【詩】ガラスの鳥かご
僕の声が届かない。
分厚いガラスに囲まれて
叫んでも、叫んでも届かない。
どうしてガラスの箱に閉じ込めるのですか。
僕はガラスを割りました。
何がいけないんですか。
自由の翼をもがれたのです。
アイツを殴りました。
何がいけないんですか。
友が泣いていたんです。
大人たちに殴られました。
何をしたって言うんですか。
友と語らいあっていただけです。
みんなが僕を避けました。
何か悪いことしましたか。
僕はあなたに傷つけられた。
無理やり羽根をちぎられました。
これがあなたたちのやり方ですか。
恥ずかしくないんですか。
大人のくせに
僕が怖いんですか。
翼を返してください。
それが無いと飛べないのです。
僕の居場所が無いのです。
みんなと一緒にできないのです。
同じ色に染まりたくないのです。
ただそれだけなのに。
英・国・数は苦手です。
生物・美術は得意です。
それだけじゃだめですか。
いい大人にはなれないのですか。
あなたたちはいい大人なのですか。
自由の翼を返してほしかった。
ガラスの箱から飛んで逃げたかった。
ただそれだけだったのに。
僕はただ、この世界を自由に飛んでいきたい。
何にも捉われず
気の向くまま
雲が流れていくように
形を変えながら
千切れて
広がって
世界を飲み込むように。