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2023夏に読んだ本5選

こんにちは。七村です。

暑さもすこし和らいできましたね。私はぼちぼち読書をして過ごしています。
さて今年の夏に読んだ本のなかから特に良かったものを5つ選びました。今年っぽさは1ミリもないラインナップになってしまいましたが、よければご覧になってみてください。

1.燃えよ剣

何年か(何十年か?)に一度の周期で新選組に想いを馳せる期間がやってくるタイプの人間です。
そうしてなにかの媒体で新選組のはじまりから終わりまでを一通り見て「なんてあっけなく、勇んで破滅に向かうのか」と再確認するところまでがワンセットです。
今回十数年ぶりにその周期が訪れたようで「燃えよ剣」を手に取ってみました。
司馬遼太郎さんの本を読むのは実ははじめてでした。さすが、面白い…! いやもう、すっごく面白い。
私は沖田総司が好きなのですが、イケメンで童心のある沖田総司像の原点はここなのでしょうね。大儀とかなにが正しいかとか関係なく自分の剣技とまわりの人を信じて生きる沖田さんが、やっぱり私は好きだなぁと思いました。
とても面白かったので実写も見たくなったのですがすごく古いこちらのドラマが各キャラの再現度など良かったと思いました。昔懐かしの時代劇の雰囲気が満載でした。

2.鹿の王

すこし前にアニメ化もされていたこちら。気になっていたのでようやく読みました。
事前にはどんな内容か全然知らずに読んだのですが、これってコロナよりも前に出ている作品なんですよね。でも驚くほどいま考えさせられる内容。
たとえば感染症という問題は、人類が長い年月をかけて戦い続けている問題なのだけど、多くの人はコロナのような大流行がないと普段は意識しないことなのだと思います。でもそういう、世界に潜むいろんな問題に着眼して筆をとることできるのが作家さんの凄さなのかと思いました。
上橋菜穂子さんもはじめて読む作家さんでした。読みやすいですが、地に足の着いた重厚なファンタジーでとても良かったです。「精霊の守り人」や「香君」など他の作品も気になっているので少しずつ読んでいきたいなぁと思っています。

3.魔性の子

こちらは高校生のころに一度読んだのですが、また読みたくなり、新潮文庫の夏のフェアで見かけたのを機に買いました。「十二国記0」となっているのでネタバレにはならないかと思うのですが、あの十二国記シリーズの1冊ですね。
たしかはじめに読んだとき、十二国記のなかの話だとは思わずに読んだんです。だからものすごく予想を超える展開で衝撃を受けた記憶があります。そのせいもあってか十二国記シリーズで一番印象に残っている作品です。
今回あらためて読んで、こんなに文章が良かったのか、こんなに残虐だったのか、こんなにスケールの大きい話だったのか、と再読にもかかわらず再び衝撃を受けました。なにより高里くんが、とても良い。
小野不由美さんのホラーは文章は綺麗なのにしっかり怖くて好きです。魔性の子はホラーファンタジーの最高峰なのでは、と思っています。

4.迷路館の殺人

小野不由美さんを読んだら旦那さんのも読みたくなった。ということで今度は綾辻先生を手に取る。
館シリーズは「十角館の殺人」「水車館の殺人」「時計館の殺人」を既読済です。「十角館の殺人」がとにかく面白すぎてこれ以上のミステリーあるか!?と衝撃を受けたのが昨年のこと。それ以来少しずつ読んでいて今回が4作目。で、館シリーズを一通り読んだことがある方はお気づきかと思いますが、完全に読む順番を間違えました。なぜ「時計館の殺人」を先に読んでしまったんだーーーと読み始めてすぐに青ざめました。
だって「迷路館」ってあまりにも「殺人のトリックのために作りました!」という感じがして手が伸びなかったんですよ。色物過ぎるというか。
でもですね、読んだら面白すぎました! 読む順番とか色物すぎる建物とか全部吹き飛んじゃいました。「ここが良い!」という点を語るとネタバレになるので言えませんが、畳みかけるなぞ解きが圧巻です…!

5.長い冬

最後は一転、他と毛色が異なるこちら。夏に冬の本を読む。こちらも再読です。たしか前に読んだのは中学生のころじゃなかったかな…?
ローラ・インガルス・ワイルダーさんの自伝的小説で、シリーズのなかでは「大草原の小さな家」が一番有名かと思います。「長い冬」は「大草原の小さな家」よりも主人公ローラが成長した物語で、タイトルの通りほとんど冬の話です。私これ大好きなんですよ。
なにかすごい事件が起きるとかすごく感動するとか、そういうものはなく、ただローラたち一家が長く厳しい冬をどうにか工夫して過ごすという話です。
母さんが少ない食料で美味しい料理を作ったり、父さんが工夫して仕事をしたり、ローラたち子どもが家の仕事をしながら楽しみを見つけていく様子がとても読んでいてわくわくするんですよね。「生活や暮らしそのものに楽しさを見出していた時代」が、なんだか幸せに見えるのかもしれません。
谷口由美子さんの訳がとても読みやすくて素晴らしいです。


以上、2023夏の5選でした。では!


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