
詩ことばの森(121)「雨後の庭で」
雨後に庭で
雨の後に
庭の草木を巡る人よ
香りはすでに土に帰り
居場所を忘れた鳥の囀りばかり
繰り返す耳の奥で
壁を飾る絵に
一時の添い寝をするとき
溶けていく空気のなかを
夢の行方を求めてはさまよう
旅雁の群飛ぶ姿
それでもふと目の前に
繰り広げる草木たち
耳をすます水の音に
時のたしかに刻む律音
目を伏せる祈りのごとくに
(森雪拾)
雨後に庭で
雨の後に
庭の草木を巡る人よ
香りはすでに土に帰り
居場所を忘れた鳥の囀りばかり
繰り返す耳の奥で
壁を飾る絵に
一時の添い寝をするとき
溶けていく空気のなかを
夢の行方を求めてはさまよう
旅雁の群飛ぶ姿
それでもふと目の前に
繰り広げる草木たち
耳をすます水の音に
時のたしかに刻む律音
目を伏せる祈りのごとくに
(森雪拾)