2024年2月13日 オーダーメイドの人生
今週は暖かくなると聞きましたが、
どうでしょう。
これって、暖かいのだろうかという微妙な気温です。
でもまぁ、コートの前をきっちり閉めていないのだから
暖かいということなんでしょう。
だというのに、早朝、微妙に指先はかじかんでいます。
不満を感じながらのしのし歩いていたら
正面から女子高生が2人、自転車を漕いできました。
「さみー」と聞こえたので
不満があるのは自分だけではないようです。
なんとなくホッとしました。
話しかけては不審者なので、『そうだよね。案外寒いよね』と
心の中でつぶやきます。
女子高生たちは、今時のくるぶしソックスで
眩しいふくらはぎでした。
それは、確かに寒い、と思います。
無事に登校して、暖かい場所で勉強してほしいものです。
今となっては、2月にその丈の靴下は履けません。
個性的とか言われる割に
周囲の反応が気になるタイプなのだ、と改めて自覚します。
女子高生が「寒い」ということで、安心できた自分がいます。
「自分だけでないかどうか」というのはいつも気になってしまうのです。
一般的でありたいという欲望が比較的強いのでしょう。
そういうのもそろそろ卒業したい、と思っていますが
根深いものですね。
年に数回、発作的に女性雑誌を購入します。
発作的にというのが最も、しっくりくる表現です。
急に、買わねば、という気持ちになるのです。
書店のラックに陳列されている最も親しみが持てそうな表紙の雑誌を
手に取りたくなる瞬間がふいにあるのです。
でも、その後、定期購読することはほとんどありません。
次の衝動を待つまでです。
何故かといえば、
女性雑誌に載っている読者の人生と自分の人生があまりに違うからです。
参考にできそうなことが、あまりにもありません。
女性雑誌には、
大抵の場合、
「1週間着回し特集」に加えて
「〇〇で働く〜さんの1日のタイムスケジュール」とか
「カバンの中身大公開」
「〇〇さんのこれまでのキャリアと現在」
などの特集があります。
どれも興味深く眺めますが
これまでに読んでも
自分ができそうな、あるいは自分と似た傾向の
着回し、タイムスケジュール(生き方)、カバンの中身、キャリアのひとはいません。
例えば、着回し、です。
雑誌に載っているような服ばかりは買えないし、
体質として着られない服もあります。
その通りにはとてもできません。
カバンの中身もそうです。
タイムスケジュール(生き方)、キャリアについても、もちろん言わずもがなです。
自分の人生とは全く被るところがありません。
その度に、少し落ち込みます。
一般的な人生とは、まだこんなにも違うのか、と。
最近は、もう一般的な人生と重なることはないだろうと思ったりもします。
友達は「そんなの当たり前でしょう。
あなたの人生はああいうところに載っていない」と
優しさのこもった口調で慰めてくれました。
もちろん、そう語る友達の人生も
雑誌には載っていません。
おそらく、ほとんどの人生は女性雑誌の特集に載っていないし、
載ってようが載ってまいが構わないし、
細かいところまで、ぴったり同じ人生のひとなんて1人もいないのです。
それが普通、それが当然なのです。
それで何の問題もないのですが、
どこかで一般的な人生を選べなかった自分を情けなく思う気持ちがあります。
自分を責めるというほどまで強くはありませんが、
自分にがっかりしたというような気持ちが。
世間の人や周囲にそういう言葉を突きつけられたわけではなく、
自ら、先回りして、そう思っているのです。
「皆みたいに生きられなかった」
「皆のように感じられない」
「皆みたいに出来ない」という思い。
子どもの頃からありましたが、
今でも全く消えてはいません。
昨日書いた「推し」を巡る話も根本はそこなのだろう、と思います。
他の人が
あっさりできることができない人間としての自分、
ずいぶん、認められるようになったと思っていましたが、
そうでもないようです。
まだまだ、皆と同じになりたい気持ちがあるのです。
今日もそんな気分になった時
「オーダーメイドの人生」
という言葉が、心の中に浮かんできました。
言ってしまえば、
誰の人生だって、オーダーメイドなのですけれど、
ものはいいようです。
オーダーメイドというと、
こだわりを持って、
自分好みにカスタマイズした雰囲気になります。
「皆のようにできなくていい」より
今の自分にはしっくり来る、と感じました。
皆のように感じられないのも
今回は、違う感じ方を味わいたいとオーダーしたから。
周りのようにスムーズに出来ないのも、
悪戦苦闘するハードモードをオーダーしたから。
オーダーメイド品だから、
他を真似しても上手くいかず、
自分なりのやり方を探す必要がある。
「オーダーメイドの人生」というのは
言葉遊びですが、
同時に、考え方の転換かもしれません。
オーダーメイドなのだから、誰かの同意を得る必要なんてないのです。
細く切った爪のような月を見上げて帰宅する頃には、
春の夜のような暖かさになっていました。
寒いと感じた朝は、時間が経てば暖かくなることもある、ということです。
その時、その時、感じたことを大事にするのでいいのかもしれません。
自分も他人も感じることなど変わるのですし
そしてオーダーメイドの人生なのだから、
他の人と感じ方が違って構わないのです。
きっと。
余談ですが、
この記事の中での自分の葛藤は占星術的にも説明できるのでは、と思いました。
出生図の月は天秤座、バランスを取ろうとするやり方が染み付いていると言えるでしょう。
一方、出生図の太陽は獅子座です。
自分が紛うことなき自分であることを誇る星座です。
バランスをとることよりも、獅子座として生きていきたい、
オーダーメイドであり、
誰とも違う自分であることを主軸にしていきたいという、出生図の中でも起きている力動がこの記事の中でも起こっているのかもしれません。