詩ことばの森(222)「幻のハクチョウ」
幻のハクチョウ
乾ききった空に
白い姿の一群は
生息するものすべてを
拒絶するかに見えた
自ら選んだ孤独を
愛でるがごとく
ねじれた時間を
もてあます姿は
まるで虚空の旅人
どこか遠い記憶の湖に
連なる氷の山脈に
羽ばたきと鳴き声を響かせて
果てしない望郷の彼方に消えていく
幻のハクチョウたち
(森雪拾)
幻のハクチョウ
乾ききった空に
白い姿の一群は
生息するものすべてを
拒絶するかに見えた
自ら選んだ孤独を
愛でるがごとく
ねじれた時間を
もてあます姿は
まるで虚空の旅人
どこか遠い記憶の湖に
連なる氷の山脈に
羽ばたきと鳴き声を響かせて
果てしない望郷の彼方に消えていく
幻のハクチョウたち
(森雪拾)