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詩ことばの森(152)「森を歩く」

森を歩く

こもれびの道を
僕は歩いていた
森を抜けると
湖へと着くはずだった

四月だというのに
木々は夏の装いだった
森影にこだまして
僕の足音ばかり聞こえた
たまに鳥の声を耳にした

こもれびのなかで
僕はひとりだった
森の道はつづいて
湖は姿を見せなかった

春だというのに
木々は闇に包まれていた
静寂さに身の置きどころなく
森に足音は吸い込まれていった
遠くで鳥の声が高く響いた

(森雪拾)

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