【妄想】もしアド街行徳編があったなら
(2023.08.13追記)この妄想記事書いてから4ヶ月、なんとアド街ック天国で行徳回が放映されることになりました‼︎9月16日放映予定です。
この春から行徳・南行徳・妙典で暮らし始めた方も多々いらっしゃると思います。
この地にご縁ができた皆さんへの地域理解の手助けとなり、さらには住めば都で街に愛着を持てるきっかけになればいいなと、アド街風に街の紹介してみることにしました。
自己紹介
初めての方に向けて改めて自己紹介。
わたくし行徳をメインに「浦安・行徳・妙典 東京湾岸千葉情報」という地域紹介ブログを執筆運営しております。
2005年より紆余曲折を経てかれこれ18年、noteはコロナ禍突入の2020年から投稿しています。
主ジャンルは地元の祭りとグルメレポなのに、アクセス多いのはなぜか交通系投稿というニッチなブログです。
以下人気記事2つご紹介。
行徳をひとことで表すと「カオスな街わっしょい」
東西線で都心へのアクセス良好なのに市川市内へのアクセスがいまいちで、大多数の市川市民に川向こう扱いされる行徳地区(行徳・南行徳・妙典)。
どこにでもあるベッドタウンではありますが、他地域にはないカオスな個性をもつ街なのです。
どんなカオスかというと、以前note本日のおすすめに選出いただいた投稿を読めばイメージできるのではと思います。
また平成の終わり頃より「神輿のまち行徳」と銘打って、地場産業である神輿製造を軸にした町おこしが実践されています。
地元向けの祭りやイベントの他にも、神輿をテーマにした施設の新設や対外向けPR行事(なんとパリでも!)など、さまざまな取り組みがなされていますが、地元以外の浸透度はいかに。
「浦安・行徳・妙典 東京湾岸千葉情報」的アド街ック天国行徳編
ローカル特化の地域情報ブログに対し、note投稿で心がけているのは行徳の街を知らない方への街紹介を含めた視点。
とはいえマイナー地域の宿命がゆえ、街情報番組ジャンルの老舗アド街ック天国にもスルーされているのが現状です。
多国籍共生でカオスな神輿のまち行徳が何故今に至るまでアド街に取り上げられないのか、不思議でなりません。
ということで、痺れ切らしたので勝手にアド街行徳編を企画いたしました。
完全に独断と偏見によるランキングですのであしからず。
第1位~第10位
番組では第20位から遡って進行していますが、ここではわかりやすく第1位から順に進めていくことにします。
まずは第1位から第10位。
順位の変動はあれども地元民なら概ね納得していただけるランキングではないかと。
◆第1位:製塩から神輿のまちへ
行徳で神輿製造が盛んとなったきっかけは製塩業の隆盛。
室町時代に始まったとされる行徳の製塩業は、徳川家康の命令により塩田開発と塩の輸送ルートとしての水運が整備され、江戸時代には関東最大の製塩の地として発展しました。
製塩業拡大による人口増加とともに寺社が増え、神仏具師も多く集結したことで後の神輿製造に繋がっていくこととなります。
明治以降神輿製造の需要が高まるにつれ、行徳は全国シェア4割ともいわれる神輿製造の産地として名を馳せるようになりました。
行徳には3店の神輿店が存在していましたが、平成期に浅子神輿店・後藤神輿店が廃業したため、現在は中台製作所が唯一神輿製造に携わっています。
また製塩業は明治以降徐々に衰退するようになり、大正時代の高波や戦後間もない頃の台風被害を受けて消滅する運びとなりました。
巨大な塩田だったとは想像できない現在の行徳の光景ですが、昔の行徳を知らない新住民に行徳の歴史を伝えるべく、行徳まつりや学校行事、また第2位で後述する展示施設の新設などの啓蒙活動が繰り広げられています。
◆第2位:行徳神輿ミュージアム&市川市行徳ふれあい伝承館
行徳神輿の製造過程や歴史を伝える展示施設を2つ紹介します。
どちらも2018年オープンと真新しくかつ無料。気軽に立ち寄れますね。
行徳神輿ミュージアム
行徳で唯一現存する中台製作所が開設しているギャラリー。
行徳神輿の製造について無料で学べます。
豪華絢爛な装飾と超絶技巧に圧巻されること必至。
市川市行徳ふれあい伝承館
2007年に廃業した浅子神輿店の建物をギャラリーとして再利用し、浅子神輿店や行徳の祭りについての展示が行われています。
お向かいの休憩所で軽食利用も可。
◆第3位:野鳥の楽園
首都高速湾岸線隣接とは思えない自然豊かな野鳥の楽園行徳鳥獣保護区。
閉館した行徳野鳥観察舎を引き継ぎ2020年に開館したあいねすとは、野鳥観察のできる憩いの場です。
隣には野鳥病院もあり、週末には通常立入禁止の保護区内で自然観察会が催されるなど、野鳥保護や自然に親しむ活動が盛ん。
早春には菜の花と河津桜が同時に咲く景色が見られます。
◆第4位:多国籍共生タウン
在住者の国籍が100ヶ国以上ともいわれる多国籍タウン行徳。
千葉県内では数少ないモスクも存在し、外国籍の子供たちのために日本語指導教室を設けている学校もあります。
2010年代中頃まではタイ料理店が多かったのですが、ここ数年はインドや周辺国の料理店が隆盛。ガチ中華の店も増えつつあります。
ビリヤニ店やハラールショップのはしごができる、エスニック好きにとって魅力的なエリアです。
◆第5位:江戸川河川敷
昭和初期の江戸川放水路建設により生まれた河川敷は自然の宝庫。
干潟には行徳鳥獣保護区とともに北限とされるトビハゼが生息し、行徳可動堰上流には絶滅種のヒヌマイトトンボが分布しています。
ハゼ釣りの名所でもあり遊船店も立地していますが、最近は密漁者による牡蠣の乱獲と牡蠣殻放置が社会問題化。
BBQや水遊び、河津桜のお花見が楽しめる身近なレジャースポットです。
◆第6位:個性派ラーメン激戦区
行徳は千葉県内有数のラーメン激戦区。
とくに行徳バイパスは新旧さまざまなラーメン店が集積したいわばラーメン街道というべき存在。
ご当地ラーメンがない代わりに、各店が趣向を凝らした個性派ラーメンを食べ比べてお気に入りの一杯を発掘するのが行徳スタイル。
お店によっては期間限定ラーメンもあるから目が離せません。
弊ブログにて行徳・妙典ラーメンマップなるまとめを掲載していますので、ラーメン店巡りのご参考に。
行徳の数あるラーメン店からいくつか抜粋して一言紹介。
らあめん葫 魚介豚骨系の人気店
小むろ あっさり醤油ラーメンの行列店
鷹の爪 クセになる激辛ラーメン
バリバリジョニー 期間限定ラーメンが人気
どさん子娘 時々Twitterバズるデカ盛り焼豚
◆第7位:行徳千軒寺百軒
第1位で述べたように、江戸時代の行徳は製塩業の繁栄とともに「行徳千軒寺百軒」と謳われるほど多くの寺社が建立されました。
その中でも最も大きな徳願寺は徳川家康ゆかりの寺院。
円山応挙の幽霊画(あまり知られてませんが勝川春草の幽霊画も)や宮本武蔵が描いた書画などの寺宝を保有しています。
また権現道とよばれる約1kmの細道沿いにも寺院が集積し、そのうちのひとつ本久寺は、SNS発信やガチャみくじ、定期行事でのキッチンカー招致といった現代的な活動を展開している寺院です。
神社についても旧市街の町会ごとに設けられ、各神社の例大祭では3~4年に一度の本祭りにて神輿渡御が行われ、「もみ」という行徳独自の担ぎ方を見ることができます。
またコロナ禍で神輿渡御が難しくなったのを機に、行徳神社めぐりというスマホスタンプラリーイベントも生まれました。
◆第8位:行徳のシンボル常夜灯
旧江戸川沿いにある常夜灯は、1812(文化9)年に成田参詣の航路安全を祈願して建てられたもの。
2009年に常夜灯公園として整備され、売店や東屋などが設けられました。
市川市行徳ふれあい伝承館のすぐそばにあるので、あわせて散策するのがおすすめ。
旧江戸川沿いランニングの途中休憩にも便利なスポットです。
◆第9位:宮内庁新浜鴨場
2か所ある宮内庁鴨場のうちのひとつが行徳鳥獣保護区に隣接する宮内庁新浜(しんはま)鴨場。
令和の天皇陛下が皇太子時代プロポーズした地として有名です。
野生の鴨を無傷で捕獲する技法が皇室に伝承され、来賓接待の際はこの技法を用いて来賓が捕獲するそうです。
たまに一般向けの見学会が催されることがあり、高倍率ですが希少な機会ですので応募して損はないと思います。
◆第10位:行徳街道と権現道
東西線開業前の行徳は行徳街道沿いに集落が形成され、現在の街並みとはかけ離れたものでした。
江戸時代の塩運搬水路整備により行徳船が開通すると、やがて成田詣に行く人々が行徳で船を降り陸路を進むようになり、そのルートとして行徳街道が整備されました。
途中3か所で鍵の手に曲がっているのは、徳川幕府が戦の防御としてあえてこのようにした名残です。
行徳街道沿いには源頼朝伝説をもつ笹屋うどん跡や国登録有形文化財の加藤家住宅、行徳製塩の繁栄を示す田中邸といった古い建造物が残されています(内部見学不可)。
また行徳街道と並行する形で権現道とよばれる細道が現存しています。
徳川家康が鷹狩りに向かう道として整備されたと伝えられていますが、真偽のほどは不明です。
第11位~第20位
続いて第11位から第20位。
下位2つがマニアック気味ですがご了承を。
◆第11位:行徳文化ホールI&I
行徳文化ホールI&Iは639席のホールと180人収容の大会議室を備えた施設。
中学校・保育園・ケアハウスとの複合施設として2004年オープン。
建設に際し中学校・ホール・保育所、高齢者福祉施設の2つのPFI事業が同時進行で推進された全国初の事例でした。
2024年2月~2025年9月リニューアル工事のため休館予定。
◆第12位:行徳海苔
第一次産業とは無縁のように思える現在の行徳地区ですが、三番瀬の豊かな自然の恵みを利用した海苔生産が行われています。
行徳海苔は生産量が少なく高品質で希少価値の高い幻の海苔。
年末の新海苔シーズンになると、地元の産直イベントなどで生海苔を手に入れることが可能です。
南行徳駅前にある加藤海苔店の行徳海苔はずばり「やっぱり行徳でしょ!」。
◆第13位:オアシス妙典と寺町妙典の街並み
第10位で紹介した行徳街道と同じく、妙典にも寺社や木造家屋が見られる街並みが存在します。
徳願寺周辺は行徳地区で最も寺院が集積する一画。
徳願寺前の通りは寺町通りとよばれ、無電柱化されすっきりと落ち着いた街並みをみせています。
また行徳バイパスと東西線の間に位置する妙典1・3丁目にも趣きのある木造家屋が点在。
古民家を再生したレンタルスペースのオアシス妙典では、時折催されるイベントにてキッチンカーが出店し新たな賑わいをもたらしています。
◆第14位:行徳駅前公園のミニSL
春はお花見、夏はプール、秋には行徳まつり会場として地元民に親しまれている行徳駅前公園。
特筆すべきは月1回実施されるミニSLの月1回の運転会。
線路幅5インチ(127mm)の大型鉄道模型に、老若男女問わず無料で乗車できる貴重な機会です。
市川蒸気鉄道クラブの方々により半世紀近くもの間続けられている運転会。
コロナ禍により中断していましたが、昨年秋より復活しました。
本格的な転車台に集結し蒸気をたてるライブスチームの臨場感は必見です。
◆第15位:イオンと無印良品
イオン市川妙典店は、シネコン併設の妙典を代表する商業施設です。
妙典駅開業前年の1999年にオープンした市川妙典サティが前身。
このところリニューアルに本腰入れていて、2021年のスタバに続き2022年秋には無印良品が出店。
千葉県最大級を謳う無印良品イオン市川妙典では地域密着を重視し(詳しくは無印について書いた記事をご参照ください)、店舗サイトやイベント等で地元業者とのコラボに熱心です。
◆第16位:ソコラ南行徳
ダイエー南行徳店・イオン南行徳店を前身に、専門店街SCとして2021年秋にオープンしたソコラ南行徳。
約60の専門店は子供向けアミューズメント施設のニンジャ☆パークや千葉県初出店のショップなど、近隣商業施設にないラインナップ。
ダイエー南行徳店時代に1号店として発祥したGUが南行徳に再出店しました。おかえりGU。
◆第17位:行徳の名店でお買い物
菓匠 京山
和菓子界の重鎮が手掛ける老舗和菓子店。妙典と行徳に店舗あり。
地元色豊かな「鴨場の月」「塩どらやき」は進物としてもおすすめです。
ブーランジェリー デュデスタン
パンコンクール世界一のパン職人が行徳妙典間の東西線高架沿いに開いたパン屋。
丁寧に作られたパンはひとつひとつが繊細な美味しさです。
原田屋酒店・リカージャック富浜店
行徳の原田屋酒店は日本酒・焼酎・ワインの品揃えが良い酒屋さん。
いまや一般化した酒の量り売りはこの店がパイオニア。
妙典にある支店のリカージャック富浜店では最近クラフトビール重点展開中。
角打ちスペースで軽く呑むこともできます。
◆第18位:地元民が並んでも買う行列店
行徳の行列テイクアウト店で思い浮かんだ3店。
昔から並ぶ店として知られていた富士見屋と広喜屋に加え、昨年からはOH MY DELIも行列店に仲間入り。
時間と心に余裕を持って行列に挑んでください。
だんごの富士見屋 一年中行列絶えない季節の和菓子と団子とご飯もの
肉の広喜屋 年末は数時間待ち⁈種類豊富な行徳駅近の精肉店
OH MY DELI 開店2時間で売り切れるマフィンとセレクトパンの自宅ショップ
◆第19位:バイパス沿いの中古車販売店
行徳バイパスと南行徳駅前通りが交わる交差点を中心に中古車販売店が集結する南行徳。
いくつかの業者が出店する中で、サンキョウ各店にそびえる椰子の木のオブジェが個人的には気になるところ。
夜間ライトアップされた椰子の木が南行徳ロードサイドを象徴する独特な景観を構成しています。
◆第20位:県境未定地
河原番外地と呼称される新旧江戸川の分岐点は、東京都との間で境界が定められていない県境未定地。
江戸川放水路の建設により、東京都と千葉県の間でそれぞれ主張する県境に相違が生じ、いまだ決着していないのが原因です。
この地に建つ江戸川河川事務所・江戸川河口出張所の所在地は「江戸川区東篠崎」かつ市外局番も東京03。
河川敷の野球場は市川市が管理しています。
街は時代とともに変貌する
東西線開業により街並みが激変してからおよそ半世紀。
広大な塩田や蓮根畑に鉄道が通り街がつくられるとは、昭和中期までは誰も想像できなかったのではないでしょうか。
徳川家康の庇護下で繁栄した製塩のまちから東西線沿線のベッドタウンへの変貌、どちらにせよ江戸東京との密接なつながりがキーとなる地であることには間違いありません。
時代が変われば街の姿も変わるもの。
「神輿のまち行徳」のコンセプトは街の新旧をつなぐ架け橋なのだと思います。
都心から30分圏内の地味なベッドタウンながらも、実はとてもポテンシャル高い街。
この街にご縁ができた方々にさまざまなサプライズがあることを願い、筆を置きたいと思います。
そうだ、最後に一言。
もしアド街ック天国で取り上げてもらえるなら、ゲストは前田敦子さんはもちろんのこと、G.G佐藤氏と松丸亮吾くんでお願いします!(このお三方同じ小学校出身ですね)
猫界からのスペシャルゲストは行徳の有名看板猫ミケちゃんで!
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