詩ことばの森㉟「夕日に」
一日の仕事を終えて帰路に着くとき、ふと疲れをおぼえたりすると、なぜか木を眺めたりします。夕焼けを背景に大きな木がまっすぐ生えているのをみると、安心した気持ちになります。理由は、はっきり説明できないのですが、そんな木を眺めるのが、私は好きです。
夕日に
夕日に
僕の影がのびている
大きな欅の影と並んで
何にもない僕にあるのは
まっすぐな影ばかり
影よ地面に根差せ
深い根ほど
目には見えないものだ
まばゆい落日のなかに
立ち尽くす大樹となれ
森 雪拾
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