スロースターターの腰の上げ方
「くすぶり人間と3人の尻叩き」でも少し書いたこと、何かを始めるまでについて、をもう少し掘り下げてみようと思う。
腰の重い人間がどうやって何かをやりはじめるのか?
何事も始めるまでに時間がかかると言うのが、自分の特徴だと気づいたのはごく最近だ。
食事と読書以外のことは全て、取り掛かるまで、そして軌道に乗るまで時間がかかる。
入浴、家事、運動、仕事、どれも何とかやっているが、よくよく考えると、やってみようと思って、やり始め、実際それの良さに気づくまでには時間がかかる。
しばらく、ぐだぐだ不満を言うこともある。
ちなみに、友人からは「どうせ結局やるのだから、ぐだぐだ言うな」と言われたことがあるが、全く賛成出来ない。やろうと思うことと、やることの間には大きな谷があって、その谷を飛び越えるためには勢い、もしくはブースターが必要だ。ぐだぐだ不満を言うことが勢いをためることになる人もいるのだ。自分とタイプが違うからといって否定しないで欲しい。不満を言わずにやる自分のハイスペックさに気づいてくれ、と思う。
話が脱線したが、人付き合いもそうだ。まずはどういう人かじっくり眺める。そのひとの言動を観察している。
仲良くなって、遊びに出かける時も、自ら計画を立てることよりも、人から誘われて乗ることの方が多い。乗って仕舞えば、準備なども積極的にやるし、当日行かないなどと言うことはないが、率先して企画を立てるようなこともほとんどない。準備や段取りには参加する。それは企画に乗るものの務めだと思っているので。
何においても、電光石火のスタートを切るようなことは決してない。スロースターターなのだと思う。スタートダッシュは出来ない。そろそろと走り始めて、だんだんと加速していくタイプなのだ。
ハキハキしゃべり、段取りも組めるし、実行もするので、勘違いされやすいが、完全なるスロースターターである。
思いついてから、実行に移すまでに時間がかかる。そしてその間に、無限の問いが湧いてくる。無限の問いはやる気を失わせて、行動を止めようとしてくる。
抽象的な表現、比喩表現としてではなく、実際に、やろうとする行動をやめさせるのだ。
無限の問いは無限なのでいくらでも状況に応じて湧いてくる。
「こんなことして何になるのか」
「無駄なのではないか」
「やったとしても不快な気分になるのではないか」
「もっと上手くやっている人もいるのでは」
「意味がないのではないか」
「効率が悪いのでは」
「やったとしても終わらないのでは」
「思ったような結果が出ないのでは」
「やっても何も変わらないのでは」
「タイムパフォーマンス(コストパフォーマンス)が悪い」
無限の問いに対する解はひとつだけだ。
「ああ、そうかもしれませんね」と適当に返答して、やり始める。
この1択である。
やり取りをしてはいけない。
SNSにくる変なリプライと対応は同じだ。
何か反論すれば、無限の問いは勢いづく。
無限の問いはただでさえ、なかなかしぶとい。立ち上がったくらいでは止まってはくれない。だから、そんな奴を勢いづかせてはいけないのだ。
例えば、ジムに行く時に無限の問いが襲いかかってきて、寝転んだままスマホを見ているとする。身体を動かそうとしても無限の問いが襲いかかってきて、動きを封鎖する。できるのは、それまでやっていたこと、スマホをスワイプし続けることくらいだ。
そこから、運動って気持ちいいと感じるまでには、個人的には少なくとも以下のステップと時間が必要だ。
①スマホから指を離すもしくはオフする 1分(〜無限)
②立ち上がる 5分
③ジムへ行く準備をする 5分
④家を出る 1分
⑤ジムへ向かって歩く 15分
⑥ジムへ入る 1分
⑦エアロバイクに乗る 15分
計算してみると43分もかかっている。
この43分の間に無限の問いが襲いかかってくる。彼らは休むことを知らない。この7段階のどこでも、手を変え品を変え、やる気を削いでくる。
だいたい、①がむちゃくちゃに難しいのである。動作としては1分だが、ものすごく時間がかかることも多い。
そのため、①ができれば、無限の問いは止まないものの、かなり大きな段階を乗り越えたとも言える。
①をやり切るためにどうするか?気合い?そんなものではダメだと言うことは誰でも知っている。
①の状態は、視覚をハックされている状態だと仮定したほうがいいと考えている。我々の意思とは関係なく、視覚をスマホに取られている状態だ。視覚を奪われてしまったら、どうするか。
経験を踏まえて言うと、
ここから離れるには、
視覚以外の五感を使うと上手く行くことが多い。
残された感覚をフルに使う、ハックするということだ。
そうすることで、視覚のハックを解除するのだ。
個人的には、以下の順番で効果が高い。
聴覚→好きな音楽を流す(踊っても良い)、Audibleかポッドキャストを聞いて、声に集中する(画面を見ない)
味覚→何か飲むか、食べる(そのために動く、スマホから離れる)
嗅覚→気に入った香水をワンプッシュする、アロマオイルをたく(そのために動く、スマホから離れる)
触覚→柔らかい部屋着ではなくて、外出用の少しパリッとした服に着替える、顔を洗う
効果の高さの順番は人によるだろう。五感の感受性の強弱はかなり個人差があるからだ。
とはいえ、マツケンサンバをかけるとか、新宝島をかけるかして、完全に無視するのはなかなか難しいだろうから、聴覚をハックするというのは誰にとっても比較的上位にくる方法かもしれない。また嗅覚や触覚については、もっといい方法があるだろう。今のところ、音声を流すことが最も効果があるので、嗅覚や触覚についてはまだ深く検討していないのだ。もっと良い方法があるかもしれない。
さて、動き出せたら、次の行動に速やかに取りかかる。スマホを見てはいけない。頭に湧いてくる無限の質問に答えてもいけない。行動、と言うところがポイントである。動く必要がある。
動き出したら止まったり、座ったり、横たわったりしてはいけない。振り出しに戻ってしまう。何らかの行動を続けていく方が良い。
経験としては、家を出る前でも、まだまだ危険な状態だ。郵便物や回覧板がポストにあって、それを見つけた瞬間に出かける気力が消えたことが何回かある。
冗談ではなく、本当に。
家を出るところではまだ、軌道に乗っていない。ここで何らかの別の用事が入ってしまうと、何かに取り組んでみようという気分は消えてしまう。スロースターターとしては、すぐエンジンが止まる段階なのだ。
もう1段階、ギアを上げなければいけない。
ギアを上げる方法は、これまた、ひとつだけだ。
「やり始めたことは15分はやめない」
風呂に入るなら、風呂場の方へ向かい、服を脱ぐ。
書類を作るなら、キーボードをとにかく叩く。
走るかエアロバイクを漕ぐなら足を動かす。
掃除なら掃除機をかけ続ける。
noteの記事を書くなら、まとまらなくても書き続ける。
やらないといけないことを、とにかく15分やり続けるのだ。
10分くらい経過すると効果が出始めて、無限の問いが消え始めるのが恒例だ。
15分やりきると、かなりモードが変わっており、やるのを拒んできたことが少し楽しくなってきている。
このやり方で、取り組むと大体のことは1時間程度もしくは予想の半分以下の時間で片付くし、次にやるべきことにもスムーズに取り掛かれる。
このやり方をせずにぐだぐだしていた場合は、軽く見積もって、3倍はかかる。
最近ようやく、この事実に気づいたので、避 「やりたくないなぁ」と思うものこそ、
聴覚ハック→身体を動かす→やるべきことをまず15分やる
という流れに押し込んでいる。
なかなか効果的だし、結果が出る。
スロースターターは、
とにかく
まず腰を上げること、
15分やめないことがお勧めだ。
余談:占星術的に言うと、不動宮多めの人、不動宮太陽の人にはこのやり方が効くのでは…と思っているのだがどうだろう。