【冬の1コマ】ぼくとSNOW BOAD
2年前の冬
僕は広島県の最高峰
恐羅漢山の頂上にいた
そこは恐羅漢スノーパークの
リフト頂上駅から300mほど
ハイクして登ったところにある
僕がスノーボードをしたのは
この日が最後になった
広島県ではここ数年の雪不足で
僕がホームゲレンデとしていた
別のスキー場が廃業してしまったから
そこは僕がスノーボードを覚えた場所だった
そして子供達もそこでスキーを覚えた
そこはご家族で経営をされてるような
週末や休日しか営業しない小さなスキー場で
僕にとってはまるで実家のような場所だった
やって来るお客さんも家族同様だった
だからみんな荷物をロッカーに入れないで
食堂のテーブルの上に置きっぱなしで
雪を楽しみ、疲れたら戻ってきて休憩したり
談笑して楽しんだ
リフトも落下防止の手摺の無い
今では珍しいシングルリフト
ゲレンデも山の自然の地形を
そのまま生かして起伏に富んでいて
必ずしも初心者には優しくない
だけど何回すべっても飽きることは無い
楽しいスキー場だった
そんなスタッフもお客さんも家族のようで
ゲレンデも実家の山のような場所が
無くなってしまい
心に穴がぽっかり空いてしまったような
虚しさを感じてしまい
他のスキー場に行っても
何か物足りない
思えばあのスキー場があったから
毎年、雪山を楽しみにしていたんだなあ
だからせめて
最後は広島県の最高峰に登って
中国山地の雪山を目に焼き付けてから
僕はそっとスノーボードを置いた
広島県は中国地方で最もスキー場が多い県だが
最盛期は20件以上あったスキー場も
近年の雪不足により今は10件ほどになっており
深刻な状況が続いている