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えっ、私を訴える!?

ある病院で、放射線科医で読影とIVRのどちらも対応できるという医師が紹介会社から提案があった。
急性期病院としての質を高めたい思惑のある院長は、ぜひ採用したいと面接の希望があったので採用窓口である私が日程調整して会うことになった。

後日病院に来院され、院長・事務長と私が面接者としてお迎えした。

面接自体は淡々と進み、病院の方向性やその医師に期待することを伝え、面接は滞りなく終わり、その医師は帰って行った。

面接が終わり、3人で面接の感想と意見交換を行なった。
院長の印象としては「彼は本当にIVRができるのかな?」という疑問を持ったようだ。手技や知識の話で「?」が飛ぶ内容があったそうだ。
事務長も相手の自己アピールが強く、いささか不安があったとのこと。

私の印象は「何か少し怪しい・・・」。

誤解を恐れずお話をすると、私は目の前の人との会話や印象で違和感を持つことがあり、その場合、高い確率で人間性に問題があったり、過去に問題行動を起こしているケースが何度もあった。

私はこの直感のようなものを大切にしており、何か出てくるかもしれないと、ネットサーフィンをしていると、やっぱり出てきました!

結論から申し上げると、過去の病院勤務の際に院内で暴言やストライキのようなものを起こしており、それが記事になっていました。
当時の2ch(最近見てませんが、まだあるのかな??)でも散々叩かれていて、内容はここには書けませんが相当ブラックな内容でした笑

勤務歴のある病院に確認したい気持ちもありましたが、個人情報保護の観点からそれは厳禁なので行いませんでした。

全てを鵜呑みにするわけではありませんが、「火のないところに煙は立たない」理論から院長・事務長に共有すると、手技についても疑わしい点がいくつかあるから採用は見送ろうという結論になりました。

紹介会社さんには正直に伝えましたが、この理由では相手も不快になるので、「別の医師を検討していますので見送らせてください」という理由でお断りをしてくださいと伝えました。

その2日後・・・

私の業務用の携帯がなりました。
電話に出た私に対し、電話口の相手はこう言いました。

「俺の情報をどこかから聞いたな!!お前のことを訴えてやるからな!!」

「はい!?」

私の名刺に書いてある携帯番号に直接電話してきたようです。
(本来なら紹介会社さんを挟んでいるのでルール違反です。)

「いえいえ、どこからも話を聞いたりはしていませんよ。今回は別の医師の方を院長・事務長が優先したいからお断りして欲しいと言われましたので、紹介会社さんにそのように伝えました」と。

「いいや、お前は絶対調べたはずだ!訴えてやる!!」

誰かに訴えてやるなんて初めて言われた私は動揺しましたが、なるべく冷静に、「何か調べられたら困ることがあったのですか?」と切り返しました。

いささか沈黙の後、「ガチャン!」と電話を切られました。

紹介会社にすぐに連絡し、経緯を共有し、今後この医師はグループ内でブラックリストにしますと伝えました。
そして二度と私にコンタクトをとってこないように伝えるようお話をさせていただきました。

その後上司にもその話を報告したところ、上司からは「何にも悪いことしていないんだから、訴えてもらえ! そんなこと気にするな!」と言われました笑
生まれて初めて“訴えてやる!”と言われて動揺した心のモヤモヤが晴れたのを覚えています。


医師不足の病院では喉から手が出るほど欲しい医師ですが、やはり一人の人間ですので、良い人もそうでない人もいます。
よくわからず手放しで採用をしていると、思ったような実力を発揮してもらえないとか、トラブルメーカーになってしまったり、すぐに離職されてしまい投資したものが無駄になってしまったり…

医師といえど、採用は慎重にならないといけないですね!

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