【メディア】脅かされる信教の自由―安倍元首相暗殺2年の日本―(20)
信者への差別・人権侵害 偏向報道に傷つき自殺
「信者の人権を守る2世の会」代表の小嶌希晶さん(28)によると、世界平和統一家庭連合(家庭連合、旧統一教会)へのマスコミ報道が過熱して以降、2世の自殺が数件起きている。小嶌さんは「多くの2世たちが自分も知らず知らずのうちに傷ついている」と指摘する。
埼玉県在住の家庭連合信者、60代女性の大川さよ子さん(仮名)は一昨年、長女のめぐみさん(仮名、当時27)を自殺で亡くした。遺書は残されていなかったが、教団への過熱報道が原因だと大川さんは指摘する。「教会への批判が、親への悪口に聞こえてストレスだったのだろう。優しい性格で、傷つきやすい子だった」
大川さんは信者としての活動、体を悪くした両親の介護、親から受け継いだ書籍や文房具などの小売業の仕事など、忙しさから家族との細やかな時間を持つことが難しかったことを悔やむ。
中学生の時、めぐみさんはいじめなどが原因で、不登校を繰り返すようになり、心療内科を受診したところ、統合失調症と診断された。高卒資格を取得後、工場勤務や派遣社員など幾つかの職場で働いた。しかし、人間関係や仕事上のトラブルに直面し、2022年3月、障害者の枠で雇用されていた仕事を辞め、それ以降自宅に引きこもってしまった。
しかし、母親との仲は良好で、家族の中では「一番何でも話せる関係性」(さよ子さん)だった。しばしば一緒にカラオケへ行くこともあった。めぐみさんは教会員ではなかったが、誘えば教会のイベントやセミナーなどに参加しており、韓国の教団関連施設にも訪れていた。
https://www.worldtimes.co.jp/japan/20240815-184007/
(『世界日報』2024年8月15日付より)
※同紙の許可を得て転載