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【哲学】本質を見抜くために見かけにだまされないこと

ラクダと頭にターバンを巻いたインド人が貴方の目の前にいます。その男は丸太と藁をラクダの背中に乗せていってます。向かう目的地まではかなり遠いので出来るだけ沢山乗せたいようです。

丸太は全て10本乗せ切って、「よーし藁も乗せるぞ」と次に小さい小さい藁を1本乗せた瞬間にラクダは耐えれなくなって崩れ落ちてしまいました。農夫はこう言いました「なんと!この藁の方が丸太より重いのか!」

さて、この農夫の言っていることはあってるのか。ごく小さい藁が丸太よりも重いことなんてあるのか。

もちろんそんなことはありません。

「丸太が重くてもうそろそろ限界だ!」と言う次の瞬間にたまたま藁を乗せただけです。藁が重すぎることが原因でらくだが崩れたわけではありません。

でも農夫は

「今乗せたのは藁なのだから藁が丸太より重いことが原因に違いない!」

と勘違いしてしまったのです。

なぜこんな勘違いをしてしまったのでしょうか?それはこの農夫が本質を考えることを苦手としていたからです。

目の前で起こったことを、表面上の理解だけで物事を処理しようとしてしまったので、このような簡単な錯覚に陥ってしまったのです。

因果関係は思わぬ所に存在しているものです。例えばこんな話を具体例に挙げてみます。

あなたは社長です。最近腹立たしいのは、絶対にプリントをホッチキス止めしてこない秘書がいることです。何度注意しても彼はホッチキス止めをしてくることがありません。もし貴方が”農夫”なら彼は学習能力がないと決めつけてしまうでしょう。

でも実はホッチキスが社内で取り扱ってなくて、その理由は今年度から経費予算を削られて、備品の購入の優先度が厳しくチェックされることになり、ホッチキスが後回しになっていたからです。

そしてその予算削減は、売上が伸び悩んでいて支出を抑える為に社長である自分が経理に命令した施策なのです。それを分かっている部下は理不尽な環境でも何も言わずにいたのです。

なんと!無能だと思っていた部下の行動の原因は安直に予算削減を言い渡してしまった社長自身だったのです。

今回は分かりやすくする為にホッチキスにしたので「それくらいは買えるだろ」と思うかもしれませんが、現実はもっと色んな要素が複雑に絡んでいます。

そして知らず知らずのうちに、

本質ではない所に因果関係を見出し、とんでもない結論を見出す

人もいます。

環境学者の中には「地球温暖化の原因は中国だ」と話す人がいます。その根拠は大量の二酸化炭素を排出しているから、と言う根拠。

これは正しいでしょうか?それとも中国は人口が13憶とかなり大きいのだから、その結論はおかしい、一人当たりの排出量で計算しないと本質的ではないと考えるのが最もらしく感じます。

本質を見失っていることは結構あると思います。全くの上部だけの理解で、理不尽だと思い込んだり、周りが悪いと決めつけたり。

そんなことをしていると、人間関係も悪化するし、問題を解決できないし、よくないことが沢山起こってしまいます。なので常に本質がどこにあるか思考することが大切です。

「この原因はなんでかな?」と疑問をもつこと。導き出された答えに対して常に「本当にこれが本質かな?見落としている因果関係はないか?」と冷静に俯瞰して物事を分析してみることをお勧めします。

直感で決断を下すのは楽なことです。頭を使わなくていいから。でもそれが原因で藁を運ぶことは不可能だと思ってしまったり、部下をマネジメントできない事態に陥ります。

なぜ?と問いかけるのはなんでもいいです。

恋人はなぜ怒ってるのだろう?
なぜ自分はこんな性格なのだろう?
なぜお金と言う概念が生まれたんだろう?

些細なことでも、問題が発生した時でも一旦冷静になって物事を俯瞰して分析して、より解像度の高い捉え方が出来ると物事がたやすく分かるようになります。

本質的な物事の見方を体得すると劇的に人生の難易度は変わります。ぜひ今日から本質的な捉え方を身につけてみるのはいかがでしょうか?

―――FIN

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