起き上がれなくなって

 なんだか起き上がれなくなった。本当はアルバイトにも行かなければならないし、大学の授業にも行かなければならないけれども、どうしても体が重力に逆らうことをやめてしまう。そうなったのには自分で理解しているうちでは2つ理由がある。

 まず一つ目は、大学に行けなくなったとわかったこと。今までなんとなく騙し騙しやってきたが、ついに自分自身にバレてしまった。アルバイトをしながら大学に行き続けるにはとても無理があると。何時間も遅刻をして何度も煽りの連絡を入れられながら、出勤をして初めてでもないが気がついた。大学を辞めなければならないと知り、授業に行く意味を僕の中で失ってしまったのだ。

 二つ目は、失恋(?)である。先月長年片思いをしていた人と数年ぶりの再会して、彼女は東京で暮らすというから、これから一緒に会って、遊ぼうねなんて話をしていた。それが彼女が東京に来れなくなり、叶わないことがわかって、僕の中で何かが瓦解した。今でも彼女のことは好きだし、いつでも彼女が「会おう」なんて言ってくれれば、喜んで飛んでいくが、最近は連絡がめっきり途絶えてしまった。

 こうして僕の中で、ピンと張っていた糸がプチンとものの見事に切れ、一気に何もする気がなくなってしまった。アルバイトは電話で呼ばれるから、仕方なくいくが、そんなことをされない大学の授業にはどうしても体が向かない。このままフェードアウトしてしまっても良いと思ってしまっているくらいだ。

 なんの解決法も、これからの計画なんてものも無いけれども、とりあえず朝はアラームをかけて授業に出ようなんて気持ちをどうにか誘ってみるけれども、どうにも湧かないから、今日ももう一度3時間ほど寝て、本を読み進めて、おそらく少しだけどこかへ出掛けて、アルバイトに行くんだろうと思う。いるべき時間にいるべき場所にいないから、スマホは混乱して何度も何度もバナーで知らせてくるけれども、その声も、もう響かなくなってしまった。母には「燃え尽き症候群」と言われたけれども、きっとそうなのだろうし、別にそうではないと言われたらそうではないんだろうなくらいの感覚で、これまたどうでもいいやと思ってしまっている。

 来年は、一旦映画から身を離してみるかな、と思ったり、やっぱり離れられないでいるんだろうなと考えたり。とりあえず今日は今日やるべきことをやって、必要なときにこれからの身の振り方を考えようと思う。何か変わるかわからないけれども、別のあの人を食事にでも誘ってみようかな。

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