【イベントレポート│前編】コンサルタントが選ぶ『医療AIスタートアップでの業界変革』のキャリア
2021年11月25日に実施されたオンラインインベント「コンサルタントが選ぶ『医療AIスタートアップでの業界変革』のキャリア」では、Ubieの新組織Ubie Pharma Innovationの立ち上げに携わる元コンサルタントのメンバー4名が登壇し、Ubieの事業と新組織UPCについて解説するとともに、それぞれのキャリアパスについてトークセッション形式で語りました。
本イベントレポートは、その一部内容を再編し、前・後編に分けてお届けします。前編は、UPCディレクターを務める岡アキラ(Akira)によるUbie Pharma Innovationの紹介についてまとめます。
UPCのミッション
Ubie Pharma Innovationは「製薬企業と共に業界を変革し治療機会を最大化する」をミッションに掲げた、製薬事業を牽引するUbieの新組織です。
Ubieが構想する医療プラットフォームにとって、製薬事業は“最後のピース”です。これまでUbieは患者さんを適切なタイミングで医療機関に導くソリューションを実装してきましたが、その先の治療機会を最大化するためには、治療のエキスパートである製薬企業の皆様とのコラボレーションが必要不可欠でした。
製薬企業の皆様が長年の研究を経て作り上げた薬を、その薬を必要とする医師や患者さんに届けることがUbie Pharma Innovationの使命です。一方で、製薬業界は規制産業かつクラシックな業界でもあり、業界全体を変革することは、そう簡単なことではありません。製薬企業と手を取り合い、力強いソリューションを社会実装していきたいという願いを、このミッションに込めました。
Ubie Pharma Innovationの組織概要
Ubie Pharma Innovationが設立されたのは、2021年10月のことです。メンバーは現在9名。全員がUbie DiscoveryとUbie Customer ScienceというUbieの既存組織から出向しています。したがって、Ubie Pharma Innovationのプロパー社員は現在0名です。
Ubie Pharma Innovation設立からまだ日が経っていませんが、製薬事業の構想や準備は2年ほど前から始まっていました。この2年間でさまざまな製薬企業との連携を試みた結果、直近1年での取引企業数は2.5倍、売上高は3.5倍と、製薬事業は大きな成長を遂げています。この成長に見合う人材を迎え入れるべく、現在 Ubie Pharma Innovationの専任メンバーを採用中です。
Ubie Pharma Innovationのバリュー・行動指針
「製薬企業と共に業界を変革し治療機会を最大化する」というミッションを達成するために、バリューと行動指針を定めました。もちろんこうしたUPCのカルチャーについては、今後入社してくださった方々と一緒に考えていきたいのですが、その最初のメンバーに対して望まれる姿勢や行動を伝えることを目的に、このバリュー・行動指針を掲げました。
行動指針の一つめは、「Patient First(ペイシェントファースト)」です。Ubie Pharma Innovationのお客様である製薬企業のミッションは、患者さんをより良い治療へ導くことですから、本質的な課題は患者さんを起点に考えるべきです。一方で、製薬企業だけでは実現することが難しい課題が山ほどあるのも事実です。こうした現状を踏まえ、Ubie Pharma Innovationは製薬企業からのニーズにとらわれ過ぎないように、その先の患者さんを見据えたペイシェントファーストを掲げて行動すべきだと考えています。Ubie Pharma Innovationのミッションは「治療機会を最大化させる」ことですから、最終的に患者さんにとって価値の高いことをしよう、ということです。
二つめは「Epoch Maker(エポックメーカー)」です。製薬業界はクラシックな業界で、イノベーションを興すときの障壁が比較的多い業界です。その難題を乗り越えてエポックメイキングなソリューションを拡げるためには、並々ならぬ情熱と戦略性、そして実行力が必要です。そして何より、製薬企業の皆様と手を取り合い、リーダーシップをもって変革の担い手となる姿勢をこの言葉が象徴しています。
そして三つめは「Giant Leap(ジャイアントリープ)」です。これはUbie Discoveryでも掲げているバリューで、小さな一歩ではなく非連続かつ飛躍的な成長を目指すことを表しています。少しずつ慎重に改善することも大切ですが、スタートアップですから、失敗を恐れず大きなジャンプアップを続けていくほうが望ましいです。
最後が、「Stay Healthy(ステイヘルシー)」です。これは組織としての理想を表した言葉です。Ubie及びUbie Pharma Innovationは人々を健康に導く会社ですから、自分たちの組織が健康でなければ信用性に欠けるでしょう。組織としての透明性と率直さを保ち、メンバーが互いに背中を預けあえる組織であり続けたい、という願いを込めています。
Ubie Pharma InnovationとUbie Discoveryの役割
機能を分化していくものの、Ubie Pharma Innovationは製薬企業からのニーズに真っ先に触れる組織です。したがって、引き続きR&D組織たるUbie Discoveryと今後も綿密な連携を取り、新進気鋭のソリューション開発の種を発見する役割も担っていきます。
今後の事業展開におけるUbie Pharma Innovationの位置づけ
Ubie Pharma Innovationは今後、二つの軸で事業展開を進めていきます。
一つはグローバル展開です。人種や地域特有の病などももちろんありますが、本質的に病気は国籍を問わず、同じメカニズムで発生するものです。したがってUbie Pharma Innovationが提供する治療機会を最大化するソリューションは、全世界で共通の価値を生み出します。例えば、喘息を治す薬が日本とアメリカそれぞれで流通しているならば、その薬を最適なタイミングで喘息に苦しむ患者さんに届けるためのソリューションは、日本でもアメリカでも求められるでしょう。このように人口面で規模を広げていくのが、事業展開の一軸です。
もう一つは、ペイシェントジャーニー(※)における発症・診療以降を鑑みた事業展開です。現在Ubie Pharma Innovationが提供するソリューションでは、初診・再診までの治療機会を最大化させるための行動変容の促進は可能ですが、その後の治療経過についてはフォローできません。例えば、薬を飲んでもなかなか症状が収まらない、難治性の疾患をもつ方に対して有効な別の薬を届けるためには、診療後の経過観察まで対応可能なソリューションを開発する必要があります。治療機会を最大化するためには、こうしたペイシェントジャーニー(※)を軸とした事業展開も進めていかなければなりません。
Ubie Pharma Innovationの組織拡大の展望
Ubie Pharma Innovationの組織展望を3つのフェーズに分けると、現在のフェーズは「UPI 1.0」にあたります。熱狂的イノベーターとしてUbie Pharma Innovationとコラボレーションしてくださる製薬企業とともに、先進的な事例を創出している段階です。また、このフェーズで並行して進められる組織デザインは、今後の組織力の鍵を握るミッションといえるでしょう。
「UPI 2.0」のフェーズでは、機能を拡充しながら、先ほど解説したグローバルとペイシェントジャーニーの両軸に対して事業展開していきます。このフェーズで組織ブランドを確立するとともに、現在よりも多様なケイパビリティを組織内に取り入れていくことになるでしょう。
そして「UPI 3.0」のフェーズでは大規模な運営を前提とした組織変革を行い、医療アウトカムの最大化を実現していきます。
UPI 1.0におけるキャリアパス
「UPI 1.0」のフェーズでは、能力密度を最大化し、ソリューションを社会実装する速度を速めることに重きを置いた組織設計にしています。現 Ubie Pharma Innovationのメンバーは、アカウントマネージャー、アカウントプリンシパル、そしてディレクターの3つの職位に分けられ、それぞれの段階ごとに意思決定の範囲が定められています。ただし、役職を問わずメンバー同士がフラットなディスカッションができることに変わりはありません。
アカウントマネージャーは目前のアカウントやプロジェクトの価値を最大化させ、アカウントプリンシパルは会社単位での戦略の妥当性について検討し、最終的な全体最適についてディレクターが責任を負うというふうに分担し、それぞれがプロとして事業成長を目指します。
Ubie Pharma Innovationの人材要件
最後に、組織作りの根幹として掲げるUbie Pharma Innovationの4つの人材要件について紹介します。
まず「Unlearn&Learn(学び続ける姿勢)」は、目の前で起こっているリアルを受け入れ、学習しようとする姿勢を表しています。これまで長いキャリアを積んできたとしても、だから自分が正しいと決めつけるのではなく、学びなおしていける人が望ましいです。
次の「GRIT(やりきる力)」は、揺るぎないビジョンと情熱をもって、中長期的に製薬企業の皆様と業界変革を目指す力を表しています。やりきるためには、計画性や戦略性といったスキルと、それを泥臭く実装していく根性のようなものの両方が必要です。
そして三つ目の「Faithful(誠実さ)」は、真に価値のある成果を生み出すこと、そして、仲間たちに対して誠実であることを指しています。ヘルスケアの基盤を支えていく、そしてエポックメイキングな仕事をする人材として、あるべき姿勢を象徴した言葉です。
最後の「Altruistic(利他主義)」は、組織として成果を出していく姿勢を表しています。俺がナンバーワンだ、俺が作ったソリューションだ、という意識で仕事に臨んでしまう人は、Ubie Pharma Innovationは合わないでしょう。自分のアイデアは言語化してすぐチームで共有し、組織全体で一緒に製薬業界を変えていこう、という姿勢で臨める人を求めています。
後編では、元コンサルタントのメンバーがキャリアについて語るトークセッ
ションの一部をお届けします。
Ubie Pharma Innovationについて興味を抱いた方は、お気軽に下記までお問い合わせください。
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