魚柄仁之助の巣ごもりレシピ 第13回
おうちで巣ごもりごはん
〜第十三回 下ろしじゃが芋篇〜
これ、じゃが芋で作ったいももちです
この料理の特徴は、生のじゃが芋を摺り下ろして作るということです。
普通じゃが芋の料理と言えば・・・・
・茹でてつぶして・・・・
・皮をむいて、切って、焼いて・・・・
・皮をむいて、油で焼いたり揚げたり・・・・
・皮をむいて、コトコト煮込んで・・・・
だいたいこんなところではありませんか?
しかしかつては「摺り下ろして」という調理法がよく使われていたのです。
まず、皮のまま摺り下ろす
目の粗い下ろし金なら素早く下ろせます。
新じゃがと古くなったものとではいもに含まれる水分量が異なりますが、このようにある程度の水が出てきます。これではあまりにベタベタしますので、小麦粉を少量加えて、固まりやすくいたしましょ。
小麦粉を加えて丸めやすくする
小麦粉が水分を吸ってくれるから丸めやすくなる。
これを丸めて、丸餅のように平べったく延ばして油を敷いたフライパンで焼きます。
フライパンで油焼きにする
フライパンで裏表焼いたのがいわゆるいももちですが
北海道ではバター焼きにする家庭が多かったようです。
これは冷えると硬くなりがちですから、
焼きたてがおススメですね。
いももちの歴史
昭和30年代以前の料理本によく出てくるいももちは日本各地の郷土食でもありました。南九州では薩摩芋、本州では里芋や山芋、東北以北ではじゃが芋が主に使われており、飢饉の時などの救荒食物として食べられていました。特に北海道では明治時代に入植した人々が米の餅代わりに食べていました。当時の北海道で米が作れるのは道南地方だけでしたからじゃが芋を主食にしていたんですね。
じゃが芋蒲焼&じゃが芋お好み焼き
じゃがいも蒲焼
昭和以前の料理本によく出てくるのが「いもの蒲焼」でした。摺り下ろしたジャガイモ、薩摩芋、山芋などに、小麦粉を加えて練り、それを焼き海苔に塗り付けて油で揚げるか焼きます。下ろしたいもを塗った側をうなぎの身、焼海苔側をうなぎの皮、に見立てていたんですね。ま、蒲焼というよりはいそべ揚って感じですかネ
じゃが芋お好み焼き
先のじゃが芋蒲焼では焼き海苔に塗りましたが、
ここでは油を敷いたフライパンにジュッと流して焼きました。
お好み焼きですから、キャベツを入れても、
豚肉を入れてもいいのですが、
シンプルに天かす+干し海老だけにいたしました。
こういう鉄板で焼いたものを「ボッタ焼き」と呼びます。
今回はじゃが芋7割、小麦粉3割で作りました。
じゃが芋のかわりに蓮根、薩摩芋、くわいなどでも美味しくできます。
小麦粉だけで作るよりずっと軽~い感じに仕上がるのでお腹に溜まりません。
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じゃが芋を摺り下ろす…という調理法の良さはなんといっても時短料理であるということでしょう。
茹でる、煮る、揚げる、焼く…いずれにしても芋のような根菜類は時間がかかるというのが常識ですが、下ろしてから調理すればあっという間に熱が通ります。
また、芽が出てきた芋、部分的に傷みがかった芋でもその部分を切り取って下ろしてしまえば「ワカラン」のです。
「日持ちするから」と買い置きしたものの、使い切れずに芽が出てきた芋だって、
摺り下ろしてしまえば、あっという間に食べつくせるのです。
これも巣ごもりごはんの大切な技です。
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じゃがいも、こんな風に生ですりおろして使えるんですね!知りませんでした!
今回も、営業部のKさんがアレンジレシピをレポートしてくださいました。
〜「飛鳥新社営業体験談」第13回〜
例えば、5個入りのじゃがいもを買って3個はその日のうちポテトサラダに。残りの2個は保管するとしましょう。
私の場合、その残った2個は、気付いたら確実に芽がにょきにょき生えています…
しかも、慌てて使うにもレパートリーが少ないので、「美味しい料理」ではなく「使い切るための料理」にしてしまうのが現状…
慢性的にそんな悩みを抱えており、それをご相談したところ、今回は魚柄先生に「じゃがいもレシピ」のリクエストにお応え頂きました!ありがとうございます!
そんな我が家に残っていたかわいそうなじゃがいもがこちら。
もののけ姫の祟り神のような禍々しさがあります。
芽を取ったじゃがいもをすりおろし、小麦粉と片栗粉を加えて生地をつくりました。
今回はその記事にニラも一緒に混ぜ込み、ごま油で焼きます。
完成!
そう、韓国料理のチヂミです。
モチモチ感がほしかったので、小麦粉と併せて片栗粉も一緒に加えてみましたが、このアレンジは正解でした。
かなり汎用性があるので、みなさんもおすすめレシピを発見したら、是非教えてください!
チヂミもいいですね!香ばしい焼き上がりが美味しそうです。
今回はアレンジレシピが色々ありますので、是非みなさん試してみてください。
私は明日のおやつに、チーズインのいももちに挑戦してみようと思います。(編集部A)
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魚柄仁之助先生の台所リストラ術をもっと知りたい方は飛鳥新社のページを御覧ください。
お家時間、台所時間を楽しんで、体に良いステイホーム期間をおすごしください!
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