詩ことばの森(254)「詩人との出会い」
詩人との出会い
ある日 詩人の道を
歩いてみたが
どこにも詩人はいなかった
夏は青い木々も
秋になれば色づき始めるが
時をへだてても
僕はやはり詩人に会えずにいた
ならば 大きな声で
詩人 詩人よ
と呼びかけでもしたらどうだろう
池のカモたちが驚いて逃げ出すに違いない
たぶん 誰も求めてなどいないのだ
詩人は不用な存在なのだ
ああ そうだったんだなあ
と思いながら歩いていくと
向こうから
正真正銘の詩人がやってきたのだ
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