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【メディア】家庭連合の解散命令請求|政府「信教の自由違反せず」
米宗教顧問の反対意見に答弁
トランプ米大統領の宗教顧問ポーラ・ホワイト氏が、米国務省報告書などを根拠に日本政府の世界平和統一家庭連合(家庭連合、旧統一教会)に対する解散命令請求に反対を表明していることなどに関する政府答弁書がこのほど公開された。浜田聡参院議員(NHK党)が7日に提出した質問主意書に答えたもの。
昨年12月、日本で行われた国際宗教自由連合(ICRF)日本委員会の講演会にホワイト氏はビデオメッセージを寄せ、宗教の自由に関する国連報告者が日本における宗教の自由侵害の可能性を調査するために訪日する意向を政府に公式に要請したが却下されたと発言した。
これについて浜田氏は質問主意書で国連報告者の調査を受け入れるか政府に質問したが、答弁書は「ビデオメッセージがあったことは承知している」とだけ答え、政府の対応については言及を避けた。
また、浜田氏の米国務省信教の自由年次報告書に関する質問に対して答弁書は、「承知している」として上で、家庭連合に対する解散請求は、「信教の自由を保障する憲法第20条の規定に違反するものではない」と主張した。
昨年6月に公表された同報告書は、「在日米大使館は家庭連合とエホバの承認を巡る問題を注意深く監視し、国会議員、政府規制当局、教会の慣行の影響を受ける人々、協会の代表者らと連絡を取り合い、あらゆる場面で信教の自由を強調した」と伝えている。
宗教法人が解散になると職員である聖職者が失業し、礼拝施設をはじめとする資産を失うなど信者らが信仰をする場が失われる。同報告書によると家庭連合の公式発表で信者数56万人とされており、これらの人々への信教の自由を巡る影響は小さいとは言えない。
一方、家庭連合への解散請求を巡っては、東京地方裁判所に文科省側が証拠として提出した信者や元信者らの陳述書に捏造(ねつぞう)があったことが本紙の報道で明らかになっている。教団は19日、「文部科学省による虚偽証拠捏造行為」と題する代理人弁護士の報告書を公表。その中で、「自分が書いたものではない」という告発や教団に在籍記録がない人物が含まれていることなどを指摘している。
この問題について、阿部俊子文科相は21日の記者会見で「解散命令請求は適切に行った」と述べたが、陳述書の正確性には言及しなかった。
(『世界日報』2025年2月27日付より)
※同紙の許可を得て転載