離職したい奴は離職すればいいだけだと思います。
今日は長野県社会福祉協議会さま主催の研修会で講演させていただきました。講演後にパネルディスカッションに参加させていただき、いくつか参加者の皆さんから質問をいただいたので、そのやり取りを思い出しながら下記のように記しました。何かのヒントになるようなら是非読んでみてください!
Q1:介護福祉士の養成校に入学する高校生が減っている。医療系は多いけど介護を選択する人を増やすにはどうしたらいいか?
A:高校生が介護に興味を持たないのはごく自然なことだと思います。だって、小さい頃から風邪をひいたり怪我をすれば病院に行き医者や看護師のお世話になる。つまり、出会ったことがありますよね?それに比べて、介護福祉士って小学校〜中学校〜高校〜大学〜社会人になってもなお出会ったことがない人が多いです。自分の日常の中にはいない種類の人間なんですよね。だからまずは出会わせてあげることからがスタートだと思うのですが、職場見学ツアーとかだけでなく、その前に介護現場職員と学生が交流できる時間を設けた方がいいですよね。場所は職場の外で。介護福祉士の〇〇さんである前に一人の人間なので、人間と人間として話をしてある程度互いに理解しあってからその人の仕事ぶりを見るのと見ないのとでは全然印象も違うし、気になったとことかに対して質問とかをしてくれる可能性もはるかに変わってきます。ちなみに、そういう交流の場に介護福祉士の上司や高校生の先生とかは、いちゃダメ。仕事の良し悪しを語るときや就職や進学に向けた本当の想いって上司とか親がいると話しづらいことが多いですからね。
Q2:介護職員の離職防止するためにはどうしたらいいでしょうか?
A:まず、飲みが足らないっしょ!飲み会!もっとチームで飲んだほうがいいですよね〜。介護とか福祉の仕事って孤独に始まり孤独に終わることが多いじゃないですか、チーム感を感じられないと結構折れやすいと思います。ちなみに、僕の個人的な考えとしては、「やめたい人はやめればいい。やりたい人はやればいい」という風に考えています。なので離職したい奴は離職すればいいだけだと思います。最初の3年くらいは我慢して歯を食いしばってくださいって感じだけど、それ以降続けていても微妙だなとかやりたくないなって思うのならやめればいいと思いますよ。仕事をするために生きているわけではないし、やりたくないことをやり続けることほどの時間の無駄はないと思います。逆に、部下とかには「いつ辞めるか」という卒業のタイミングを面談とかで話してもいいかもしれませんね。いつ辞めるかっていうのはいつ次のステップに進むかということだと思いますので、ある種目標設定にもなると思っています。介護現場ってキャリアパスがない、または見えづらいことが多いじゃないですか?主任とかユニットリーダーとかその辺くらいまでしかイメージができない職場だと、その手前くらいになって辞めちゃうのは自然なことだと思います。
Q3:介護を目指す人が減っている理由ってなんでしょうか?仕事のイメージ?給料?
A:うーん、わかんないっす。僕も介護職目指したことないので。けどまー、もし給料のせいにするのであればすごく単純な話でその人は雇わない方がいいと思います。本気で金を稼ぎたいと思っているやつならば介護の仕事しつつどっか他でバイトするとか自分でなんとかしようと動いているはず。「給料安いんだよねーやってらんねーよー」って言ってるだけの人は放っておいたらいいと思いますよ。ただ、介護の給料が安くても、「あと〇万円必要なのです」とはっきり意思表示してくる人に対してはサポートすべきだと思います。例えば子供が生まれるので、毎月あと5万円必要なんですっていう人がいる時には、介護の給料以外で出せる仕事を一緒に考え出すとか。例えば企業内ベンチャーみたいな形で少しだけサポートしながら新たな自費サービスなどを開発させて、売り上げのマージンを渡すとか、あとは一般企業への講師派遣とかいいと思います。今、介護離職(親の介護をするために仕事を辞める人)が増えていますから、企業にとっても課題が山積みなのです。その課題をプロの介護福祉士が講師やコンサルとして入って課題解決をしていける仕組みを作るとか。よく企業内に心理カウンセラーがいたりすると思うのですが、そんなノリで企業に1日派遣するとか2時間くらいの講演をさせるとかでもいいと思います。ある程度の企業であれば講演費で5万円出すところは結構ありますので、その講演費を本人の給料にしてあげればいいのです。
Q4:高校生や大学生の親の世代へのアプローチ(福祉の魅力発信)ってどこまで必要ですかね?
まず、基本的に親にもちゃんと話せるような内容が必要だと思います。もし僕の子供が就職先を選ぶタイミングになったとしたら、もちろん自由には選ばせますけれど、全く何にもわからないような仕事に就かせるのはとても不安なので、内容を多少は知りたいですよね。その内容を説明する時に、おそらく大事なのってリアルなイメージというか、その仕事をすることで本人がどう変わるのか?とか何が得られるのか?という部分だと思っていて、僕はいつも親御さんには「介護とか福祉の仕事していると、いざ家族に何かあった時に対処できるんですよ」と話しています。僕も約5年の高齢者介護と障がい者支援の仕事経験が今、家族旅行とかで活きています。介護施設に入っているうちのおばあちゃんを旅行に連れて行く時に、車の車高とばあちゃんの足の状態などを見極めて、踏み台を用意したりドアのどこの部分を持って、どこに力を入れて僕が身体のどこの部位をサポートして車に乗せてあげればいいかということが一瞬にしてわかりますので、それを実行すると、やはり家族は「さすが経験者!」というような形で僕を褒めてくれます。それって実際に僕が経験者であるか否かによって家族旅行をし続けられるかどうかや婆ちゃん自身の安全面にも関わるし、僕は婆ちゃんのサポーターでいられることに誇りを持っています。「あんたと一緒なら旅行も安心だわ」とか言われちゃうと家族の中での自分の存在意義を確認できて、本当に嬉しいです。そういったことって実は日常の中に散りばめられていて、介護や福祉の経験が活きることって沢山沢山あります。だから、「最終的にご家族の皆さんが助かりますよ!」と親御さんには説明しています。それから、やっぱり親御さんが自分ごととして捉えてもらうためのワークショップなどのイベントを実施したほうがいいと思うんですよね。親子参加で、親向けと子供向けのグループワークなどをやってみたり。いろいろできると思います。
こんな感じのやり取りをしました。
最後に、主催の社協さんのスタッフさんが素敵な言葉を言っていたので引用します。
<医療福祉って「無関心」でいられても「無関係」ではいられないんですよね。>
その方が考えた言葉ではないとおっしゃっていましたが、いい言葉だなーって思ったのでここに書きました。
ではでは。シェア大歓迎!!
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