太陽光だけでなく、室内の明かりも受光し発電するガラスで、都民に新たな価値を提供(第24回優勝社 inQs株式会社)【1月度協働の取組②】
inQSと東京都立産業技術研究センターがキックオフミーティング
「電力のHTT(「H」減らす・「T」創る・「T」蓄める)の推進」をテーマとして、第24回(「T」創る)で優勝したinQs(インクス)株式会社は、地方独立行政法人東京都立産業技術研究センターとの間で、キックオフミーティングを開催しました。
同センターは中小企業への技術支援機関で、臨海副都心に拠点を構えています。建物は5階建てで自然光がふんだんに差し込むように大きな開口部を確保しているほか、外面には熱処理した多摩産のスギ材がふんだんに活用されるなど、特徴的な形状をしています。
2枚の板ガラスの間に透明な発電層を組み込む
inQsは、2枚の板ガラスの向かい合った内側に透明な発電層を組み込み、太陽光だけでなく生活時に発生する明かりも受光し発電するガラス「SQPV」を提供しています。建物の景観を壊すことなく設置することが可能で、既存の建物にも簡単に対応できます。1平方㍍当たりの発電量は1㍗で、共用部の開口部に30平方㍍分のSQPVを敷設したとしたら、30㍗の蛍光灯1本分のエネルギーをまかなうことになります。inQsが目標としているのは、電気を使いたい場所で作って使うという地産地消型エネルギーの創出。このため、東西南北に分散する形で設置することを希望しています。このためミーティングでは、どういった場所に敷設すれば安全性に配慮しながら効果を発揮できるのか、館内を見て回り確認しました。
外から大量の太陽光が差し込む中庭に面したエリアなどが候補に
候補の一つが、5階の中庭に面したエリアです。安全性を確保しやすいのに加え、外から大量の太陽光が差し込んでくるからです。また、SQPVを活用したパーティションを導入しても面白いのでは、といったさまざまなアイデアがわいてきました。inQsの伊藤朋子代表取締役社長は「都民に新しい価値を提供できるように、デジタルサイネージなどの開発を検討していきたい」とプロジェクトの成功に強い意欲を示していました。