原動力は「悲観」ー。飲食業界の未来を切り拓く、イスラエルから来たエンジニア
今回は、この人!テーブルチェックが誇る“データの守護神”、イスラエル出身のオーマー!
2015年の入社時、初のプロジェクトはガラケー用ウェブサイトのUI見直しだったと話すオーマーは、テーブルチェックを初期から支える長老的存在。自分のことを「怠惰」で「悲観的」と笑うオーマーにインタビュー!
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ネットで見つけた日本の職、"Anime"が導いた新たな道
ー まずはじめに、プリンシパル・デベロッパーとしての仕事内容を教えてください。
POS連携など、外部システムとのAPI連携や統合を実装するために、さまざまな開発・保守を行っています。例えば、TableSoluitonは国内外23*のPOSシステムとの連携が可能ですが、POSシステムを通してTableSoluitonに蓄積される飲食データなどが、飲食店でのおもてなしや販促に活かされることによって、お店だけでなくエンドユーザーにもより良い価値を提供することが可能なります。(*2020年3月時点)
― 飲食店のデータ活用を推進しているんですね。
日本の飲食業界でも、システム導入の拡大が追い風となり、データ活用に注目が集まっています。入社当時は開発の初期段階だったPOS連携も、今ではTableSoluitonの代表的な機能の1つとなり、飲食店に多くのメリットを提供できていると思います。
ー 4年経って、会社も大きく変化を遂げているんですね。
入社時は、谷口さんやジョニーなど数名しかいなくて、エンジニアはジョニー1人だけでした。今では国内外117名*のメンバーがいるので、当時の約12倍!私自身、これまでのキャリアで一番の「大企業」ですね!(*2020年3月時点)
― テーブルチェックに入社する前はどこで働いていたんですか?
母国のイスラエルで働いていました。大学卒業後、イスラエルの大手インターネット関連会社に入社。ソフトウエアエンジニアとして、サムスンなどのウエブサイト開発を行っていました。その後、BtoCの中古品売買サービスを提供している会社に1人目のエンジニアとして入社し、エンジニアとしての経験を積みました。
― その後来日。そもそも、どういう経緯でこの会社を見つけたんですか?
ネット検索です!そもそも昔から、文化的に魅力のある日本で働きたいという想いがありました。あとは、面白い技術を持った会社に携わりたいとも思っていて、ネットでベスパー(テーブルチェックの旧社名)を見つけた時、ピンときました。実は、別の日本企業でも面接が進んでいたんですが、ジョニーが初回面接からたった数日で内定をくれたこともあり、入社を決めました。彼の知的で落ち着いた雰囲気も魅力でしたね。
― 日本語はどうやって勉強したの?
学校で教わったことはありません。同僚や友人との会話や、日本のアニメを通じて練習し、日本語検定3級に合格しました。仕事中も、日本語で話した方がいいかなと思った時は、日本語に切り替えて話すようにしています。
― 奥様も一緒に来日されたと聞きました。
妻は、私と同じくイスラエル出身なんですが、昔から一緒に日本に行こうと話していました。妻は、来日前に英語の教員免許を取りました。今はフリーランスで翻訳の仕事をしています。一緒にキャリアプランを形成できているのが、とても嬉しいです。
イスラエルにいた頃からの生粋のカメラ小僧(Tシャツの英語にご注目w)
美しい日本の風景もお気に入り。群馬県宝川温泉に訪れた時の1コマ📷
まだそこにない、新たな価値を生み出すエンジニアに
― 入社して最初のプロジェクトを覚えていますか?
確か…ガラケー版予約サイトにあるサポートフォームのUI改善だったはずです。時代を感じますね(笑)日本の就労ビザが下りるまでの5ヶ月間は、イスラエルから働いていました。時差はありますが、それが原因で苦労した覚えはありません。何しろ、当時は、日本で働いているジョニーがいつも遅くまで働いていたので…。イスラエルと日本の時差は約7時間あるはずなんですけどね(笑)
ー 2015年というと、まだまだサービスリリース初期ですよね。まだまだ手探りの部分もあり大変だったのでは?
思い出せないほど色々ありましたね!せっかくなので、その当時苦労したエピソードを2つお話しさせてください。
1つ目は、POSシステムとの連携開発の時の話です。今では、特にホテルクライアントにとって、重要なセールスポイントとなっている機能ですが、2016年までは存在しませんでした。ホテルクライアントを中心に「顧客データとのつなぎ込みがしたい」という依頼が立て続けにきたこともあり、本格的に連携開発に着手することになりました。
― 特に大変だったポイントは?
POSシステムごとに連携するための仕様が異なるのですが、一部のPOSシステムで、プログラミング言語の対応がとても難しかったんです。頻繁に使われるプログラミング言語は、オンラインに"フォーラム"と呼ばれる「情報交換の場」があって、色々な知見が共有されているのですが、とある言語に関してはそれが存在しなかったんです。代わりにあったのが、なんと3,000ページものぶ厚い説明書…。他に方法もないし、意を決して1から読み進めました。他の業務も並行しながらだったので、約1ヶ月かかりました。今思い出しても相当ハードだったけれど、今では1,000店以上の飲食店にご利用いただく機能に成長しました。
― 今やTableCheckを代表する機能となっている「POS連携」にそんな誕生秘話があったなんて…!さっそく、2つ目についても聞かせてください。
少し専門的になりますが、2つ目は「エラスティック・サーチ」と呼ばれる、検索エンジン向け技術の習得です。今では様々なサービスに使われていますが、学び始めた当時はまだ新しい技術でした。エラスティック・サーチの長所は、一般的なデータベースの検索と比べて高速で詳細検索ができること。ただ、とても細かくコマンドを入力しないといけないのが、大変なポイントでした。
― TableCheckではどんな風に役立っているんですか?
例えば、来店客の行動を詳しく分析するのに活用されています。「先週来店して、魚料理を注文した、ジョンという名前の、お客様」のように、検索条件を細かく指定することができます。現在では、エンドユーザー向け予約サイト「TableCheck」でも使われていますよ。
データ分析ツール「Insight」(’20 3/2提供開始)の開発にも携わっている
原動力は「悲観」!?
― 3,000ページのエピソードと言い、とても勤勉な印象を受けました。
とんでもない!私自身は、怠慢なエンジニアですよ。でも怠慢だからこそ、完璧さを追求し過ぎず、アジャイルな進め方ができます。誰でも、全身全霊120%の力で取り組んで、あとからすべて台無しになってしまったら落ち込みますよね。
ー アジャイル型開発は、最近日本でも注目されていますね。
とは言え、エンジニアの中には完璧主義者も多いですよ。一点の曇りも無いコードを書こうと一生懸命になることも大切かもしれませんが、「スピード」も大事。とはいえ、1人で両方を兼ね備えるのは難しいので、チームとして、両方のタイプを置くことがコツではないでしょうか。
― そんなオーマーの原動力はなんですか?
私の背中を押してくれるのは…実は、「悲観」なんです。人生においても、仕事においても、私は悲観主義者だと思っています。正直、プロダクトを全員のニーズにフィットさせるのは無理だと思っているんです。でも、そうして開き直っているからこそ、どんな依頼や要望がきても期待し過ぎずにいられます。自分が開発を担当した機能をまったく使わなくても、上手く回るお店だってあるのを知っているからです。
ー 悲観的になれるからこそ、より現実的な視点で開発に向き合える、ということですね。
開発は、世の中にまだ存在しない新たな価値を生み出す仕事でもあるので、お客様からの要望は驚くほどボンヤリとしていることもー。でも、それを生かすも殺すもエンジニア次第。曖昧なアイデアを前に、頭を捻るのも楽しいんです。それらに命を吹き込む行為こそ、開発者の醍醐味です。
X JAPANを愛する、大のロック・メタルファン(前列真ん中)
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オーマーのプロフィール
お気に入りのレストラン🍴
オーマー手作りのHummus(フムス)。ひよこ豆を潰し切らないのが伝統的な作り方とのこと
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【利用満足度No.1】飲食店・レストランの予約顧客管理システムなら「TableCheck / テーブルチェック」
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