本|きらきらひかる
こんにちは。七村ふみです。
江國香織さんの本をはじめて手に取ったのはつい昨年のこと。
それが「きらきらひかる」でした。
実は長年、江國香織さんの本を読むのを避けていました。
文章のうまい女性作家さんの描く女性の生活の生々しさみたいなものが、苦手で。
江國さんの本からはそんな空気が感じられるような気がしたのです。
読んだわけでもないのに。
そうして非常に遅い江國香織デビューを果たした私ですが、その一番目に読んだ「きらきらひかる」に一撃でやられてしまったというわけです。
それはもう、あまりの衝撃でした。
絵画みたいな文章というのが、読んだ印象です。
センスがあってずっと眺めていたいような文。目次も素敵。
それに登場人物が魅力的!
睦月と笑子と紺くん。普通の生活がすこしだけ困難な3人が、しあわせにのんびりと暮らす。それを見ているだけで満ち足りた気分になれるようでした。
その後江國さんの他の作品も読んでみているのですが、やはり「文章のうまい女性作家さんの描く女性の生活の生々しさみたいなもの」があるものもあって(それを読まずして察知していた昔の私はすごいかもと思いました)、いまは以前よりもそういうものに抵抗感がないのでそれはそれとして興味深く読んではいるのですが、いまのところ「きらきらひかる」が断トツという結論です。
もっと早く出会いたかったような、でもいまだからこそすきになれたような、そんなふうに思っています。