詩ことばの森㊸「秋の風に」
今朝早く公園を歩いてきました。風が清々しく、小鳥の鳴き声も爽やかな感じがします。色づき始めた木の葉が、朝の光に輝いてさえ見えて。秋は好きな季節ですが、どこか寂しい気持ちにもなります。いろいろなことを感じたり、思ったり、考えたりする季節。好きな本のページでも、開いてみたい気持ちになりました。
秋の風に
僕の過ごした
時間のかけらが
秋の風に
音をたてている
その音は
澄んだ空に
ゆれる木々の葉ずれや
鳥のさえずりとともに
道端に転がる
空き缶だったりして
からっぽなほど透明で
かわいてしまった音なのだが
なぜか ぼくの
心に響くのだ
地面に
カチリと
木の実が落ちると
少し心に
痛みをおぼえたりするのだ
秋の風が
音を立てながら
忘れていたかけらを
集めているのだろうか
森 雪拾
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