便利屋だ。

とはいえ駆け出し冒険者がやれることは、宅配一択だ。買物を代行しようにも、先立つものすら無かった。その宅配業務すら死と隣り合わせだ。隣町への移動中に盗賊が現れたら一目散に逃げる、蛇が現れても一目散に逃げる、死んだら一巻の終わりだからだ。

お金が蓄えられてきたら訓練に勤しみ、買物依頼もこなす。冒険者になってから3年間、迷宮になど潜ったこともなかった。冒険経験も無いから、周囲の冒険者との実力差は開く一方だ。かといって、危険な仕事は引き受けられなかった。

あるとき、異国の首都で恩恵札なる魔法のアイテムを手に入れた。どうやら、傷付いた体を癒すことが出来るようだ。恩恵札を手に入れてからは、退治依頼もこなすようになり、メキメキと実力が付いた。ようやく経済的にも余裕が出来、家も買った。ママウリ25歳、冒険を始めて実に8年も経過していた。

その後、世の中には「達人」なる人物が存在することを知った。自宅のある街から馬車で10日程の距離の町に「魔術の達人」を名乗る人物がいた。彼女は、達人に打ち勝って次代の達人になろうとした。しかし現実は甘くない。凄まじい雷の魔術で返り討ちにあってしまった。

それから悔しさをバネに訓練を繰り返したが実力の差は大きい。だから知恵を絞ることにした。達人の魔力が尽きるまで恩恵札で必死に耐え抜き、最後に中級魔法で打ち勝った。この知恵こそが「知の宝珠」を持つための資質なのだろう。彼女は新しい達人となったのだ。彼女は「冒険好き」を名乗ることをやめ「魔術の達人」を名乗った。



・・・とまぁ、こう書くと、もの凄く自由度が高く思えてしまうのだが、実際には制約も多いゲームである。この冒険者の行く末はどうなるのでしょうか?私の博士研究が終わったら、もしかしたら分かるかもしれない(苦笑)

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