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マンガとわたし: 3億は用意できないけれど

「好きな女に“何も考えずに休め”って言えるくらいは、持っておきたいんだよね」

マンガ「ハチミツとクローバー」に出てくる、真山のセリフだ。社会人になったのに、学生時代のまま格安家賃のアパートに住み続けている彼に、後輩の竹本(学生)が理由を尋ねたのだ。

その答えが、「お金を貯めたい」で、お金を貯めたい理由が、「チャンスが訪れたときに飛び込むための資金」と、冒頭の「好きな人」のためだった。



鬱の人に億単位のお金を差し出すと、鬱が治るらしい。

なんてことを言われるほど、お金とメンタルは切っても切り離せない関係だ。お金があればすべてが解説するわけではないけれども、確かにお金で解決する物事は多いし、お金がない不安感が精神に与えるダメージは大きい。

生活費が心配になる状態では、いくら逃げたい状況でも、「逃げる」判断ができない人も多いのではないかと思う。だから、冒頭の真山の気持ちはわかる。「お金の心配をすることなく、ただ休める」のは、ありがたいことだろう。


こんなことを考えているのは、いつどのタイミングで夫が仕事を辞める決断をするのか、いよいよわからなくなってきたからだ。

「辞めようかな」がしょっちゅう口から出るようになった。どこまで本気かがわかりづらい人間だから、「どこまで真剣に捉えておけばいいの?」とはその都度尋ねるのだけれど、今すぐではないにしろ、本気度は高いようだ。

「何も考えずに休め」と言える家計ではない。ただ、「生活はどうするの」と言い募りたくもない。主夫をするだとか、何らかの考えは持っていてほしいけれど。

わたしはお金に対する不安感が強いタイプだ。表面上では「よく考えて決めたらいいんじゃない」と伝えているし、それがひとつの本音でもあるのは確かだ。けれども、内心では「マジか……仕事増やさなきゃ不安で死ねるぞ……」という思いでいっぱいになっているのも、また事実だ。

お仕事、します。


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卯岡若菜
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