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もしもトイレがなかったら

トイレや排泄をとおして社会を少しでもよくしていきたい、そんなことを日々考えているNPO法人日本トイレ研究所の加藤です。

今、小学生向けに「もしも、トイレがなかったら(仮)」というようなタイトルで本を書いています。食べることや運動することと同じように、出すことの大切さを子どもたちと一緒に考える本にしたいなと思っています。

ところで、みなさんはトイレがなかったら、なんてことを考えたことがありますか?
水や電気がなかったら…ということは考えたことがあるかもしれませんが、トイレって、当たり前すぎて無くなることをイメージしづらいですよね。

たとえば、水道から水が出なくなったら「ペットボトル」、電気がつかなくなったら「発電機」、ガスが出なくなったら「カセットコンロ」など、ふつうは代替手段があるのですが、水洗トイレについては「???」です。

今は、外出自粛で「Stay Home」と言われていますが、水洗トイレが使えなかったら大パニックですよね。

「その辺ですればいい!」なんてことを言う人もいるかもしれませんが、そんなに簡単ではありません。雨の日もあれば、暴風の日もあります。暑い、寒い、夜は真っ暗で怖いなど、外でするには様々なハードルがあります。1日に5回以上は悩むことになります。

「そんなのまったく気にならないよ!」という人もいるかもしれません。
ですが、私たちは町をつくって集まって生活していますので、誰にも見られずに排泄できる場所って、そうそうあるものではないです。そして、数少ないそういった場所は、みんながそこでしようとしています…汗
しかも、あちこちに排泄したらどうなるかは、過去の歴史から明白です。ペストやコレラの流行で多くの人が命を落としています。町に住む多くの人が屋外で排泄をする(し尿を適切に処理しないという意味)ということは、私たちが安心して生活できなくなるということなのです。

新型コロナウイルス感染症により、「衛生」への関心がいやが応でも高まっています。こういう時期だからこそ、トイレや排泄のことを考えるにはよいタイミングだと思います。
たとえば、排泄のメカニズムはどうなっているのか、トイレを清潔に保つにはどのようにすべきか、水洗トイレシステムはどのような仕組みになっているのか、もしも水洗トイレが使えなくなったらどうしたらいいのか、それに備えて何をやっておくべきか、などなどです。

意外と知らないことが多いのではないのでしょうか?

感染症拡大防止としての外出自粛、自然災害時の自宅避難、どちらも自宅での生活を継続することが求められます。そのとき、水、電気、食料とともに、トイレ・排泄・排水をどうすべきかを考えておくことは、とても大事です。

このnoteで、そんなことも説明していきたいと思いますので、よろしくお願いします。


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