CO2排出量の見える化で自家用車の代わりにバス利用を促し、ゼロエミッションに貢献(第18回優勝社 SWAT Mobility Japan株式会社)
SWAT Mobility Japan(東京都中央区)との連携
東京都は、2050年にCO2排出量を実質ゼロにする「ゼロエミッション東京」を目指しています。実現に向けた重要施策の一つが、自家用車の利用抑制。公共バスへのシフトが進めばCO2排出量の削減につながります。このため東京都は、シンガポールに本社を置くスタートアップ企業の日本法人、SWAT Mobility Japan(スワット モビリティ ジャパン、東京都中央区)株式会社と連携し、町田市で住民の公共バス利用を促すための協働事業に乗り出しました。
バスなどの最適ルートを算出するアルゴリズムを活用
SWAT Mobilityは、利用者の予約に応じて運行するオンデマンド交通システムや、物流配送の最適化システム事業などを世界7カ国で展開しています。システムを支えているのが最適なルートを計算するためのアルゴリズム。より少ない車両で、より多くの人を送迎できたり、モノを運べる特許技術です。
この技術を活用して北九州市と共同で、実証実験を行った実績があります。この実証実験では、市営バスの乗降データを収集し、時間帯による利用頻度などを分析、顧客の需要を踏まえた効率的なダイヤの改正につなげていくのが目的で、その過程において、路線バスに乗っている人が自家用車に乗り換えた場合、どの程度のCO2を排出するのか、といったことが可視化されるようになりました。
自家用車と公共バス利用時のCO2排出量をそれぞれ可視化
2020年1月に開催された、東京都のピッチイベント「第18回 UPGRADE with TOKYO」のテーマは「自動車利用の抑制」。イベントに参加したSWAT Mobility Japanは北九州市での実績を踏まえ、自家用車と公共バス利用時のCO2排出量をそれぞれ可視化することが、環境面から公共バスの利用促進につながるとアピール。優勝を果たしました。
町田市のコミュニティバスで実証実験
今回、東京都は、環境都市を標榜している町田市において、2023年2月にかけて市内を走行するコミュニティバス「まちっこ」を対象に実証実験を実施。バス停ごとに何人が降りて乗ったのか、といったデータを自動的に収集、分析します。これによって路線バスと自家用車を利用した場合に排出されるCO2量の差異を試算。バスを利用したほうがCO2排出量の削減に貢献することを訴求します。
住民の行動変容に向けては、町田市内にポスターを掲出したりデジタル広告を展開するなどの情報発信を行っていきます。